子育てが忙しい時はできれば早く帰りたいもの。
でも、周りがバリバリ働いている状況では、例え自分の仕事が終わっていたとしても「お先に失礼します」とは言いにくいですよね。
今回は早く帰りたいと言えなくて悩むパパに、アドラー式子育ての熊野英一さんからアドバイス。
胸を張って帰るというために必要な考えとは。
きっとそれはあなたのいいところだと思います

先月半年の育休から復帰しました。
家にはまだ育休中の妻が生後半年の息子と奮闘していて、出来れば仕事を早く終わらせて帰りたいと思っています。
しかし、周りのメンバーが残業して頑張っている中で、自分だけ「お先に失礼します」とは言えなくて、結局自分もちょっと残業しています。
どうしたら早く帰れるようになるでしょうか?
周りの状況を見て、自分だけ違う選択をするというのは勇気がいるものです。
これはもう誰しも同じだと思います。
とはいえ、その空気に流されてばかりではいけないようにも感じます。
どう改善していったらいいか一緒に考えていきましょう。
気配りは大切です
お話しを聞く限り、とても周りに気配りができる優しい方なんだと感じました。
周りの仲間たちが頑張っている、その仲間たちの気持ちを害することがないようにしたいと思っているんだと思います。
また、一方で家で奮闘している妻への気遣いもあるからこそ、苦しんでいるんだと思います。
その気配りややさしさはきっとあなたのいいところで、強みなんだと思います。
ただ、苦しんでいる現状を考えると、どうやらちょっと過剰に気を使いすぎているようにも感じます。
先に帰ることは失礼なことではない
言葉の上では「失礼します」とは言いますが、自分がすべき仕事を終わらせて先に帰ることはなんら失礼なことではありません。
何も言わずにしれっと帰ってしまう方がよほど失礼だと思います。
すごく簡単に言うと本来、正々堂々と「仕事が終わったのでお先に失礼します」と言うだけでいいのですが、気を遣うあまりそれが言えないのでしょう。
どうしても自分から言えない場合には、その状況になる前に、あらかじめ帰る時間を伝えて置いたり、帰りたい時間の10分前にアラームなどをかけて、周りにあと10分くらいで帰りますと伝えるような方法もあるかもしれません。
ただ、もう少し根本から考えてみてみましょう。
言いにくい気持ちの裏にある“恐れ”
もしも「お先に失礼します」と言ったらみんなの反応は?
もしあなたが忙しそうにしている人に向かって「お先に失礼します」と言って会社を出たら、どんなことが起こると想像していますか?
「この忙しいのにアイツ先に帰りやがった」「子育てしてるからって早く帰っていいわけじゃない」といったネガティブな反応をイメージしていませんか?
だからこそ怖くて言えない、恐れのようなものがあるように感じます。でも、本当にそうでしょうか?
「お疲れ様!子育て頑張ってね!」「奥さん大変なんだから早く帰ってあげな!」といううれしいい反応が返ってくる可能性だってあるはずです。
あなたの職場の方々のキャラクターはわからないのであくまで想像ではあるのですが、普段からしっかりと関係が築けていたり、あなた自身がしっかりと仕事を遂行できたりしていれば、よりポジティブな反応をしてくれる可能性は高いと思います。
周りにいる人たちだって十分配慮ができる大人なはず。
わかってくれるとは思えないでしょうか?
もしかしたら、あなた自身が周りにいる人たちのことを信頼できていないのかもしれないと感じます。
人間関係は信じることからはじまる
アドラー心理学のポイント
健全な人間関係を築くためには“他者信頼”は欠かせない。
→ “他者信頼”とは、文字通り自分以外の人を信じるということ。加えて相手のことを大事にして、ちゃんと配慮していくことでもあります。
「わかってくれるはず」と勝手に思い込んで期待することは良くないですが、しっかりと相手に向き合って、尊重した上で「わかってくれる」と信じることは、相手にも伝わるものです。
当たり前のことですが、周りの人を不信の目で見ると、人間関係はうまくいきません。
反対に信じあっていれば良好な関係を築く可能性が高まります。
一度周りの人を見渡して、本当にこの人たちは信じるに値しない人たちなのか?
考えてみてもらえたらと思います。
自分のことも信頼する
他者を信頼できないという人の中には、自分のことも信頼できていないという人がよくいます。
「自分は全然できていないから相手にこんなことを言っても聞いてもらえない」「まわりは自分のことをできない人だと考えているかもしれない」という自己否定をしてはいませんか?
“自分を信じる”すなわちそれは“自信”です。
きっといつも周りの人に配慮して頑張っているのであれば、それに自信を持つことも大事なんです。
「本音が言えない」「気苦労が多い」という人の中には、根源に自分も他者も信頼できていないというケースが多いように感じます。
試しに一度、どちらも信じて「今日はお先に失礼します」と高らかに言ってみてもらえたらと思います。
もし、それでも何か苦言を言うような人がいたら、それはもう仕方ない。
そういう人なんだと受け止めて、次に行きましょう!
熊野さん、ありがとうございました!
改めておさらいすると…
ポイント
- 配慮ができてやさしいことは強み
- 周りの人たちを「わかってくれる」と信じてみる
- 自分のことも信じて、自信をもつ
集団の中によくある「同調圧力」ですが、それも本当にそうなのかはよくわかりません。
人を信じるためには、普段からのコミュニケーションが大事なので、日常を大切にしながら頑張ってください!
熊野さんのアドラー式コミュニケーションの講座では、家庭はもちろん仕事でも使えるコミュニケーションのコツを学ぶことができます。
「子育てが思い通りにいかない」「仲良くしたいのに夫婦関係がギクシャクしてしまう」「職場の人間関係がうまくいかない」など、悩みを抱える方は自分で解決できるためのコミュニケーション術を学びます。
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