抱っこ紐メーカーが作る新しい形のランドセル!大容量で軽くで丈夫なランドセルができるまで

従来のランドセルは、子どもたちには重くて思うほど荷物が入らない...

そんな我が子の姿をみて、新しい形のランドセルの開発を決意。

開発したのは、パパバッグや抱っこ紐など子育てパパに向けたオリジナル商品を手掛けてきた、神奈川県横浜市のメーカー「papakoso」。

想定以上に試作品開発に苦労した経緯やわが子への想いを、「papakoso」の代表で2児のパパである半田真哉さんに伺いました。

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ランドセルは「軽い」「丈夫」だけでなく「安全」も

抱っこ紐の進化に驚きが隠せないパパしるべ編集長のジョージです。

そりゃ、長女がもう20歳ですからね。

当時は基本的にほぼ女性向けで小さいものが多かったですね...時代は変わりました。

今や、抱っこ紐や子どもとのお出かけ用のバッグにも「パパ向け」がたくさんあります。

今のパパたちが本当に羨ましい!

そんな「パパ向け」の子育てアイテムを手掛けているのが、横浜市のメーカー「papakoso」。

パパしるべを始める前からのお付き合いで、毎年「マタニティ&ベビーフェスタ」のガラガラ抽選会では、最高のパパバッグを提供していただいています。

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papakosoパパバッグ「だっこモデル+SG」 

※今年は抱っこ機能付きバッグとして、日本で初めて「SGマーク」が認められたpapakosoのパパバッグ最新作でした。

すべての商品を開発するのは、「papakoso」の代表で、2児のパパでもある半田真哉さん。

次に手掛けたのは、子どもたちのことを思った機能が満載の新しいランドセルです。

その開発の裏話を聞きました。

防災士となり気づいたランドセルの危険性

半田:

papakosoとしては、人生の節目と付き合えるブランドになりたいという思いがありました。

そのひとつとして子どもにとっても親にとっても大きな変化を迎える小学生に上がる時の必須アイテム、ランドセルをやってみたいと考えたんです。

ランドセルが子どもたちに重すぎるという問題は以前からありましたが、私が気になったのは、引き取り訓練の日の子どもたちの姿です。

パンパンのランドセルを背負って、両手に手提げを持った状態。

私は防災士の資格を持っていることもあって、『災害時にこの両手がふさがった状態で逃げるのは危ない』と感じました。

そもそもうちの子たちは小柄で重そうなランドセルでフラフラしていたり、ぶつかってよろけたりする様子を見ていたので、これはどうにかできないかと思って開発を始めました。

半田さんにとって初めてのランドセル開発。

しかし、大きな強みがありました。

半田:

大容量だけど軽くて丈夫。

ベルトの付け方などの工夫で重さを感じにくくすることも必要。

こういった部分は抱っこ紐やパパバッグの開発でたくさん考えてきたことだったので、その知見がとても役に立ちました。

また、ちょうどその時にスポーツバッグを扱ってきた方との出会いもあって、一般的なランドセルとは違って軽くて丈夫な素材も見つけることができたので、光が見えてきました。

開発をはじめたのは、長男が小学2年生だった2020年頃。

通常であれば1年もあればある程度カタチになるところですが、折しも新型コロナの感染が広がっている時期だったこともあり、海外の工場にお願いしていた試作品の作成が滞るなどなかなか進まなかったと言います。

気が付けば、長男は高学年になり、長女も小学生に。

子どもたちに実際に使ってもらい、感想を聞きながら改良を重ねたいと思っていた半田さんには、タイムリミットが刻々と近づいていました。

そんな中、待ちに待った試作品が到着!

子どもたちに背負ってみてもらおうとしたところ、意外な反応が返ってきました。

ランドセルは便利なだけではダメ。子どもたちの意外な要求

左が半田さん

「新しいランドセルを作る」そんな思いがあったからこそ、軽さを重視して素材も重たい革ではないもの、そして見た目もまた全体を覆う「かぶせ」と呼ばれるパーツを使わないデザインで作った最初の試作品。

いよいよわが子に背負ってもらって感想をもらおうとしたら...

半田:

リュックみたいで嫌って言われました(笑)。

もちろん家では背負ってくれるのですが、学校に行くのは丁重に断られました。

理由はやっぱり違い過ぎるので目立ってしまうということでした。

色こそかなりバリエーションが増えましたが、やはり形状は昔ながらのデザインが主流なので、からかわれたりすることを想像したのかもしれません。

周りのパパやママたちにも感想を聞いたのですが、やっぱり『違い過ぎると買いにくい』ということでした。

実際にお金を出す立場の人たちにもそう言われてしまうと、もはや厳しいですよね。

そこからは、皮肉にも「ランドセルっぽさを出す」ということを重視してデザインを大幅に変更。

ランドセルの象徴とも言える「かぶせ」に近い形状を採用し、素材も一見して違いが分かるものではないものにしていきました。

もちろん、ランドセル自体の軽さや、背負ったときの負担感の低さ、大容量といったこだわりのポイントは残したままです。

「こういうポケットがほしい」「色はこんなものがいい」という子どもたちのリアルな声も反映して、結果的に3個目の試作品にしてはじめて子どもたちからの「これならいいよ」というOKが出て、実際に通学に使ってくれたと言います。

この時、2023年秋。

長男の卒業まであと半年と迫った時期にギリギリ間に合った形です。

半田:

使ってみると“いっぱい入る!”とか“使いやすい”と、子どもたちからは大評判でした。

まあ、結果オーライという感じですね(笑)

子どもたちの選択肢を増やしたい

ランドセル問題については長く議論されているものの、いまだ「ラン活」(ランドセルを購入するための活動)という言葉もあるように、春の入学に向けて前の年の夏休みのお盆時期、早いところではゴールデンウィークから親や祖父母でランドセルを選び始める流れもあります。

長く定番が続いた中での新しい提案はなかなか難しいと思われる中で、半田さんが目指していることはどんなことでしょうか?

半田:

子どもによって体型も違えば、体力も違います。

そういう中で、必ずこのランドセルじゃなきゃいけないというのはどうかなと感じています。

実際には『必ず』ではないかもしれませんが、周りがみんな同じようなモノだった時には手が出しにくいですよね。

ここ10年くらいでいろいろな色のランドセルを持つ子どもも増えましたし、それでいいと思える親も増えてきました。

色だけでなく、機能や形もまた様々な選択肢があってもいいし、それを選んでも問題が起きないようになってくれればと思います。

半田さんの情熱と思い、そして抱っこ紐作りの知見が詰まった「超軽量、超丈夫、超収納、負担軽減設計。

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ちなみに、ギリギリ間に合った試作品を使っていた長男は春から中学校に行ってしまいましたが、小学5年生の長女は現在も半田さんが作った新しいランドセルを背負って元気に通学しているということです。

半田さんの新ランドセルが広まって、子どもたちの笑顔が増えることを願って、これからも応援していきたいと思います!

協力:papakoso