周りのパパみたいに育児ができない...劣等感を抱く父親にアドバイス

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周りのパパみたいに育児ができない...劣等感を抱く父親にアドバイス

休日の街中に子連れのパパを見かける機会も増え、家事や育児に積極的に関わるパパは増えてきているように感じます。

しかし、一方でそんなパパたちと比べて、自分は育児ができていないと劣等感を抱き苦しんでいるパパもいます。

今回はそれで落ち込むパパへ、アドラー式子育ての熊野英一さんにアドバイスを聞きました。

周囲との比較が始まるのは10歳くらいから

周囲との比較が始まるのは10歳くらいから

質問者
保育園に通う娘のパパです。先日、同じクラスのパパたちと話したのですが、毎日送り迎えをしているパパや、料理を担当しているパパがいて、いかに自分ができていないかを思い知らされました。

自分なりには頑張っているつもりではいますが、平日の帰りも遅くなってしまいますし、給料も決してよくない。

共働きで頑張っている妻がいつも疲れている様子をみると、申し訳ない気持ちでいっぱいになります。

正直、劣等感の中で育児をするのがとてもツラいです。どうしたらいいでしょうか?

まずは何よりパパだけでなく、ママも含めて仕事と育児の両立はとても大変なこと。

どうしたって疲れるものですし、疲れるのは頑張っている証拠だと思います。

あまり自分を責めずにねぎらってあげることも必要だと感じます。

比較が始まると自己肯定感が下がる

人間と言うものは「集団」、昔で言えば「群れ」で生活する生き物なので、多かれ少なかれ比較してしまうものです。

特にその他者と比較する傾向が顕著になるのは、10歳くらいからと言われています。

もちろん、もっと小さい頃から比較そのものはしているのですが、それが顕著になっていくタイミングがそのくらいということです。

いろいろなデータでも明らかになっていることですが、同じくらいのタイミングで下がってくるのが「自己肯定感」です。

これは日本に限ったことではないですが、特に日本は下がる傾向が強く出ています。

その背景には、成績やスポーツでの順位という結果で比べられるケースが増えてくること。

おのずと結果が出ないことで、周囲からのプレッシャーもあれば、自分自身でもふがいなさを感じて苦しむことになってしまいがちです。

そして、そういう子ども時代を過ごすと、大人になってからも周りの人、特に自分よりもよい結果を出している人と比較して自分を責める傾向を引きずってしまうケースが多く見られます。

もしかしたら、質問をくれたパパもそういう子ども時代を過ごしていたかもしれません。

でも、そんな子ども時代を送っていたとしても、今からそれを変えることはできません。

問題はここからどうするか?それを考えていきましょう。

育児ができないことを、周囲ではなく自分自身と比較しよう

育児ができないことを周囲ではなく自分自身と比較しよう

コンプレックスはアドラーが広めた言葉

日本では劣等感のことを「コンプレックス」と表現することがよくあると思います。

ところが「コンプレックス」を直訳すると「複雑」とか「複合したもの」。

たくさんのスクリーンがある映画館を「シネマコンプレックス」と言いますが、これは複数のスクリーンが一つの施設の中にあることに由来しています。

あまり知られていないかもしれませんが、コンプレックスという言葉を広く知られたきっかけとなったのが、アドラー心理学の祖であるアルフレッド・アドラー。

でも、ちょっと意味が違うのです。

アドラーの言うコンプレックスは「自分の理想としている姿と現実の自分とのギャップ」。つまり、比較はしているけど、その対象は「理想の自分」つまり周りにいる他の誰かではありません。

コンプレックスは理想に近づくために頑張るためのモチベーションや発奮材料としているのです。

現状、質問をくれたパパは、理想に届いていないことを「だからダメなんだ」と決めつけてしまっていますが、あくまでそれは現状だと受け止めることが必要。

もちろん、比較対象が他の人であることも考え方を変えた方が良さそうです。

比べるのは自分自身。過去の自己ベストを更新することを目指していってはどうでしょうか?

千里の道も一歩から

周りに自分ができないことをできる人がいると、「なんでそんなにすごいの?」と早々に白旗を挙げてしまうケースがあると思います。

もちろん得意不得意といった基礎的な差こそあれど、この人たちが最初からすごかったのかというとそうではないはずです。

いきなりできる人はまずいません。

失敗したこともあるでしょうし、努力したこともあるでしょう。

このポイント、割と忘れがちではないですか?

そう考えると、スタートこそ遅れたかもしれませんが、少しずつ時間をかけてステップアップしていくことができれば、同じとは言わないまでもいつかは近づける可能性はあります。

料理でも、納豆を混ぜるところから始めて、次はそこに卵を入れて卵かけ納豆ご飯にして、次は納豆オムレツにして…なんて具合にひとつずつ進めると、前回と今回の差がわずかでも、1年後2年後には始める前とは雲泥の差になるはずです。

そして、失敗を楽しみながらも成長する姿は、子どもたちに意欲を与える存在になるかもしれません。

劣等感を持っているということは、ほんの少しの切り替えで向上心を持つことに切り替わるはず。

少しずつ進んでいきましょう。


熊野さん、ありがとうございました!

改めておさらいすると…

ポイント

  • 比較することは10歳くらいから顕著に。比べすぎると自己肯定感が減ってしまう
  • 劣等感は他人ではなく自分に対して持つとモチベーションに繋がる
  • 目指すのは自己ベスト
  • いきなり飛躍を目指すのではなく、一歩ずつ。失敗を楽しみながらでも続けることでいつの間にか大きく前進できる

「人に比べられて育ったから自分も比べてしまう」ということを言ってしまうことはよくあると思いますが、こうして整理すると、そんなこと言ってないで進んでみようと思えますよね。

焦らずにいきましょう!

熊野さんのアドラー式コミュニケーションの講座では、家庭はもちろん仕事でも使えるコミュニケーションのコツを学ぶことができます。

こちらも気になった方はぜひチェックしてみてください!

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