災害はいつ起きるかわからないので、備えることが大切です。
特に子どもたちがいると、考えないといけないことはたくさんありますよね。
今回はそんな「防災」について、子どもたちも含めて家族で一緒に話し合おうと考えているパパからのご相談。
アドラー心理学を基にしたアドラー式子育ての熊野英一さんから、防災についての話し合いの方法やコツについて、アドバイスをお伝えします。
防災は家族で一緒に体で覚えよう
これまで夫婦では災害が起きた時にどうするか話してきましたが、そろそろ子どもたちも交えて話し合ったり、備えていきたいと考えています。
災害への備えを一緒に考えるときに注意するポイントがあれば、教えてください。
今年はスタートから大きな災害があったので、改めて備えについて家族で共有しようと考えている人も多いと思います。
特に小さい子どもがいる場合にはどうやって話し合えばいいか?
一緒に考えていきましょう。
子どもには災害の「怖さ」よりも「安心」を
地震や水害など、被害を考えると怖いと感じることがたくさんあると思います。
子どもたちに備えの大切さを伝えるのは重要ですが、ネガティブすぎる伝え方をしてしまうのは避けた方がいいと思います。
「地震が起こったらこんなに大変なことになるんだよ」
「急いで逃げないと危ないよ」
と怖さばかりを伝えると、子どもたちは漠然とした恐怖が植え付けられてしまいます。
よって、いざというときに怖くて動けなくなってしまうことも考えられます。
そこで、ぜひ共有してほしいのは
「こんなことが起こった時、こうすれば大丈夫だよね」
という「安心」です。
災害はいつ起こるかわからないですし、私たちにはどうすることもできません。
だからこそ、起きた時に子どもたち自身も「大丈夫」と思えるようにする備えが大切だと思います。
話し合いだけでなく避難の練習も
家族で定期的に話し合うことはとても大事だと思います。
例えば、どんな時に被災するかを想定してシチュエーション別に考えたり。
それぞれの家族の住んでいるところや生活環境を踏まえて、どんなリスクがあるのかを割り出して、どう対応するかについてもセットで考えていきましょう。
そして、子どもがまだ詳しく理解ができない年齢の場合は、話し合うだけでなく、体感して覚えることも心がけていくといいと思います。
例えば、避難場所を共有したら、普段の散歩で一緒に行って行き慣れた場所にしておくこともいいでしょう。
防災アイテムの場所や何を使うかなども、クイズ形式にするなどゲーム感覚で一緒に楽しくやっていくのもいいと思います。
覚えられたらうれしい、楽しいと子どもが感じてくれたら、より身につくのではないかと思います。
非常時にも子ども自ら動けるように訓練を
子どもも一人の人間です
アドラー心理学では、子どもの自立をサポートするのが子育ての大きな目的だと考えます。
そのためにも、小さいうちからその考えや思いを一人の人間として尊重することを大切にしています。
防災について考える上でも、子どもを一人の人間として、家族の一員として考えてみてはどうでしょうか?
例えば、年齢に応じてできることをやってもらうように依頼するということ。
懐中電灯を持ってくる、小さいリュックを運ぶなど、小さい子でもできること、家族に役立つこともあります。
自分の親から頼りにされていると感じることは子どもにとってうれしいことだと思いませんか?
それが責任感を育てるコミュニケーションだと思います。
非常時に向けて家族で協力体制を作るためには、夫婦だけでなく、子どもも一緒に前向きに臨めるように考えてみてください。
自分で自分を守れるように
もうひとつ、いざというときに大事なことがあります。
親子が一緒にいる時に被災するとは限りません。
また、一緒にいたとしても親が指示できない状況になってしまうことも考えられます。
そんな時に、指示がないと動けなかったら、助からなくなってしまうことだってあります。
子どもにも役割を与えて、自分で考えるクセがついていることはとても重要だと思います。
そして極端な話ですが、場合によってはパパママを気にせずに、逃げなければいけないことだってあるかもしれません。
防災のことを考えるのも大切ですが、家族、そして何より自分の命の大切さも忘れずに伝えていきましょう。
熊野さん、ありがとうございました!
改めておさらいすると…
ポイント
- 話し合うだけでなく家族で一緒に普段から練習
- 子どもにも役割を持ってもらい責任感を育む
- 災のことだけでなく命の大切さを伝える
災害への備えとして、防災グッズの準備や避難するときのことを考えるのも大事ですが、気持ちや心構えの部分でも備える必要がありますよね。
これから話し合う時には参考にしてみてください。
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