子育て中避けては通れないPTA問題。
予想外に推薦された時、繋がりも考えてやった方がいいのか?
それともやっぱり面倒な気もするから断った方がいいのか?
アドラー心理学の視点から見たPTAについて、アドラー式子育ての熊野英一さんからアドバイスをもらいました。
PTAを共同体感覚で考えてみる
今まで全然興味がなかったので戸惑っていて、どうしたらいいか悩んでいます。
結論から言ってしまうと、役員をやる、やらないということは自己決定ですから、最終的には自分で決めるしかありません。
ただ、悩んでいるということなので、アドラー的視点から見たPTAについてお伝えします。
アドラー心理学では「共同体感覚」を大事にするという考え方があります。
共同体とは、一番身近だと家族に始まり、友達のコミュニティ、地域、会社、学校など、自分が属しているさまざまな集団のことです。
そんな中で大切な共同体感覚というのは、自分の利益だけを追い求めるのではなく、属する共同体にも貢献して、みんなで一緒にハッピーを目指そうということ。
PTAもまたパパさんにとっては共同体のひとつ。
ましてや自分だけで無くわが子も属するものですから、そこに貢献して一緒にハッピーになった方がいいと考えるのであれば、そこは参画して貢献するという選択肢もアリだと考えられるはずです。
ただ、この共同体感覚は自分を大切にするように、共同体も同じように大切にするということなので、自分がガマンすること、自己犠牲ではありません。
どんなにその共同体がハッピーになっても自分にとって苦痛であれば意味はありません。
もちろん、ひとつの共同体がいい方向に進んだときに、他の共同体にとって負担になってしまっている場合もまたいいとは言えません。
今回の話に例えるなら、PTAで頑張っても、自分の仕事ややりたいことが犠牲になってしまったり、家族にとっては過ごす時間が減って楽しくなかったりする場合が考えられますよね。
そこも踏まえて、自分のリソースや家族の意見はしっかりと聞いた上で、判断することは大切だと思います。
PTAにネガティブな印象ばかり抱いてないか?
役員をするかどうかを判断する上でもうひとつ考えて欲しいのは、あなた自身がPTAに対して、余計なバイアスがかかった考えを持っていないか?ということです。
人はそれぞれ違うモノの見方や考え方を持っていて、全員違うオーダーメイドのメガネをかけて生きているようなものです。
そしてその見方はこれまでの経験などが影響してくるものですが、PTAに対して、必要以上にネガティブな印象を持ってしまっている人も多いと思います。
これは「PTAは時間が取られる」「人間関係が大変」など、メディアや友人からの声の中でもネガティブなものがたくさんあるからです。
ただし、冷静に考えたときに、これが全てかというと、そんなことはないはずです。
学校によっても、タイミングによっても関わるメンバーが変わる特性があることを考えれば、常に悪いということも考えにくいですよね。
PTAに限らず、自分の勝手なイメージだけで決めるのはもったいないです。
本当にそうか?と考えた上で検討する必要はありますよね。
また、中には「PTAが楽しかった」「意外と時間がかからなかった」という人もいます。
PTAや学校、子どもたちに貢献できる充実感を得られる場合だってあります。
もちろん、噂で聞いていた以上に大変な可能性もあります。
ただ、いずれにしてもひとつの貴重な経験として捉えることはできるはずです。
そしてもうひとつ。
子どもに共同体感覚の大切さを伝えるのにはいい機会とも考えられます。
パパが率先して周りに貢献している姿を見せること、それによって学校のみんなが楽しんでいる様子は、いいお手本になることも考えられます。
さらに、親子の会話が広がる可能性もあります。
時折、親同士のトラブルで大変な事態になったという情報を目にすることはあるかもしれませんが、日本中に学校があり、それだけ多くのPTAがあることを考えれば、その確率は相当低いものです。
個人的には、絶対に嫌だというほどではなく、迷っているくらいならやってみればいいんじゃないかと思いますが、どうでしょうか?
ぜひいろいろな要素を踏まえて考えてみてください。
熊野さん、ありがとうございました!
改めておさらいすると…
ポイント
- 共同体感覚の視点からすると、貢献するチャンスでもある
- ただし、自己犠牲・家族への負担についてはしっかり考える
- ネガティブな情報が多い気がしても、冷静にそれが全てではないことを踏まえて考える
万が一でも大変なことになると考えると、ネガティブなイメージが先行しているモノに対してはなかなか一歩を踏み出すことができないとは思います。
しかし、いいことがあるかもしれないという可能性も捨てずに、前向きに考えてみてはどうでしょうか?
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