「自分ばかり大変!」夫婦の不公平感を軽くするアドラー流の考え方

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「自分ばかり大変!」夫婦の不公平感を軽くするアドラー流の考え方

共働きで家事も育児もしているのに、気づけば自分ばかり大変…。

そんな“夫婦の不公平感”を感じてモヤモヤしていませんか?

とはいえ、感情のままぶつけても悪循環になるのが夫婦のむずかしいところ。

そんな気持ちになったらどうやって解決していけばいいのでしょうか?

この記事では、アドラー心理学の視点から、夫婦の不公平感を和らげ、前向きに関係を見直すためのヒントを紹介します。

夫婦の家事育児負担を客観的に確認してみよう

夫婦の家事育児負担を客観的に確認してみよう
質問者
質問者

私は共働きで子ども2人を育てています。

仕事も忙しいですが、家に帰ってもやることが多くて大変です。

妻は公平に分担していると言っていますが、どう考えても自分の方に負担が偏っていて不公平感が大きいです。

そう感じる自分は間違っているでしょうか?

アドラー心理学では、誰のどんな感情にも優劣はありませんし、例えネガティブな感情だとしても尊重するので、あなたが間違っているということはありません。

ただ、そのままの状態が続くのはいいことではないと思うので、ツラい状況から抜け出す方法を考えていきましょう。

負担が片方に偏るのには色々な事情がある

今回の場合、あなた自身は「負担が自分に偏っている」と感じていて、おそらくそれを「押し付けられている」ような感覚だと思います。

いずれにしても現段階では感覚的なものかもしれません。

そのため、まずやってみてほしいことは、実際に負担が偏っているか?を客観的にチェックすることです。

家事育児でいえば、チェックリストのようなものを作って、互いにしていることを洗い出してみることもいいと思います。

ただ、その時、家事の数で単純比較するのではなく、肉体的、精神的な負担の大きさも考慮する必要はありそうです。

また、互いの仕事の負担についても要素に加えた方がいいと思います。

家事育児の負担だけを公平にしても、仕事の大変さなどが違えば、それもまた不公平感を生む要素になってしまう恐れがあります。

そして、この負担がある程度公平になっていたとして、ちゃんと履行されていないケースも考えられます。

例えば「気づいた方がやる」「手が空いている方がやる」というものが、常にどちらか一方が実施してしまっているケース。

他にも「体調が悪かったらもう一方がやる」というルールだが、体調を崩しがちなのが一方に偏っているケースも考えられます。

あくまで想像ですが、こういった背景であなたに甘える構造になっている可能性も考えられるような気がします。

実際のところはどうかチェックしてみてほしいと思います。

「引き受けてしまうライフスタイル」を持っているかも...!?

客観的にチェックしてみて、やはり自分に負担が偏っているという場合。

その背景にもいろいろな要素があると思います。

そのひとつとして考えられるのは、あなた自身が「引き受けてしまうライフスタイル」を持っている可能性です。

ライフスタイルはそれまでの人生で培ってきたあなたの「性格」のようなもの。

もしかしたら「自分が我慢すればうまくいく」「このくらい文句を言わずにやらなくてはいけない」という考えがどこかにないでしょうか?

こういったライフスタイルの人には、おのずと負担が集まってきてしまいます。

自分としては、「結構きついけど引き受けている」と思っていても相手にはそれが伝わらず、いわば「甘えやすい人」になってしまっているかもしれません。

しかし、この自己犠牲的なスタンスが、自身を苦しめることになっている現状がある以上は、腹を割って妻と話し合ってみる必要があるでしょう。

もしかしたらあなたの本音に妻はビックリするかもしれません。

夫婦の不公平感を感じても抱えこまないで!

夫婦の不公平感を感じても抱えこまないで!

アドラー式「認知論」で考えてみよう

冒頭にあったように客観的に夫婦の負担状況をチェックしたときに、思ったよりも偏りが大きくなかった、というケースもあります。

それなのに、自分だけに偏っているような感覚になってしまうのはどうしてなのでしょうか?

これもまたライフスタイルに関係しているかもしれません。

アドラーはこんな言葉を残しています。

アドラー心理学のポイント

「人生でつらいとき、自分ばかり不幸だと思い込む人がいる」

これはアドラー心理学の「認知論」に基づく考え方。認知論とは、私たちが物事をどう捉え、解釈するかによって現実が変わるという考え方です。
見方や解釈の仕方は感情や行動に大きく影響します。

例えば友人の集まりに呼ばれなかったとき。

「仲間外れにされた」と捉える人がいます。

でも実際は、忙しそうなあなたを気遣って呼ばなかっただけかもしれませんし、呼ばれなかったのはあなただけではなかった可能性もあります。

なので、呼ばれなかったことをどう捉えるかで不安やつらさは和らぎます。

ただ、アドラーが言うように、「自分だけ」と犠牲者的な思い込みをしがちなライフスタイルの人は一定数いて、あなた自身もそうかもしれません。

夫婦間で「自分だけ損してる?」と感じたら

理想をいえば、もし「自分だけ」という考えに至ったときは、冷静に自分だけじゃない可能性を考えたり、ネガティブな可能性に過度に注目をしないようにしてほしいと思います。

しかし、思い込みの中にいるときというのは、なかなか冷静になれないもの。

視野もかなり狭くなってしまっている可能性が高いと思います。

そんなときにオススメしたいのは、誰かに相談することです。

プライベートなことなので誰でも話せるわけではないと思いますが、信頼できる人に思いや状況を伝えると、自分とは違う視点を知ることができるなど、気づきを得るきっかけになります。

イライラしているとき、困っているときこそ、勇気をもってアウトプットすることはとても大切です。

相談することを「弱音を吐く」と考えてしまう人もいると思いますが、決してそんなことはありません。

信頼できる知り合いが周りにいなければ、プロのカウンセラーを頼るのもいいと思います。

専門家の知見もきっと役に立つところはあると思います。

いずれにしても一人で抱え込まないことが大切です。

勇気をもって外に向かってもらえればと思います。


熊野さん、ありがとうございました!

改めておさらいすると…

ポイント

  • まずは感情ではなく客観的に偏りがあるかをチェック
  • 偏りやすい構造の場合は、パートナーへ思いを伝えてみる
  • 実際は偏っていなければ、自分の思い込みではないかをチェック
  • 信頼できる人やプロに相談して視野を広げてみよう

気持ちに余裕がないときほど、冷静にもなれないし、周囲が悪い!と思ってしまいがちのような気がしています。

どうにか息抜きするチャンスを作って心を整えてみるのもひとつの方法かもしれませんね。

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熊野英一

株式会社子育て支援 代表取締役 / ボン・ヴォヤージュ有栖川 代表
子どもたちの居場所づくりプロジェクト「ビリーバーズ」統括リーダー
アドラー心理学会 正会員 / 個人心理学会 正会員

著書は『アドラー式 老いた親とのつきあい方』(海竜社)『アドラー式子育て 家族を笑顔にしたいパパのための本』(小学館クリエイティブ)ほか。編著は『急に「変われ」と言われても』(小学館クリエイティブ)。

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