「うちの子のこの性格、生まれつきなのかな?」「私に似ちゃったから仕方ない…」。
わが子を見ていて、そう感じることはありませんか?
科学的にも、子どもの性格は遺伝の影響を受けることがわかっています。
でも、「生まれつきだから」とただ受け容れて放っておくのも難しいですよね。
「人の性格や志向はいつでも変えられる」と考えるのがアドラー心理学です。
性格は親が作るものではなく、子ども自身が作るもの。
だからこそ、親にできる関わり方があります。
今回は、アドラー式子育ての専門家・熊野英一さんの著書『家族の教科書 子どもの人格は、家族が作る』から、性格に近い「ライフスタイル」がいつ・どう形作られるのかと、わが子の人格形成に親ができることを紹介します。
子どもの性格とは?いつでも変えられる「ライフスタイル」

アドラー心理学では、その人の行動や言動などには、それぞれ目的があって、それは全て自分で決めていると考えます。
その決定や選択に影響するのが「ライフスタイル」です。
一般的には「性格」という言葉で表現されることに近いですが、「性格」が一部分を切り取った「静止画」のような感覚に対して、「ライフスタイル」はもう一歩踏み込んで、その人らしい振る舞いをもう少し長く俯瞰的に切り取る「動画」のようなイメージで考えています。
ライフスタイルを作る3つの要素
ライフスタイルは、その人が経験したことや、見てきたものなど人生における周囲の様々な影響のもとで、10歳くらいの時点でおおむね形作られると考えます。
つまり、子育て期間に育まれるものなので、家庭の影響は大きいと考えられます。
そんなライフスタイルを構成している3つの要素がこちら。
ライフスタイルを作る3つの要素
- 自己概念 自分自身の現状をどうみなしているか。「私は〇〇である」
- 世界像 周囲の人・人生の現状をどう見ているか。「世界は(人生、人々は)○○である」
- 自己理想 自分がどうありたいか。周囲の人からどう扱ってほしいか。「私は○○であるべきだ」
皆さんも自分自身のライフスタイルについてちょっと考えてみたら、きっとこの3つは要素が思い浮かぶのではないでしょうか?
性格は「ものの見方」次第で変えられる
「人は誰もが自分自身の人生の脚本家である」とするアドラー心理学は、結局は自分がどうしたいかを考えて、自分でやることを選んでいると捉えています。
であれば、ライフスタイルだって決して変えることができないものではありません。
そもそも、先に挙げた3つの要素「自己概念」「世界像」「自己理想」はあくまで、その人が主観的な視点で考えて作られたものなので、その人の見方や考え方を変えれば、それぞれを変えることも可能なわけです。
これは子どもだけでなく大人も同じです。
また、「ライフスタイル」は、それぞれが自分で頑張って勝ち得たお気に入りのスタイルのようなものなので、それ自体に優劣はない、と考えます。
ただ、どんなライフスタイルでも、極端にそれを使いすぎる=自分中心的なふるまいになってしまうことには注意が必要です。
性格形成に親の影響は大きいが、親が作るものではない

「こんな子に育ってほしい」が行き過ぎると起こること
子どもを持つと、多くの親はわが子に対して「こんな子に育ってほしい」と希望を抱くものです。
周囲からも「どんな子に育ってほしいと思ってる?」と聞かれることもたくさんありますよね。
希望や願望を持つことは悪いことではありません。
ただ、踏み込んではいけないラインがあります。
それは、わが子のライフスタイル形成に介入することです。
子どもの人生の脚本を描くのはあくまで子ども自身。親ではありません。
ましてや子どもは親の所有物でもありません。
親が良かれと思って「こうなってほしい」という希望や願望を膨らませれば膨らませるほど、恣意的に誘導したり、親の価値観を押し付けてしまったりすることになります。
そうすると子どもは、自分自身の考えや価値観が間違っていると自己否定をしてしまい、自己肯定感が下がったり、反抗的な態度を取ったり、親の顔色ばかりをうかがうようになったり…。
これって、親が望んでいる子どもの姿でしょうか?
「こうなってほしい」と思うがあまり介入した結果が「こんなはずじゃなかった」。
そんな話はよく聞きます。ここは注意しないといけません。
親にできるのは環境整備と「家庭の雰囲気」づくり
とはいえ、最初にも言ったようにライフスタイル形成には、育った環境が影響します。
だとしたら、やっぱり親がどのような環境を作るかはとても大事です。
住環境や教育環境などを整えることももちろん大事なことですが、最も大事だと思うのは「家庭の雰囲気」を作ることです。
なんでも勝ち負けを意識した声かけや他人との比較、日頃から愚痴ばかり、などちょっとしたことの積み重ねではありますが、ギスギスした空気感やネガティブで卑屈な思考は決していい環境とは言えないですよね。
一方で、頭ごなしに否定することなく家族みんなの声に耳を傾け、なんでも話せる雰囲気や、互いを尊重している雰囲気の方が、子どもだってのびのびできるはずです。
そもそもパパとママもライフスタイルは違います。
それでも、お互いに尊重して協力し合う姿を見せることはいい雰囲気づくりには欠かせません。
また、とはいっても簡単にはうまくいかずぶつかることだってあると思います。
それでも、不完全なもの同士でなんとか頑張っていくこともまた子どもにとっては大切な学びです。
完璧じゃなくても頑張ればいい、と不完全な自分を受け容れることにもつながるのではないでしょうか?
パパもママもありのままでいることができれば、子どももまたありのままの自分を大切にすることができると思います。
親としてはあれこれ言いたいところですが、まずは自分たちで環境作りから考えてみてください。
熊野さん、ありがとうございました!
改めておさらいすると…
ポイント
- ライフスタイルは「自己概念」「世界像」「自己理想」で作られ、10歳くらいでだいたい出来上がるが、いつでも変えることはできる
- ライフスタイルは自分自身で作るもの、親が介入してはいけない
- 親ができるのはあくまで環境整備。まずは家の雰囲気を良くする
子どもを見ていて「私に似てこうなってしまった」「妻に似てるからこれは仕方ない」とついつい思ってしまうことってたくさんありますよね。
でも、どうやらそれだけではないみたいなので、先入観を捨てて子ども自身を見ていくように心がけていきましょう!
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