パパしるべ総研のアンケートで「パパがアクセスできる情報が少ない」という声が届いたことを受けて、スタートした「パパの保活・幼稚園選びの基礎知識第2弾」!
第1弾では主に施設の違いについてまとめました。
今回は保育園や幼稚園のメリットや特徴、選ぶときのカギになる見学の方法やチェックポイントについて、現役保育関係者に聞いたお話をお伝えします。
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保育園と幼稚園はどう違う?~パパの保活・幼稚園選びの基礎知識1~
以前、パパしるべ総研のアンケートでも保活(保育園に入るための活動)や幼稚園選びについて聞きました。 その中で「パパがアクセスできる情報が少ない」というコメントがありました。 そこで!保活がスタートする ...
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保育園のメリットは生活習慣と異年齢保育
今回も、お話を聞いたのは、さいたま市の小規模保育園「sora保育園」の管理者、吉田悟さん。
吉田さんは保活や幼稚園選びをする保護者向けのセミナーも行っているそうです。
そのセミナーの中でも質問されることが多いポイントについて伺いました。
まず、保育園と幼稚園、それぞれのメリットについて。
保育園のメリット
- 子育てをしながら働くことができる
- 基本的な生活習慣が身につく
- 0歳児から5歳児まで異年齢の子どもとのかかわりがある
- 預けている時間が長いので、親にとっては切り替えになる
今や保育園の存在はあって当たり前。
しかし保育園が存在しなかった時代から考えると、子育てをしながら安心して働くことができるのは、保育園のおかげと言ってもいいのではないでしょうか。
長い時間を過ごす保育園は、食事する、着替えをする、トイレに行く、寝るといった、基本的な生活習慣を身に付けることが出来る施設です。
特に大きく幼稚園と違うのは「午睡」いわゆる「お昼寝」の時間があることと、3歳未満に関してはおむつを卒業するための「トイレトレーニング」も園ですること。
過ごす時間が短い幼稚園ではお昼寝をする必要はありませんし、基本的に3歳以上が通う幼稚園では、トイレトレーニングを家で終えているケースがほとんどです。
また、小学校以上の教育施設のように同学年の子どもたちと過ごす幼稚園に比べて、保育園では延長保育の時間になると違う年齢の子どもと同じ部屋で過ごす場合も多いです。
そういった面では、異年齢の交流は幼稚園よりも盛んかもしれません。
3歳児から5歳児までが通う幼稚園とは違い、保育園は0歳児から5歳児までの子達が通います。
特に兄弟姉妹がいない子たちにとっては、異年齢保育は貴重な経験になるでしょう。
そして、吉田さんがセミナーで聞く声として、特に0歳児や1歳児から保育園に預けようと考えている保護者は「こんなに小さいうちから預けるのはかわいそうかもしれない」という罪悪感を抱えている人も多いそうです。
しかし、保育園という集団生活の仲でしか経験できないことや成長もたくさんあるとのこと。
例えば自分より小さな子に対して優しくしてあげたり、お兄さん、お姉さんのマネをして遊んだり、時にはおもちゃの取り合いがあったり、その中で「どうぞー」と貸してあげることができるようになったり・・・。
また、ワンオペの家庭もまだまだ多い昨今、子どもとずっと一緒に居続けることで、精神的に辛い状況に陥ることもあります。
パパやママが仕事などで自分の時間を過ごすことで、育児の気分転換になったり、精神的な余裕につながる家庭もあると思います。
幼稚園のメリットは幅広い幼児教育
一方で、幼稚園のメリットはどんなところがあるのでしょうか?
幼稚園のメリット
- イスに座っている時間が多く、小学校へスムーズに移行できる
- 幅広い幼児教育を受けることができる
- 保護者が通う園を選べる
やはり、最大のポイントは「教育」。
保育園とは違って、基本的な生活は家で送り、学ぶため、遊ぶために通う施設として独立した存在ともいえます。
これは小学校以降の学校生活と通じますよね。
同じ文部科学省管轄だからこそ、小学校とのつながりへの意識が高く、イスに座って何かをする時間も保育園に比べると長いことが多いです。
最近は特に園によって様々な教育的な特色を打ち出しています。
「森の幼稚園」のように雨の日のお散歩を大事にするなど、地域特性をいかした自然体験に力を入れているところ。
イエナプランやシュタイナー教育など、いわゆるオルタナティブ教育と呼ばれる新しい教育方針を基にしているところ。
音楽などのアートや体を使うことに力をいれているところもあります。
吉田さんが感じる最も大きなメリットは、何より保護者が通う園を選べること。
自治体に申し込み、利用調整を得て入園するため、希望の園に入れないこともある保育園とは決定的な違いです。
ただし、共働き家庭が増え続ける中では、幼稚園に行くことができる保護者は減っているのも事実。
基本的に10時から14時が園にいる時間となると、仕事との両立はかなり厳しいです。
最近は延長保育を実施して長時間預かってくれる園や、2歳からのプレを受け付けているところも増えています。
しかもそういった工夫は園の判断でできる部分が多いことから広がる傾向にあり、保育園に行けなかった子どもの受け皿になっている園も増えています。
一方で、保育園の中でも教育に力を入れているところも増えており、今は保育園も幼稚園も互いの強みを取り入れています。
かつてほどの大きな差はなくなってきているよう。
ちなみに、両方の特性を併せ持つこども園のメリットは、通常関わることが少ない両園の子どもや保護者と関わることができることなので、多様性を体験できるところもあるそうです。
保育園も幼稚園も見学時は子どもの表情をチェック!
