部下とのコミュニケーションが上手くできない!親子同様に良い関係を築くには

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部下とのコミュニケーションが上手くできない!親子同様に良い関係を築くには

家庭においてわが子といい関係を作ることも難しいですが、仕事で年下の部下との関係作りもまたなかなか難しいこと。

わが子とはいい関係だけど、部下とはうまくコミュニケーションが取れないことに悩むパパへ。

アドラー心理学を基にしたアドラー式子育ての熊野英一さんから、親子同様に良い関係を築くのにはどうしたら良いか、アドバイスを聞きました。

上司部下でも親子でも基本は変わらず「相互尊敬」「相互信頼」

上司部下でも親子でも基本は変わらず「相互尊敬」「相互信頼」

質問者
5歳の息子を育てています。

毎日二人で楽しく過ごしていて言うこともよく聞いてくれます。

しかし、仕事の面では若い部下の扱いに苦戦していて困っています。

わが子ではできることがなぜ部下ではできないのか??モヤモヤしています。

アドラー心理学をシンプルに伝える時「人はどうやったら周りの人と仲良くなれるのか?」というテーマの心理学と伝えることが多いです。

今回の質問はその最も基本的なところを考えるためには、ピッタリかもしれません。

一般的にはわが子の方が難しい

アドラー心理学では以下の3つに分けて考えます。

  1. 「愛のタスク」:家族や夫婦、親子といった最も近い関係
  2. 「交友のタスク」:友人など近いけど生活を共にするわけではない関係
  3. 「仕事のタスク」:ビジネスや地域コミュニティなど、いわば仕事として築く関係

通常、コミュニケーションにおいては「愛のタスク」、つまり身近な人に対しての方が最も難しいと考えられることが多いです。

仕事や友達との間では冷静になることができたり、配慮ができたりするのに、家族の前では感情的になってしまったり雑なコミュニケーションを取りがちな人が多いもの。

これは、近い存在だからこそ、わかってもらえるものと深層心理が働くことが多く、いわば甘えのようなものが出てしまうからです。

あくまで一般的なケースとしてですが、「仕事ではできるのに家族にはできない」と感じる人の方が多いもの。

そう考えると質問のパパはちょっとレアケースなのかもしれません。

コミュニケーションの基本は同じ

アドラー心理学では互いに尊敬し、互いに信頼し、互いにありのままでいられる対等な関係を望ましいと考えています。

これは相手が誰であろうと変わりません。

しかしながら、社会では「上司と部下」や「先輩と後輩」、そして「親子」といったように立場上の上下があるケースも少なくありません。

そういう意味では、上司部下の関係は親子関係に似ているところはあるかもしれません。

そんな中で対等な関係を築くのは簡単じゃないと感じる人は多いと思いますが、あくまで基本は同じ。

敬語を使うことなど接し方に配慮することは大切だとしても、姿勢や態度は変える必要はありません。

また、時折あまり意識しなくても互いに楽しめる関係を築ける、いわゆる“ウマが合う”というタイプの人もいますが、どうしてもうまくいかないタイプの人もいるもの。

それぞれのコミュニケーションのスタイルはあまり変わるものではないので、どうしても合う合わないがあって、もしかしたら部下はその合わないタイプだったということも考えられます。

もちろんその場合はあまり気にすることはありませんが、どうも部下とは合わないことが多い、となるとちょっと自分のコミュニケーションスタイルを振り返ってみる必要があるかもしれません。

言うことを聞いてくれる関係がいい関係とは限らない

言うことを聞いてくれる関係がいい関係とは限らない

本当にわが子といい関係が築けているか?

質問の中で、わが子に対して「言うことを聞いてくれる」としていることが気になります。

ここから推測するに、「言うことを聞いてくれない」部下に対して、うまくいっていないと感じているのではないでしょうか?

自分の言うことを聞いてくれるか、くれないか?いい関係かどうかはここだけでは測れないものだと思います。

もちろん、しっかり互いに納得した上で主張を聞き入れているのであれば問題はありませんが、質問のパパのお子さんが「実は納得していないけど言うことを聞いた方が楽だ」という状況もありえるかもしれません。

そもそも親子という関係において子どもが小さい頃から「反論すると怒られる」「意見を言っても結局論破される」ということが続いた結果「とりあえず言うことは聞いておくか」となることも、親としては注意しないといけません。

その配慮は十分にできているでしょうか?

もしもそれができていなかった場合、現在のコミュニケーションスタイルが、まだ未熟な子どもなら言い負かすことはできるけど、ある程度のスキルを持つ大人には通用していないから部下とはうまくいっていないというケースも考えられると感じます。

問題は部下にある、と思っていないか?

「自分はちゃんとやっていてわが子ともうまくいっている、なのに部下とはうまくいかない」という質問の仕方からは、どうもうまくいかない原因が「部下」にあると言っているように聞こえます。

もちろん、いい関係を築くためにこれまでもいろいろな努力をされてきたと思います。

でも、あまりいい効果が出ていない。その時に「自分はやっているのに」と感じることはあると思います。

でも、それは部下のせいなのか?やり方のせいなのか?判断できるものではないと思います。

自分のせいである可能性だって同じようにあるはずです。

コミュニケーションに限らず、ネットなどで調べるといろいろなテクニックを知ることはできます。

でも、頭で理解してテクニックを使っても、背景にある態度や姿勢がついてきていなければ通用しないことは多いと思います。

もちろんロボットやデジタルではマニュアル通りに動かせば、思い通りになりますが、人間はそうはいきません。

「部下にはこういう言い方をしたら指示通り動いてくれる」といったテクニックを安易に使うと、指示通りに動かなったときにモヤモヤするのは、相手をちゃんと尊敬、尊重していない証拠ではないでしょうか。

あくまで可能性の範囲ではありますが、今一度コミュニケーションスタイルについて見直すチャンスかもしれません。

部下に対しても、わが子に対しても、自分の思い通りに動かそうと操作するのではなく、相手がありのままでいることを受け容れて、互いに尊敬、尊重した上で協力できる姿勢になれるように考えてみてください。


熊野さん、ありがとうございました!

改めておさらいすると…

ポイント

  • 本来は身近な人に対しての方がコミュニケーションは難しい
  • コミュニケーションの基本は相手が誰でも同じ
  • 「言うことを聞いてくれる」のがいい関係ではない
  • テクニックに頼らず、自分の態度や姿勢を見直してみる

人間関係だけでなく、何か問題が起こった時にはシンプルに解決するためのメソッドが知りたいと思いますが、特に人間関係においてはメソッドがハマらないこともありますよね。

そんな時に原因を相手に求めないこと。

わかってはいるけど、なかなか実践が難しいものですよね…。

少しずつトライしていきましょう!

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また、熊野さんのアドラー式コミュニケーションの講座では、家庭はもちろん仕事でも使えるコミュニケーションのコツを学ぶことができます。

こちらも気になった方はぜひチェックしてみてください!

熊野英一

株式会社子育て支援 代表取締役 / ボン・ヴォヤージュ有栖川 代表
子どもたちの居場所づくりプロジェクト「ビリーバーズ」統括リーダー
アドラー心理学会 正会員 / 個人心理学会 正会員

著書は『アドラー式 老いた親とのつきあい方』(海竜社)『アドラー式子育て 家族を笑顔にしたいパパのための本』(小学館クリエイティブ)ほか。編著は『急に「変われ」と言われても』(小学館クリエイティブ)。

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