政府は異次元の少子化対策として、子育て世帯へのサポートなどいろいろなことを検討していると報道されています。
では、実際に今子育てをしている世帯の人たちが、あったらいいなと望む「子育て支援策」はどんなものなのか?
やっぱり現金給付を望む声は大きいのか?
今回は公式LINE「パパしるべ総研」のメンバーたちにアンケート形式で本音を聞いてみました。
意外と少ない、現金給付としての支援を望む声
日本には様々な形での子育て支援がありますが、これまでのやり方を考えた時に代表的なものとして考えられるのが、「無償化」と「現金給付」があると思います。
無償化は、医療費や公立学校の授業費など、ある程度範囲が限られているのに対して、現金給付は基本的に使い道が自由。
これまでも子ども手当といった現金給付はありましたが、これからもさらなる現金給付を望むのか?
まずは、率直に聞いてみました。
やっぱり「現金給付」がいいと思いますか?
- いい:35.7%
- いいとは思わない:14.3%
- どちらとも言えない:50.0%
「いいとは思わない」が1割強ではありますが、最も多いのが「どちらとも言えない」で半数を占め、積極的に臨む人は3割程度となりました。
実際に子育てをしている立場からすると、現金給付は助かりますが、その裏側に財源の問題もあれば、人気取りのためのばら撒きなのではないかという疑念を持つ方もいるかもしれません。
また、一方では現金給付の額がそれほど大きくないので、まかないきれないという部分もありそうです。
とはいえ、あれば助かることには変わりないところが、「どちらとも言えない」という中間ポジションが多数を占めた背景にあるのではないでしょうか?
では、無償化。
つまり何かが無料になることについてはどうでしょう?
今回は最近、無償化が進んでいる医療費や公教育の部分を除いた形で望むものを聞いてみました。
どれが子育て支援として無料だったらうれしいですか?
- おむつ&ミルクなど乳幼児の必需品:21.4%
- 旅行(交通・宿泊費等):21.4%
- 学習塾:14.3%
- 食事(外食など):14.3%
- 習い事:7.1%
- 洋服:7.1%
- その他:14.3%
「乳幼児の必需品」がトップになることは割とイメージできたところでしたが、並んだものが「旅行(交通・宿泊費等)」というレジャー資金だったことは意外だったように感じます。
その他も含め、届いたコメントを紹介します。
乳幼児の必需品
- オムツは必需品で、特に小さな時は大量に使うし、交換する事をケチりたくないので。
- 最低限の必需品の購入負担を減らすことは少子化対策のひとつとして有効だと思う。
旅行
- 単価が高いので、子どもの分だけでも無料になると旅行に行きやすい。
- 5-6歳で飛行機や宿泊代が、たとえ子ども料金でも一丁前にかかるので、悩ましい。とはいえ、旅行回数を減らす気にはなりませんが。
学習塾
- 現実論として、一番費用がかかっていたものだから。
習い事
- 子どもがやりたい事をさせてあげたい
食事
- 子どもの貧困を避けられる。その他の家庭でも、格差が出ず、まんべんなく助かるので。
洋服
- その時その時でカッコいい&かわいい格好をさせてあげたい
それぞれ、理由は納得ですよね。
多かった「旅行」だけでなく「洋服」という答えもありましたが、家計が厳しい時には一番先に削りがちなこういったものも、豊かな生活には必要なものではありますよね。
もちろん「食事」など生活に欠かせないものへのサポートはぜひお願いしたいところではありますが、こういった視点もあったら本当にうれしいと感じます。
また、今回は選択肢として挙げたもの以外でもどんなものが無料だったらいいかを尋ねましたが、やはり多くは「給食」や「学用品」、「保育料」など教育関係のものが中心でした。
一方で、こんな声もありました。
- テーマパークの入園料。
- 屋内の遊び場。雨の日に遊べる広い場所がそもそも少ない上、有料のところが多い。
ここでもレジャーに対する無料化を望む声。
あくまで推測ですが、やはりこの部分にためらわずにお金をかけられない環境の人が結構いるのではないかと感じます。
心情的にも贅沢と捉えられるところがあるからこそ難しいですよね。
子育て支援が必要なのは子どもだけではない
子育て世帯にとって、子どもに関する支援があることは本当にありがたいことです。
でも、一方で子育てをしている親自身に対しての支援についてはそれほど語られていないような気がします。
少子化対策というのであれば、親のサポートも重要だと思いますが、皆さんはどんなサポートを望んでいるのでしょうか?
一部を抜粋して紹介します。
親に対してしてほしい支援策はなんですか?
やはり多かったのは、働き方に関するモノ。
- 日常的な長時間労働の是正。労働力確保と適切な賃金を。
- 育休など育児体制を整える支援策。長期連休や学校行事などで子どもと過ごせる環境作り。
- キャリア支援策。乳幼児期を終えたあとのキャリアに関するもの。
現状の働き方については、制度として改善しようとしていると思いますが、現実としてはなかなか改善できていないことも多いと聞きます。
ここ数年で育休をとりまく環境も変わってきていて、4月からの育休取得率の公表義務化(1000人以上の企業のみ)などが始まることで少しでも変わっていくことを願います。
その他にはこんな声が届いています。
- 親の健康支援策。スポーツジムの会費無料。
- 親の健康支援策。メンタルも含めた健康相談ができる環境。
まさに親自身が肉体的にも精神的にも健康であることは、とても重要なことです。
相談窓口の設置については、ある程度存在するのかもしれません。
しかし、悪くなってしまったらというやや受動的な姿勢ではなくて、積極的な予防に繋がるような施策に踏み込んでもらえたら、もっと前向きに受け取れるようにも感じます。
- 子育て情報や知識を学ぶ支援策、パパがリアルで会って情報交換とかできる場がもっと欲しい。
- 親同士のつながりを作る支援策。親同士の交流ができるカフェなどがほしい。
先日公開した「パパのホンネ白書2023」でも、監修した大阪教育大学の小崎教授が課題として挙げていて、過去に実施したアンケートでも浮き彫りになっている孤独や孤立の問題。
繋がりを持つことはメンタル面でも重要ですし、協力して子育てできる仲間がいると体力的にも助かりますよね。
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いずれにしても、今回のアンケートでこういった親の健康についての声が多かったことから、そこに危機感を感じている人が増えているように感じます。
最後に、特に親に対してということはありませんが、大学までの無償化を望む方から切実な声が届きました。
- 都市部では塾に通わせ、大学卒業までの費用は高く、共働きでどうにかしている状況。本当は大学に通わなくても、子どもが個性を生かして豊かに生活できる社会に変えて欲しい。
生き方の多様化は本当に大きな課題です。
学歴への意識はかつてに比べれば少しは緩やかになってきているようにも感じますが、実際のところはまだまだ根強く社会に残っているところがあります。
何より親自身もまた、積極的に望むわけではないけれど、やっぱり学歴を手放す勇気を持つことが難しいと感じているのかもしれません。
こういった社会や親自身に残る空気感のようなものに対しても、何か変化が起こるような施策も、出来れば検討してもらいたいものです。
今回もご協力いただき、本当にありがとうございました!
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