外ではいい子&家では暴れる真ん中っ子。愛情不足が原因..?!

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外ではいい子&家では暴れる真ん中っ子。愛情不足が原因..?!

同じ親から産まれたのに性格が違う兄弟や姉妹。

その中でも3人以上の子どもがいる中で、真ん中に位置する子どもにはどんな傾向があるのか?

また、その背景にはどんなものがあるのか?

コミュニケーションの専門家でアドラー式子育ての熊野英一さんの解説と、接し方のポイントなどを聞きました。

兄弟へはプラスの声かけでも注意が必要

兄弟へはプラスの声かけでも注意が必要

質問者

3児の父です。男の子3人(2年生、5歳、3歳)それぞれ全くキャラが異なります。

特に最近、次男に手を焼いており相談です。

保育園では、弱い子や下のクラスの子たちにも優しく声をかけたりできていますよ、などと言われ、先生とも良い関係で毎日過ごせているようです。

ところが、家では、思い通りにならないことがあると、暴言を吐いたり、手を出してきたりと暴れん坊になることもしばしばです。

うちの次男はなぜ、ウチとソトでこんなにもキャラが変わるのでしょうか?

今回は、子どもの人格形成を左右する「きょうだい関係・誕生順位」について考えてみましょう。

ここで注目したいのが、次の2点です。

1.親(と周囲の大人)があおる、子ども同士の【競争】

私たち親は、意識的か無意識的かはともかく、子どもの成長発達を促すために、きょうだいを競争させたり、お友達と比較したりすることがあります。

適切な範囲であれば、こうしたライバル心を刺激するような関わりも良いかもしれません。

ただし、親からの度を超えた競争主義の押しつけは、子どもの自然な好奇心や挑戦心の発露、成長の可能性を邪魔してしまう可能性があると言えるでしょう。

2.親(と周囲の大人)が寄せる、子どもへの【期待】

子どもにとっては、家族という世界の中で「自分の居場所を確保する」ことが大きなテーマとなります。

自分はどの長所を生かして、きょうだい間の競争に勝ち(あるいは競争を避け)、親や周囲の大人に認めてもらおうか、と考えながら家族の中での自分の役割、キャラクターを選択し、それをライフスタイル(性格)として固定化していくのです。

このようにして、子どもが自分の役割を選択しライフスタイルを固定化していく過程において、きょうだい間の競争と共に大きな影響を与えるのが、親(や周囲の大人)が寄せる、その子に対する期待や刷り込みです。

次の◯◯に、自分の名前を当てはめて、かつて自分が小さかった頃、親に言われたイメージで、つぶやいてみてください。

  • ◯◯は、しっかりした子だねぇ
  • ◯◯は、甘えん坊だねぇ
  • ◯◯は、意気地なしだねぇ
  • ◯◯は、恥ずかしがり屋さんだねぇ
  • ◯◯は、お利口さんだねぇ

こうした親や周囲の大人からのレッテル貼りが重なると、子どもは、まるで呪いをかけられたように、そのレッテル(期待)に応えて行動するようになる傾向があるということです。

これも度が過ぎてしまうと要注意です。

仮にプラスのイメージの声かけであっても、子どもは親から見捨てられないようにと、期待された自分の役割を必要以上に演じようとしてしまうことがあるからです。

さらには、限界を超えるまで無理をして自分を偽り続けた子どもは、ある時突然、わざと悪い子になって、そうした周囲の過度な期待をあきらめさせようとする場合もあります。 

愛情不足ゆえ..!?自立を目指す真ん中っ子

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さて、ご質問のお父さんは、男3人兄弟の真ん中、中間子のことでご相談があるとのこと。

まず、上記に述べたような、過度な競争や期待が保育園内や家族内で発生していないかチェックしてみてください。

これから、中間子に関する一般的な傾向を示しますので、当てはまることがあるかどうかご検討ください。

もちろん、それ以外の性格の中間子もたくさんいますので、過度のレッテル貼りはしないようご留意ください。

上にも下にもきょうだいがいる中間子(真ん中っ子)が見ている世界とは、どんな世界でしょうか?

特徴的なのは、この誕生順位の子は「一度たりとも、親の関心を独占したことがない」ということです。

自分が産まれた時には、既にお兄ちゃんかお姉ちゃんがいる訳ですし、しばらくすると、自分よりも小さくてかわいい、親の注目が一挙に注がれることになる弟や妹が現れるのです。

真ん中っ子というポジションが、ライフスタイル形成においてどのような影響を与える可能性があるでしょうか?

真ん中っ子は、いつも他のきょうだいをかき分けて自分を主張しないと親の注目を充分に得られないと感じやすく、それゆえ自然に自分の人生は自分で切り開くしかないと自立的なライフスタイルを持つ可能性があります。

こうした思考や行動が建設的な範囲にある限りは問題ないのですが、時に、自分の立場に不安を感じやすく「私は充分に愛されていない。不当に扱われている。」といった被害者意識を持つ場合があります。

これがエスカレートすると、他者に対して攻撃的で拗ねたライフスタイルを持つことにもなりえます。

他者からの注目を得ることに敏感なため、社交的になることも多いのですが、ないがしろにされたり不公平に感じたりすることにも同時に敏感なため、被害妄想が転じて攻撃的な態度になることがあるのかもしれません。

ご相談の子どもはまだ、5歳。

これから時間をかけて自分らしいキャラを確立していくことでしょうから、あまり気にせず、どの子もその子らしく生きられるよう、自らの関わり方や家族内の雰囲気を見直してみてください。

どのようなきょうだい順位であっても、親の関わり方によって、子どもの勇気をくじいてしまう場合もあれば、適切な勇気づけの関わりにより、その子が本来もっている才能やその子らしさを花開かせる援助もできることをご理解いただけたら嬉しいです。


熊野さん、ありがとうございました!

改めておさらいすると…

ポイント

  • 親からの度を超えた競争主義の押しつけは、子どもの自然な好奇心や挑戦心の発露、成長の可能性を邪魔してしまう可能性がある
  • 親や周囲の大人からのレッテル貼りが重なると、子どもはそのレッテル(期待)に応えて行動するようになる傾向がある
  • 親の注目を独占したことがない真ん中っ子は、いつも他のきょうだいをかき分けて自分を主張しないと親の注目を充分に得られないと感じやすく、自立的なライフスタイルを持つ可能性がある
  • 他者からの注目を得ることに敏感なため、時に被害妄想が転じて攻撃的な態度になることがある

記事の中にもあるように、これはあくまで傾向であり子どもに寄っては傾向とは違うケースも充分に考えられます。

「真ん中っ子だから・・・」と決めつけないように気を付けましょう。

もちろんこれは真ん中っ子だけでなく第一子や末っ子にも当てはまることですよね。

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