保育園・幼稚園・こども園の枠組みは理解できたと思いますが、実際には園によってシステムだけでなく、雰囲気も違います。
そんな時に大切なのが、見学。
以前のアンケートでは、引っ越しや仕事の関係で見学がなかなかできなかったという人もいましたが、実際に現場に行かないとわからないこともたくさんありますよね。
まず、見学するためにすることは「園への連絡」。
申し込みなどでは自治体が窓口になりますが、見学に関してはそれぞれの園に直接連絡をして、予約を取るケースがほとんどだそうです。
吉田さんによると、多くの園では見学を受け付ける時間を決めていて、朝や夕方の送迎のタイミングなどは園内もバタバタするので、見学を受けないことが多いとのこと。
保育園・幼稚園見学時のチェックポイント
- 案内してくれた人の対応
- 先生と子どもたちの距離感
- 子どもたちの表情
すべて当たり前のことですが、見学時に案内をしてくれる人はいわば“園の顔”。
まず応対してくれる方が丁寧かどうかは最初のチェックポイント。
続いて先生の様子も気になるところですが、ポイントは距離感。
言葉遣いや身だしなみは基本として、子どもたちの言葉や行動に対して丁寧に対応しているかどうがを見ると、身体的だけでなく精神的にも寄り添う姿勢かどうかがわかるそうです。
他にもスクールバスのことや園庭のことなど、施設面についてもホームページなどと相違はないかなど、しっかり見てほしいということです。
そして、もっとも大事なのが子どもたちの表情。
吉田さん曰く「ここはもうウソがつけない。全部が出るところ」。
いくら先生や園のスタッフが保護者に対して、感じよく、丁寧に接していても、その場しのぎの可能性はあります。
ただ、子どもたちは本当に正直。
イキイキしている笑顔や、積極的に遊んでいるときの表情は一朝一夕でできるものではありませんよね。
ちなみに、保育園の場合。
自治体に申し込みをする際に、第1希望から順番をつけて記入しないといけませんが、この順番を決めるのが悩みどころ。そんな時に吉田さんは、6つのポイントでどれを重視するか話し合って決めることをオススメしているそうです。
保育園の順位付けポイント
- 料金
- 利便性
- 保育方針
- 雰囲気
- 安全面
- 設備
保育園は早い年齢から入れると長く通うことになるので、通勤や通学に関わる利便性を重視する人が圧倒的に多いそうです。
利便性ばかりを重視して駅から近い園を選ぶと、園庭がないケースもあります。
設備面とのバランスも慎重に考えましょう。
料金は基本的に収入によって変わるので目安かもしれませんが、実際に利用するにあたって必要となる行事や用意するものの費用なども含めて考えた方がいいとのこと。
最後に吉田さんからパパしるべの記事を見ている人に一番伝えたいメッセージを聞きました。
それぞれ事情があるとは思いますが、ぜひパパにも園選びに関わってほしいと思います。
園選びのセミナーに参加していた母親の声で、『ママに任せるよ』と言われたことが一番苦しかったという言葉が印象的でした。
園選びにパパが加われば百人力です。
保育園の情報やメリット、デメリットをエクセルで上手にまとめたパパもいましたし、ママにはない視点での意見があったり、何よりも『2人で子育てをしている』と感じられたりすることがママにはうれしいようです。
そこはパパ力の見せどころですね。
わが子の幼少期の成長に大きく影響する保育園や幼稚園選び。
自分たちが就活や学校選びをした時のように真剣に取り組んでみてはどうでしょうか?
ただし、親の希望を押し付けてしまうことには気を付けて、夫婦はもちろん子どもも含めてコミュニケーションを取りながら進めてみてください。