子どもが門限を守らなくて心配!怒るor見守る?どう対応すべき

子どもが外に出かけていると親としてはやっぱり心配。

特に決めた門限を守らないと、さらに心配になります。

今回は門限破りの常習犯である、自由奔放過ぎるわが子に悩むパパからのご相談。

アドラー心理学を基にしたアドラー式子育ての熊野英一さんから、そんな冒険心を持つ子供に対して親としてどう接したらよいか、アドバイスを聞きました。

自分が見ている姿が全てではない

質問者

今年小学生になった息子は冒険グセがあって、とにかく毎日遊びに行くタイプ。

夏休みもほとんど家にいません。

友達と仲がいいのはいいことですが、門限としている約束の時間に帰ってこないこともしょっちゅうで心配です。

こんな時はどうしたらいいでしょうか?

『冒険グセ』いい言葉ですね。

たくさんのことに興味を持ってワクワクできるのは素敵なこと。

でも、親としては心配なこともわかります。

上手にバランスをとるためにはどうしたらいいか、一緒に考えていきましょう!

冒険グセは貴重な才能!

きっと、様々なデータを見かけたことがあると思いますが、世界的に見ても日本の子どもたちは自己肯定感が低く失敗を恐れる、いわゆる引っ込み思案な子どもが多いようです。

しかし一方では、各界で成功している人の中には、子どもの頃はやんちゃ過ぎて大変だったという人も多いという話も聞いたことがあるでしょう。

一概には言えないことかもしれないですが、いろいろなことに興味を持つだけでなく、行動に移すことができるというお子さんの個性は、少なくともとても貴重な才能であることには間違いなさそうです。

また、それを「言うことを聞かない」「約束も守らない」とネガティブに捉えるだけでなく、「冒険グセ」とポジティブに考えることができるパパさんもとても素敵です。

大人でも、いつも挑戦をしていてキラキラしている人は魅力的に見えると思いますが、せっかく持っているその才能を、親として伸ばしていってあげるためにどうしたらいいでしょうか?

親が心配になる理由

傍から見ると「家に閉じこもっているよりいいじゃない!」と思うかもしれませんが、当事者としてはそうも言いきれません。

自分が見えないところでは何が起こるかわかりません。

誘拐、交通事故、特に今のような夏には水の事故の心配も。

考えてしまうとキリがないほど不安な要素は出てきて、止めたくなる気持ちもわかります。

得てして親は心配しすぎになってしまうものですが、その理由はいくつかあります。

もちろん、わが子が大切でかわいくて仕方ないということもあります。

そして、もうひとつは、親である自分の前で見せている子どもの姿から考えて、「これを外でもしているなら心配」「家の中でもできないから外でもできない」と思ってしまうのもあるでしょう。

でも、授業参観など、外でわが子の振る舞いを見た時に「こんなにちゃんとしているのか?」とびっくりした経験はありませんか?

実際のところ、親が見ている子どもの姿はほんの一面に過ぎません。

言い換えると、親の前の姿が全てではないのです。

たとえ乳幼児であってもそうです。

しかも、子どもにとってもっとも安心できる相手である親に見せているのは、特に甘えている姿であることがほとんど。

つまり、親は心配になりそうな面ばかりを見ている状態なんです。

そりゃ心配になりますよね(笑)。

では、わが子のもっといろいろな面を知るためにはどうしたらいいのでしょうか?

冒険レベルを上手に調節して成功体験を積む

自分以外の目を増やす

わが子のできることや性格を冷静に見極める方法として、もっともシンプルなのが、自分以外の人から見たわが子の話を聞くことです。

わが子のことを見ているのは自分だけはありません。

パートナーもそうですし、学校の先生や、友だちの親など本当に様々でそれぞれに見せている姿は違います。

家の門限は守らないけど、学校では時間通りに着席している子も結構いますよね。

実はしっかりと社会性を持っていて、その場所でやっていいことといけないことの区別はちゃんとついている証拠です。

家の門限を守らないのは、きっと守らなくてもなんとかなると思っているのかもしれません。

ある種それは安心や信頼の証でもあると言えます。

とにかく、子どもってそんなに単純じゃないんです。

親の目から見た姿だけで決めつけることは手放してみましょう。

冒険に送り出す前にすること

冒険やチャレンジをすることは子どもにとって新しい経験になるので、子どもの自立や成長につながることもたくさんあります。

だからこそ「心配」ではなく「信頼」して送り出してあげたいですよね。

そのために親としては、事件や事故に遭わないための対策を徹底的に教えることが必要です。

ただ、その時に必要以上に不安をあおって、「やっちゃダメ」「いっちゃダメ」と行動を抑制しすぎないことも大事。

伝えるべきは「こういう時はこうすると大丈夫」という形で「禁止」ではなく「対策」です。

その中には「近づかない方がいい」といった禁止的な事項もあるとは思いますが、それもある程度の余白を持たせて、自分で考える余地はあった方がいいでしょう。

夏休みは信頼を広げるチャンス!

今のような夏休みは、冒険のチャンスがたくさんあります。

サマースクールのお泊り体験などは、しっかりと大人が見ている中で冒険するいい機会でもあります。

友達の家に泊まりに行く、ちょっと離れたおじいちゃんおばあちゃんの家に一人で遊びに行くなど、時間があるからこそ、その子のレベルに合わせて段階的にいろいろなことができると思います。

ひとつひとつクリアしていくことで子ども自身も「できた!」という成功体験となり、次のチャレンジへの意欲がわきます。

そして、親自身もひとつひとつクリアしていくわが子の姿に「この子はできる!」という「信頼」を増やしていくことができます。

多くの親は「私がいなくちゃ」と思います。

その責任感もとても大事なことですが、一方で子どもの自立や成長の足を引っ張ってしまうことにもなってしまうので、うまく距離を作っていくことはとても大切。

一気に全ての心配を手放すことは難しいので、段階的にひとつずつ手放すようなことを考えてみることをオススメします。


熊野さん、ありがとうございました!

改めておさらいすると…

ポイント

  • 冒険グセは貴重な才能「心配」と「信頼」のバランスを取ろう
  • 自分だけが見ている子どもが全てではない。周りの人の声も聞く
  • 事件事故が起こらないように「禁止」ではなく「対策」を伝える
  • 段階的なチャレンジ体験で子どもには成功体験、親には信頼体験

例え何歳になっても親としては心配な時は心配なもの。

これはもう仕方ないですよね。

心配をやめるのはなかなか難しいので、信頼を増やして心配より多くすることを考え、子どものことを見ていくといいのではないかと思います。

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