男性の育休取得率は徐々に上がってきています。
そんな中、育休を取り巻く職場の新たな問題も出てくるかもしれません。
今回は、育休取得をめぐって意外な状況になったことに悩むパパに、アドラー式子育ての熊野英一さんから対処法などアドバイスを聞きました。
これから増える!?職場での育休マウント
育休は取りたかったものの、ちょうど繁忙期に重要なポストにいる中で息子が生まれたこともあり、育休は取りませんでした。
この春、1年間の育休から復帰した同僚が、顔を合わせるたびに「育休を取らない人の気持ちが理解できない」などと言ってきます。
マウントを取られているようでイライラしてしまうのですが、どうしたらいいものでしょうか?
今、世の中はよかれと思って育休を取る男性を増やそうと進んでいます。
しかし取る人が増えることで、こういった問題も増えてくる可能性は十分にありますよね。
育休を取るかどうかに上下はない
前提として、現状、義務というわけではないので、育休を取ることはそれぞれの価値観や事情に合わせればいいことだと思います。
質問にもあるように事情があって取らないことを選んだだけ。
まずはそこに自信を持ってもいいと思います。
育休を長く取った人が偉いということもなければ、育休を取らなかった人がダメということでもありませんよね。
ただ、質問を読んで感じるのは、そもそも「取りたかったのに取れなかった」ということに対して、自身がモヤモヤしているところがあるんじゃないかということです。
詳しく状況はわかりませんが「もう少し粘ったら取れたかもしれなかった」など後悔があるようにも見えます。
ご自身でも気づいていないくらいわずかなものかもしれませんが。
また、イライラの裏側には長く育休を取った同僚に対して「羨ましい」という思いや、もしかしたら妬みのようなものもあるかもしれません。
だからこそ、同僚の言葉に過剰に反応してしまっているというケースもあるのではないでしょうか?
本当にマウントなのか?
それを踏まえた上で一度冷静に考えてほしいのは、同僚が本当にマウントを取ろうとしているかどうか?ということです。
もしかしたら、お互い同じパパだから共感してもらえると思って話している可能性もあるように感じます。
決して悪気がないことも考えられます。
ただ、悪気がなければいいということではありません。
実際にイライラしてしまっているのであれば、その気持ちをちゃんと伝えてやめてもらうことをオススメしたいと思います。
例えば「育休を取らない人の気持ちが理解できない」と言われたら。
そもそもあなたも取りたかったわけですから、そこは共感しつつ「でも、育休が取れなくてモヤモヤしている自分が聞くと辛いからやめてほしい」という感じです。
決して声を荒げることなく伝えることができれば、きっとわかってくれるはずだと思います。
マウント対策は「独り相撲」にすること
まずは“共感インタビュー”
マウントかどうかを確かめるためには、同僚があなたに育休の話をする目的を知る必要がありそうです。
具体的には「聞く」ということではあるのですが、その時に「共感」をすることを忘れずに。
あくまで想像ですが、もしかしたら同僚は育休を取るためにいろいろな努力をしていて、なんとか取ることができて、育休中もすごく大変だった中で頑張って乗り越えてきたのかもしれません。
だからこそ、戻ってきた時にそれを「認めてほしい」と思っている可能性があるようにも感じられます。
そうだった場合には、大いに認めてあげればいいんじゃないでしょうか。
きっとそれで収まると思います。
しかし、認めてもらう方法として育休を取らなかった人に対してアピールをすることで落として、自分を上に持ち上げようとしているとしたら、それはまさにマウントを取っているという状況。
そこから脱するために動く必要はあると思います。
合気道の精神に学んでみよう
相手の力をうまく利用することが必要な武道といえば合気道。
その精神を活用してみてはどうかと思います。
まずは相手の話に乗らずに受け流すということ。
イライラしてしまうとは思いますが、反論してしまうと待ってましたとばかりにさらなる攻撃を仕掛けてくることは明白です。
ならば、早々に主導権を争いから降りて、思っていなくても「すごいねー」とあっさりとした反応を繰り返せばいいと思います。
言っても言っても手ごたえがない人に話すのは疲れます。
それは勢いがあればあるほど。まさに合気道のようですよね。
マウントを取るための主導権争いは、こちらがその戦いの舞台から降りてしまえば「独り相撲」となってしまうので、途端につまらないものになってしまいます。
これは今回のような育休マウントでなくても有効な手段なので、誰かにマウントを取られているなら、ぜひ参考にしてみてください。
熊野さん、ありがとうございました!
改めておさらいすると…
ポイント
- イライラするのは自分の後悔が関係しているかもしれない
- そもそもマウントを取りに来ているのか?共感を求めているだけなのか聞いてみる
- マウントを取りに来ているようであれば、戦いの舞台からあっさり降りてしまおう
マウントを取る人は、きっと誰かに認めてもらわないと自分を肯定できないように感じます。
そう考えると、その人もなかなか大変だなとも思えてきますよね。
マウントなんて取られたところで大したことではないと思いますので、大事なところだけ守っていきましょう!
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