推しボスは“幻”でなかった!イベントレポート~部下にイジられる人たち

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推しボスは“幻”でなかった!イベントレポート~部下にイジられる人たち

育児や介護などに理解があり会社の成果も上げる上司、「イクボス」を生み出したNPO法人ファザーリング・ジャパン。

今度は新たな上司像を探る「推しボス★プロジェクト」をスタートさせ、10月11日に様々な企業から集められた推しボスをプレゼンするイベントが行われました。

パパしるべ編集部の中で作った「POR」(パパしるべ推しボス調査班)はその内部に潜入!

果たして、初対面となったリアル推しボスたちはどんなものだったのか?

衝撃(?)のレポートです。

まるでアイドルのコンサート!?

まるでアイドルのコンサート!?

このシリーズは、いつもの記事とはテンションがだいぶ異なることをどうかご理解いただけると助かります。

本来であれば衣替えも終わり、すっかり落ち着いた太陽のもとでゆっくりと時間が流れそうな10月。

ところが。その日の東京都内のとあるイベントスペースは少し違った。

初開催だったからだろうか、それとも会場に集まった人々の熱気のせいだろうか、そこはかとない緊張感とともに少しだけ汗ばむ陽気の中で、そのイベントは始まった。

「推しボスアワード2022プレゼンイベント」

それは、事前に応募してきた「このボスを推したい」という部下が、その魅力や推しポイントを世界中にアピールするという世にも珍しい企画である。

我々は初めて白日の下にさらされる“推しボス”の姿を目にすることになるのだ。

すごく大げさに言うと、そんな感じになる。

主催するファザーリング・ジャパンの安藤代表の言葉で幕を開けると、さっそく最初のプレゼンが始まった。

名前を呼ばれ壇上を目指して立ち上がった男性を見て、私は目を疑った。

パーティグッズのたすきが掛けられているのだ。

「イ、イジられてる」

思わず口をついて出てしまった。

大声援が聞こえて振り返るとそこには・・・まるでアノ人たちのコンサートのような応援をする部下や同僚。

これはちょっと予想を超えている。

今回部下たちに推されたのは、大和リース株式会社の小西信幸さん。

推薦者である大川さん、伊藤さんからはもはやイジりは止まらない。

仕事中の写真は1枚もなし。最終的に用意された画像がコチラ。

仕事においても柔軟な姿勢や部下からの憧れを語られたものの、とにかく和気藹々と進むプレゼンタイムだった。

続いては、ジョンソンコントロールズ株式会社のSiddharth Arikadiさん。

通称:シダさん ※左手

こちらのプレゼンは先ほどとは対照的に、徳重さんをはじめとする推薦者たちが切々とシダさんの素晴らしさが伝えていくスタイル。

ツールを駆使した業務改善ぶりなど仕事の進め方やライフを大事にするところはもちろん、シダさんと同じインドから来たラビさんからは「グループの中でダイバーシティを進めている」という評価。

三浦さんはシダさんが日本語を熱心に学ぶ姿勢や感謝を忘れない姿にも触れ、人格者ぶりが伺えた。

今回のイベントでは、オンラインでのプレゼンや事前に届いた動画でのプレゼンもあり、スタイルにも多様性が見られた。

シダさんと同じくジョンソンコントロールズ株式会社からは石丸海渡さんを推す大西さんが単独で登壇し、ひたすら素晴らしさを語るというスピーチスタイル。

これもまた熱い思いが伝わるプレゼンだった。

会場ラスト、大トリを飾ったのは、グランコーヨー株式会社の佐藤健明さんと、佐藤さんを推す小泉さんのコンビ。

「かんぱーい!」

居酒屋でのやりとりを再現するところからスタートすると、小泉さんが見つけてしまったという佐藤さんがTikTokで公開している育児ぶりが綴られた動画を公開。

さらにそのリアルを追及するために撮ったと思われるドキュメンタリー風の動画が続き、これでもかというほどの“いいパパっぷり”が押し出される。

もちろん動画の中には仕事中の様子も入っているのだが、もはや家族との姿ばかりが印象に残る。

仕事中の姿を見ることが多い後輩の小泉さんからは、その両立ぶりこそが推しポイントだと語られた。

独創的なエンターテインメントとファミリー推しの動画の温かみで、会場はなんだかほっこりした空気に包まれた。

動画、オンラインを含め全8組のプレゼンが終わった。

果たして、この中からどの推しボスがどんな賞に輝くのだろうか。

大人、そして学生たちの反応は

大人、そして学生たちの反応は

「我が社の推しボスの魅力をみんなに知らせることができただけで満足です」

「うちのボスが絶対に一番だと思ってここに来たんですけど、他のボスも素晴らしくて楽しめました」

「実際に現場にも来られない人がいたので、たくさんの思いを背負って臨みました」

プレゼンを終えた人たちからはこんな声が。

そして、口を揃えて緊張したと話していた。

そんな登壇者たちを尻目にスタートしたのが、審査である。

今回は、日経xwoman客席研究員の羽生祥子さんや株式会社スリールの堀江敦子さんをはじめ、6人の大人の審査員、そしてこれから社会に出る多くの学生が審査員を務めた。

