子供を叱らない親にイライラ!注意したいけどどうするのが得策?

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子供を叱らない親にイライラ!注意したいけどどうするのが得策?

あまり厳しくせずに育てた方が子どもはのびのび育つ、という風潮があります。

しかし周りに迷惑がかかっているのに自分の子どもを叱らない親を見ると、どうしてもイライラしちゃうことありますよね。

注意した方がいいのか?しない方がいいのか?

アドラー式子育ての熊野英一さんからアドバイスをもらいました。

イライラした時の相手の親への「怒りの目的」とは

イライラした時の相手の親への「怒りの目的」とは

質問者
5歳の息子と公園に行ったとき、何回も横入りをする子がいたのですが、それを見ていたその子の親がまったく叱らないのでイライラしました。

かといって、こっちが叱ることも出来ないし…。

こんな時はどうしたらいいのでしょうか?

きっと子育てをしている時に一度は遭遇するあるあるですよね。

腹が立つ気持ちには共感します。

アドラー心理学では「怒り」という感情について、何か別の思いや感情=一次感情があって、それがうまく伝わらない、伝えられない時に使われる二次感情であると考えます。

例えば、いつまでたっても宿題をしないわが子に怒っているとしたら、その一次感情は、宿題をしないことが習慣になってしまい将来は大丈夫か?という「心配」だったり、宿題くらいは簡単にできるはずという期待に対する「落胆」だったりするかもしれません。

心当たりがある人も多いのではないでしょうか?

そして、その「怒り」という手法を使う目的は概ね下記のようなものがあります。

怒りの目的

  • 支配:言うことを聞かせる
  • 主導権を握る:自分を優位に立たせる
  • 権利擁護:こちらに降りかかってくる災いから守る
  • 正義感の発揮:こちらが思う正しさで相手を制する

質問の内容からは正確にわかりませんが、わが子の前に横入りされたのであれば「権利擁護」にあたるでしょう。

他の子の前に横入りしているのであれば、「正義感の発揮」にあたると考えられます。

いずれにしても自分の常識や価値観から逸脱している行動を取っている人には、例え自分たちに害がなかったとしてもイライラ、モヤモヤする気持ちは起きてしまうものです。

ただ、ひとつの考え方として、相手には相手の常識や価値観があることも事実。

アドラーではどんな考えにもいい悪いと考えずに、どちらも並列に扱うので、シンプルに言うと「気にしない」というのが選択肢になってくると思います。

ガマンするというよりは、もはや別のもの、怒るような対象ではないものとして捉えるという方がいいかもしれません。

ただ、わが子の前に横入りされるなど、直接的に影響があるときや、同じグループやコミュニティにいる状況だと「気にしない」ということも難しい。

何かしら声をかけるという選択肢もあると思います。

では、どう声をかけたらいいのでしょうか?

叱らない親への声がけはできるだけ丁寧に

叱らない親への声がけはできるだけ丁寧に

「ちょっと!今おたくの子が横入りしたいんだからちゃんと注意しろよ!」

というのが、もしかしたら、頭に浮かんだ言葉かもしれません。

でも、よくよく考えてみると、これで解決するケースはなかなかなくて、相手からさらに強く言い返されて、口論に発展するようなイメージもわきますよね。

なぜ、そうなるのか?

仮に相手の価値観が、子どもが横入りをするくらいしょうがない、どちらかというと正しいと思っていた場合に、それを批判されたことで、権利擁護が発動して怒りを使うということも考えられます。

こうなってしまうと誰もトクをしないし、そもそも問題の解決にもならないはずです。

先ほども言ったように、それぞれの価値観に上下がないと考えると、相手を批判することも必要ないことです。

では、どうするのか?

お互いの目的は、それぞれの子どもが同じ公園で、同じ遊具で楽しく遊ぶこと。

その目的を達成するために「協力をお願いする」ということ。

最初に伝えるのは「あなたは間違っている」という批判ではなく、自分たちが嫌な思いをしているということ。

その上で、一緒に楽しむためにはどうしたらいいのか?ということを相談する。

例えば「こちらとしては配慮して欲しい」と依頼したり、「あなたの方針はそうかもしれないけど、この場所では順番を守ることになっていることを代わりに伝えましょうか?」などと提案するのもいいかもしれません。

いずれにしても大切なことは相手の価値観や考えを否定せずに、どうしたらお互いに納得できるかという話し合いをすること。

そしてそれを伝えるためにはできるだけ丁寧に伝える必要があります。

怒っているなど、冷静ではないときほど、大切な部分を省略して伝えてしまうので、そこは細心の注意が必要だと思います。

もちろん、丁寧に自分の気持ちを伝えても、相手が納得してくれないこともあると思います。

結果的に折り合わないとしても、それは違う価値観の人と一緒に遊ぶ時には仕方がないことでもあります。

ただ、それでケンカをして、もうその公園には行かないというほどになるよりは全然いいのですし、何より争わずに折り合いをつけようとするやり方を子どもが学ぶチャンスともとらえられます。

正直なところ、こうして冷静に文章で書くのは簡単で、実際に行動するのは難しく、うまくいかないことの方が多いかもしれません。

しかし頭の片隅にでも置いておくだけで、少しでも大ごとにならない方向に向かうことができればいいと思います。


熊野さん、ありがとうございました!

改めておさらいすると…

ポイント

  • 価値観は人それぞれ。そしてどっちがいい、悪いではないと考える
  • 相手を批判するより、自分の気持ちを伝える方がヒートアップしにくい
  • 一緒に楽しく遊ぶという目的を叶えるために協力するスタンスで話し合う

こういう時に何も言わずに不機嫌な態度を示す人も結構いると思いますが、それもまた解決には繋がりません。

また、「どうせ言っても無駄」という決めつけもあるかもしれません。

丁寧に伝えることで相手がすんなり理解してくれることだって意外とあるはずなので、そこはいったん相手を信じてみることが必要かもしれませんね。

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パンク町田

1968年 東京生まれ。NPO法人生物行動進化研究センター 理事長
アジア動物医療研究センター センター長

昆虫から爬虫類、鳥類、猛獣といったありとあらゆる生物を扱える動物の専門家であり、動物作家。
野生動物の生態を探るため世界中に探索へ行った経験を持ち、3,000種以上の飼育技術と治療の習得を生かした執筆はベストセラーを生み出す原動力となっている。
また、オールラウンドな犬種を扱うことができる犬の訓練士でもあり、愛玩犬のしつけから、猟犬、バンドッグの訓練も行う。独特のキャラクターでテレビ出演も多数こなす。
その他、動物関連での講演、執筆など多方面で活躍中。

パンク町田オフィシャルサイト:https://ultimateanimalcity.info/

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