男性の育児参画が増えてきたとはいえ、育休中のパパが児童センターや子育てスポットに行くと、周りはほとんどママばかり。
そんな環境の中で劣等感を感じてしまうパパは少なくありません。
でも、その劣等感は本当に感じる必要があるものなのでしょうか?
今回はアドラー式子育ての専門家・熊野英一さんが、アドラー心理学の視点から育休中のパパが劣等感を払しょくするための考え方をアドバイスします。
パパが劣等感を感じるのは、マイノリティだから当然

下の子が産まれるタイミングで1年の育休を取り、妻の体調がなかなか戻らないこともあって、日々、3歳の息子とおでかけしまくっています。
ただ、児童センターや子育てスポットに行っても周りはほとんどママで居心地も悪いし、上手に遊んでいる様子を見ては劣等感を抱いてしまいます。
この気持ち、なんとか払しょくできないでしょうか?
男性の育休取得率は4割を超えたと言いますが、だからと言って子育てスポットにいる人が4割パパになったかと言うとそんなことはありません。
子育て界隈においてパパはいまだにマイノリティであることは抗いようのない事実。
ただ、だからといって劣等感を抱く必要はあるのか?一緒に考えていきましょう。
少数派にいると感じる「ドキドキ感」の正体
例えば、クラスの旗のデザインを決めるときにAかBか二つの候補の内どっちがいいかを聞かれた時に95%くらいの人がAを選んでいるのに、自分はBを選んだ場合。
なんだか「あ…」という気持ちになってしまいますよね。
そして多くの人は「少数派=マイノリティ」であることに引け目を感じてしまいがちです。その気持ちは自然なものだと思います。
みんなと同じであることが求められがちな日本では、特にその傾向が強く、反対に「多数派=マジョリティにいるだけで安心する」と感じやすいと思います。
ただ、デザインのように正解がないものであれば、多いか少ないかは正解不正解に直結するものではありません。
時には、マジョリティの中に「絶対Aだよね。なんでBなんか選ぶの?」といった攻撃をしてくる人がいた経験があるのかもしれませんが、あくまで感性の違いなので、本来は引け目を感じる必要はないのです。
ママが多い中でポツンとパパがいると、確かになんだか居心地は悪いと思いますが、本来は気にする必要はありません。とはいえ、理屈ではわかっていてもよほど強靭なメンタルでないとなかなかその境地にはたどり着けないというのもまた事実だと思います。
アドラーが語る劣等感の本当の意味とは
アドラーはこんな言葉を残しています。
アドラー心理学のポイント
アドラーはこんな言葉を残しています。
「劣等感を克服するには、社会でいきるための教育やトレーニングが必要だ」
今でこそ日常的に使われる「劣等感」という言葉ですが、この言葉を世に広めたのが他ならぬアドラーだと言われています。
もともとアドラーが使った「劣等感」の意味は、「他者と比べて劣っていると感じるもの」ではなく「自分が抱く理想と比べて足りないと感じるもの」という意味合いでした。
言うなれば「劣等感は成長のための起点」というポジティブな側面があるのです。
アドラーが遺したこの言葉が表す「克服」とは、自分の理想に近づくことであり、そのための教育やトレーニングが必要というわけです。
今回の質問をいただいたパパは、上手に遊んでいるママたちと自分を比べてしまっているのではないかと感じます。
しかし、その比べる対象をママではなく、過去の自分にフォーカスし、努力や工夫をすることで、いちいち引け目を感じずに済むはずです。
例え人数が少なくても、経験が少なくてもできることはたくさんあるはずです。
パパだからこそできる、劣等感を力に変える考え方

「パパだからできない」は言い訳にすぎない
おそらくパパが少なくて居心地が悪い背景には、少ないからこそ注目を集めやすく、また自分がしていることを周りのママが見て「やっぱりパパってできないよね」と思われてしまうのではないか…という恐れのようなものがあるように感じます。
でも、だからといってやらずにいたら成長はありません。自信も育まれません。
そして、子どもにしてみれば関係ないことです。
厳しいことを言うようですが「マイノリティだからやらない」というのは、単なる言い訳に過ぎないのです。
もしかしたらあなたのしていることを見て、「パパっていいね」と思ってもらえるかもしれません。
ママと同じことをしなくてもいいのです。
パパならではの価値観を見つけることもできるチャンスでもあります。
前向きに考えてマイノリティを楽しむことができたら、それは素敵なことだと思います。
周りのママたちはあなたが思うほど見ていない
そもそものところ、子育てスポットに来ているママたちが一番注目しているのは、それぞれが連れてきた子どものはず。
ご自身も体験をしているのでわかると思いますが、幼児であればなおさら周りに目を配るほどの余裕がないことも多いはずです。
周りのママたちがどれほどあなたを見ているか?といえば、きっとあなたが思っているほどではない可能性の方が高いと思います。
もしかしたらあなた自身は周りにいるママのことが気になってたくさん見ているかもしれませんが、その時間を自身の子どもに向けてみてはどうでしょうか?
わが子を楽しませるために試行錯誤しながら全力でやってみたら、きっと景色が変わってくるはず。
子育てにおいて、視野を広く持って進めることが大事なことも多いですが、たまには視界をちょっと狭めて、周りの評価に惑わされずに臨むことも必要なんだと思います。
きっといつかはもっともっとパパが子育ての現場に増えて、居心地が良くなる日が来るかもしれませんが、それはあなたのようなすでに現場に挑んでいるパパたちが、居場所を切り開いていくことからつながるかもしれません。
ぜひ、前向きに楽しんでみてください!
熊野さん、ありがとうございました!
改めておさらいすると…
ポイント
- 人は、自分は少数派だと引け目を感じがちだけど、正解不正解とは関係ない
- 劣等感は自分の理想と比べるもの。他者と比べなくていい。
- 自分が思っているほど周りは自分を見ていないことも多いので思い切ってやればOK!
これってきっとかつて仕事の現場などで、ほとんど男性の中にいた女性が感じたていたことなのかもしれません。
時代を経て、世の中の風潮も変わっていくこともあるので、辛抱強く臨んでいきましょう!
著書のご紹介
また、熊野さんのアドラー式コミュニケーションの講座では、家庭はもちろん仕事でも使えるコミュニケーションのコツを学ぶことができます。
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