イベント終了後もアーカイブ映像を通じて多くの学生が審査に加わるという。

「社会人になって会社に働くというイメージがわいて、自分自身も推しボスを見つけて仕事を理解するだけじゃなくて、成長していきたいと思いました」

「今、大学4年生ですけど、来年から頑張って働こうと思いました」

会場に来ていた学生からはそんな声も聞かれた。

楽しそうな職場の象徴的な一コマを目にしたことで、とてもポジティブな感想であふれたのだろう。

そして、審査員長であるファザーリング・ジャパンの理事で元祖イクボス、川島高之さんはイベントに登場したボスたちの姿をこうまとめた。

「今日推されたボス8人の共通点は、いわゆる“日本の管理職”ではなかったということ。

日本でよくあるのは上司が上から指導する形でそれを管理職と言っている。

でも今日の8人は、横から目線で部下を支える支援職になっている。

これからはそういう人が求められると思っています」

ちなみに、プレゼンしたG社のKさんにずっと気になっていたことを思い切って聞きました。

―部下として上司を推すというのは、そこにやっぱり“忖度”があるんじゃないかと、想像しちゃうのですが、ぶっちゃけどうですか?

「まったくないですね。それを抜きにして、僕として本当に頼りになる先輩ですし、仕事でもプライベートでもロールモデルとして目指して行きたい姿がだと感じています」

模範的な回答にも聞こえるが、その笑顔に嘘はないと感じた。

最初から最後までどこを切っても明るく前向きなイベントとなり、完全にその存在を疑ってかかった姿勢に反省した方がいいとすら感じた。

推しボスは幻ではなかった。

最後にずっと追い回してきた推しボスプロジェクトの仕掛け人、ファザーリング・ジャパンの理事、塚越さんにイベントを終えた感想を聞いた。

「やっぱりポジティブを浴びるのっていいですね。推しは尊い。

職場にもいるんだということが見てわかるっていうかリアルじゃないと、書面では伝わらない部分があったと思います。

それが伝わっていい時間が過ごせました。こちらも元気が出ました」

そして、それから5日後の10月16日(日)「ボスの日」。

アワードの審査結果がサイトで発表された。その一覧がコレだ。

  • 『プライベートも仕事も充実させちゃう最強の上司で賞』
    エントリーNo.1 大和リース株式会社 小⻄信幸さん(推薦者:大川さん・伊藤さん)
  • 『ワーク・クール!ライフ・ウオーム!で賞』
    エントリーNo.2 ジョンソンコントロールズ株式会社 Siddharth Arikadiさん (推薦者:徳重さん他)
  • 『モチベーションを急増させてくれるで賞』
    エントリーNo.3 有限会社阿久津左官店 遠山雄太さん(推薦者:遅澤さん)
  • 『一緒に働けば、誰もがお仕事頑張れちゃうで賞』
    エントリーNo.4 ジョンソンコントロールズ株式会社 平野朝霧さん(推薦者:一本さん)
  • 『絶対的信頼をおける上司で賞』
    エントリーNo.5 ジョンソンコントロールズ株式会社 石丸海渡さん(推薦者:大⻄さん)
  • 『姿と言葉でしっかり引っ張るで賞』
    エントリーNo.6 有限会社阿久津左官店 阿久津裕史さん(推薦者:小林さん)
  • 『チームで一緒に会社を変えたいで賞』
    エントリーNo.7 ジョンソンコントロールズ株式会社 一本亜矢子さん(推薦者:村井さん)
  • 『推し「パパ&ボス」で賞』
    エントリーNo.8 グランコーヨー株式会社 佐藤健明さん(推薦者:小泉さん)

各賞の詳細はコチラ

なんとも個性的な賞がズラリ。

そしてもちろん、全員が違う賞を受賞することこそが、多様なボスの姿があっていいということを象徴しているのではないだろうか。

しかし、このプロジェクトはここで終わりではない。

プレゼンイベントではここまでの速報が発表されたが、推しボスの条件調査はまだ続く。

続報を待て!

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