人の言うことは変わるもの。
そんなことはわかっていますが、それが頻繁でしかも、もっとも身近な人だったりすると大変です。
今回は、言うことがコロコロ変わりがちな妻との関係に悩むパパに、アドラー心理学を基にしたアドラー式子育ての熊野英一さんからアドバイス。
悟りの境地とも言えそうな、心構えを教えてもらいました。
コロコロ変わる妻と天気の共通点
妻は言うことがコロコロ変わることが多く、本当に困っています。
どう対応したらいいでしょうか?
夫婦のあるあると言うこともできますが、当事者にとっては本当に困りますよね。
その気持ちはよくわかります。
そんな中で心穏やかに過ごすためにはどうしたらいいか?一緒に考えていきましょう。
Happy Wife, Happy Life!
オーストラリアにこんな格言があるそうです。要は
「妻がハッピーだったら、夫の人生がハッピーになる。だから妻がハッピーになるように行動することが夫として大切」
夫婦は最も身近に生活をともにする共同体であり、一緒に悩んで一緒に幸せになっていくことを目指していくものです。
とはいえ、それが頭でわかっていても、いい関係性を築いていくのは簡単なことではありません。
アドラー心理学では、家族など最も身近な関係を「愛のタスク」と位置付けています。
そこには「家族だからわかってくれるだろう」という思いを背景にした甘えのようなものがあり、だからこそ難しく、そして意識して丁寧なコミュニケーションを取った方がいいと考えます。
改めて今回は、それを大前提にして考えていきましょう。
雨が降ったら何をする?
突然ですが、予告もなく突然天気が変わり、雨が降ってくることってありますよね。
そんな時、あなたはどうしますか?おそらく多くの人は、傘をさしたりレインコートを着たりして、雨を避ける努力をしますよね。
なんで雨なんか降ってくるんだよ!
と、空に向かって文句をいう人はほぼいないと思います。
自然に何を言ってもしょうがない。
キャンプなんてむしろその変化こそが醍醐味だったりするわけです。
今回のことも、この状況とほぼ同じだと思います。
人間も意見も考え方も変わることがありますよね。
しかも突然、何の予告もなく。
そういう意味では、自然も人間も同じところがあります。
だとすると、言うことがコロコロ変わる妻に対しても「なんで変わるんだよ!」と憂いてもしょうがないのです。
言うなれば「妻は大自然」ということです。
むしろ、子どもも大自然。まったく読めませんよね。
ただ、妻の場合、いい大人だし、今までもたくさん話しているし、わかってくれるはずという淡い期待を抱きがち。
だからこそ、そうならなかった時に落胆したり、苦言を言いたくなったりしてしまうでしょう。
では、そんな大自然にはどう対応すればいいのでしょうか?
「どうせまた変わる」という決めつけは禁物
“適当に”受け流すことも大事
先ほどの雨の例で考えたらわかりやすいと思いますが、雨が降ったら傘をさすように、言うことが変わったら、その対策をすればいいのです。
ただ、その変化の全てに対応しようとすると、こちらが疲弊してしまいます。
長い目で見れば、ある程度“適当に”受け流すことだって必要なのです。
ただ、当然のことながらなんでもかんでも受け流せばいいわけではありません。
妻の言うことをとにかく受け流していたら、それはそれで大きなトラブルになることは容易に想像がつくと思います。
「受け流していいもの」なのか?「真摯に受け止めないといけないもの」なのか?
それは長い時間をかけて見極めていくしかありません。
その上でちょうどいい“適当”なところを探していく。
また、たびたび変わるからと言って、「どうせ今回も変わるだろう」と高をくくるのもしてはいけないことだと思います。
そもそも意見が変わること自体は、柔軟な対応ができるとも捉えられますし、決して悪いことではありません。
ひとつひとつの言うことや言っている気持ちに共感して寄り添うことをしないと、ちょうどいいところにはなかなかたどり着けないと思います。
あなた自身も大自然
変わりやすいものの例えとして、「女心と秋の空」という言葉がありますが、実はこれかつては「男心と秋の空」だったそうです。
現代では「女性の気持ちは変わりやすい」というイメージがあるかもしれませんが、同じ人間ですから男性だって変わります。
ほぼ個人差の範囲です。
自分では気づいていないところで、言うことが変わっていることだってきっとたくさんあります。
もしかしたらそんな時に妻は適度に流しているだけかもしれません。
人のことばかりに注目していると自分のことに気付かないというのもよくあること。
お互いに大自然であることを受け容れつつ、本当に天気が変わりやすい山の中でキャンプをしているくらいの感覚で楽しんでいってください!
熊野さん、ありがとうございました!
改めておさらいすると…
ポイント
- appy Wife, Happy Life! 妻が幸せでいることが大前提
- 妻は大自然。変わることにひっかかってもしょうがない
- 全部を受け止めずに適当に流しつつ、本当に受け止めないことを見極める努力を
外国人観光客が挙げる日本の素晴らしさのひとつに「四季があり、折々の風情が楽しめること」があります。
いつも同じじゃないからバリエーションがあって楽しいということだと考えると、妻がちょっと変わりやすい大自然の方が楽しめるかもしれません。
ただ、正直なところ、願わくばもう少し安定しているとラクと言えばラクなんですが…。
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