子どもって本当に無邪気。
そして、ある意味残酷なところも。
子育て中のパパたちからよく聞く、子どもに言われてショックだった言葉「ママがいい!」。
これってどう受け止めたらいいのでしょうか?
アドラー心理学に基づくコミュニケーションの専門家でアドラー式子育ての熊野英一さんに、その言葉の真意とパパの対処法について教えてもらいました。
パパも子どももお互いわかって欲しい!
先日など、せっかく仕事を早めに切り上げて、子どもをお風呂に入れてあげようと、やる気満々で全裸になったら、息子(4歳)が「ママがいい〜!ママと一緒じゃないとお風呂入りたくないっ!!」と駄々をこね始め。
妻は妻で普段は「もっと手伝って!」と攻めてくるのに、この時は「ほらね!」とばかりにドヤ顔をされました。
私には無理なのでしょうか?
せっかく前向きに育児に取り組もうと思っていたのに!
おいおい、オレの気持ちも少しはわかってくれよ〜
と、凹みますよね。お気持ち、お察しします!
でも、ちょっと待って。
これって、子どももそう思っているかもしれません。
ボクの気持ちもわかってよ〜
と。。。
いつも一緒にいてくれて、頬っぺたもツルツルしてて、いい匂いで、ママの方が良いに決まってるでしょ〜!
なんていうところでしょうか?
パパも子どもも、どちらも自分の気持ちをわかってもらいたい、「共感」してもらいたいんですね。
コミュニケーションは、すべてこの「わかってほしい」のせめぎあい、と言っても良いでしょう。
では、パパと子ども、どっちが先に「共感」を示したら良いのでしょうか?
子どもは親の背中を見て育つのです。
冷静に考えたら、おのずと答えが出るのでは?
だから、私は皆さんに繰り返し「共感ファースト」の重要性をお伝えしているのです。
共感とは、自分の正義や価値観を一旦横において、相手の関心に関心を持つこと。
相手の目で見て、相手の耳で聴いて、相手の心で感じることです。
是非、まずはパパから、子どもに、そしてパートナーに、共感ファーストする練習を今日から始めてください。
「ママがいい!」に勝つのではなく「パパもいい」を目指す
子どもが「ママがいい!」というのは、発達心理学の観点からも説明することができます。
産まれてから最初の2年間、子どもは「周囲の人は信頼できるか?」ということを最大のテーマに毎日を過ごしています。
どうやら、世間や周囲の大人たちは信頼に足る、と確認できると、2歳から4歳くらいにかけて、子どもは「自分はありのままで受け入れてもらえるか?」というテーマを設定して毎日を過ごします。
この2つの確認ポイントに対して、
「そうだよ、あなたは私のことを信頼しても大丈夫だよ」
「そうだよ、私はあなたをありのままで受け入れるよ」
と繰り返し伝えているNo.1の存在がママである場合、大変残念ながら(!)パパに勝ち目はありません(泣)!
つまり、そもそも「ママと競争している」って時点で戦略の選択ミスなのです。
あなたは、勝てる訳がない相手と競争しようとしているのですね。戦う相手を間違えて、負けて、凹んで、モチベーションを下げている。
完全なる自爆ですよ(笑)!
子どもとの信頼関係は、じっくりと育むもの。
その先の「パパが(も)いい!」です。
いきなり「お風呂」は、もしかしたらハードルが高すぎたのかもしれませんね。
もうすこしハードルの低い関わりはないでしょうか?
例えば、
- 公園で遊ぶ
- 一緒にご飯を食べる
- ご飯を食べるときにサポートする
- 一緒にお昼寝する
- 寝る前の絵本タイムを担当する
- お着替えを手伝う
- 一緒に保育園に行く
など、色々とできそうなことはありそうです。
ちなみに、相手に共感を示しながら、じっくりと時間をかけて信頼関係を構築するって、仕事で顧客との関係構築を丁寧に積み上げて行くのとおんなじ事ですよね!
ですから、仕事でこれを上手にできていると自負している方は、是非、そのビジネス・スキルを家庭でも適用してみてください。
逆に「なるほど!仕事でも使えるのか!」と気づいたパパは、子育てを通して対人関係構築スキルをレベルアップさせて、仕事にも活かしてみましょう!
熊野さん、ありがとうございました!
改めておさらいすると…
ポイント
- 子どもが「ママがいい!」と言っている気持ちに共感
- 発達心理学の観点からも乳幼児はママがいいと言うケースが多い
- 時間をかけて信頼を得て「パパもいい」を目指す
子どもの言葉を額面通り受け取ると、無駄に傷ついてしまうこともあります。
言葉よりもその気持ちに寄り添って、共感することからはじめてみましょう。
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