大人&子どもと家族全員が内弁慶で心配!今後どう付き合って行けば良い?

大人も子どもも社交的で友達が多い方がいいという風潮がありますが、中には内弁慶の人もいます。

ただ、それが一家揃ってとなるとちょっと考えてしまうかもしれません。

家族の今後を心配する内弁慶一家のパパに、アドラー式子育ての熊野英一さんからアドバイスを聞きました。

内弁慶が悪いわけではない

質問者
我が家は私も妻も社交的な方ではありません。

そして5歳の娘と3歳の息子も我々に似たのか内向的。

しかし一方で、家の中では感情を爆発させることが多い典型的な内弁慶なんです。

これからたくさんの人と関わっていく中で家族全員がこういう性格で大丈夫か心配です。

スポーツでもホームゲームでは強いのにアウェーで弱いチームがありますが、多かれ少なかれ多くの人は内弁慶の傾向があるかもしれません。

ちなみに本来は「内弁慶に外地蔵」と続き、外ではお地蔵さんのように静かな人を指すそうです。

家族が安心できる存在である証拠

言葉として「内弁慶」というと、あまりいい意味では使われずに、家の中で威張っていて外では大人しい人のことを揶揄した表現になります。

質問してくれたパパも、自身も含めて家族のこういった傾向について、ちょっとネガティブに捉えているため、心配になってしまっていると思います。

ただ、そもそも家の外でもなかでもずっと我慢して自分を出せずにいるとストレスが発散されることなくたまっていきますからいい状態とは言えません。

むしろ、家の中で感情を出せるということはとてもいいことと考えられるでしょう。

また、感情を出せるということは相手を信頼し、安心している証拠。

誰にだってそういう存在は必要です。

大人も子どもも内弁慶を前向きにとらえる

人が交流したり、協力したりしながら社会は進んでいくので、コミュニケーションをとることが得意な社交的なタイプの人の方がいいと思われるような傾向があると思います。

しかし、当たり前のことですが、社交的でなければいけないわけではありません。

あくまで個性の一つとして内向的な人もいますし、そういったタイプの人は社交的な人とは違うところで力を発揮することができればいいだけです。

なので、家族全員が内弁慶であることはそれほど問題ではないでしょう。

もしかしたらパパ自身がこれまでその内弁慶で嫌な思いをしたことがあって、そこに注目してしまっているのかもしれませんが、実際は内弁慶でも問題なかったことがたくさんあるはずです。

内弁慶であることを嘆いても何も始まらないので、その個性を受け容れましょう。

時には周りの人たちとうまく関係を作る必要があります。

そんな時は少しずつでも自分で主張できるよう、練習していけばいいと思います。

パパやママが練習している姿は、きっと同じく内向的な子どもたちにはいいお手本になるんじゃないでしょうか。

内弁慶同士の関係はどうか?

家族は遠慮がなくなりがち

人が生きていく上では取り組まなくてはいけないこと=ライフタスクがあります。

アドラー心理学ではそのタスクを相手との関係に応じて、「仕事のタスク」「交友のタスク」「愛のタスク」の3つにわけて考えます。

仕事で付き合う相手の場合、理性を働かせて常識的なふるまいをすることが比較的しやすいもの。

友達とも、例えケンカをしてもいったん離れて冷静になることができますし、そもそも他人という認識があるので、多少の違いは受け止めやすい。

しかし、家族が相手だと遠慮もなくなり、配慮にかける行動をとってしまうことが増えます。

一緒に暮らしているからこそ、言わなくてもわかる、思いを共有してもらえるということを勝手に期待してしまうからです。

だからこそ、家族で友好的な関係を保つことはとても難しい。

仕事の現場では決して言わないようなことも、家族には言ってしまうこともあるのではないでしょうか?

家族全員が内弁慶となると、それぞれが遠慮なく自分の言いたいことを言って、やりたいことをやってしまっている可能性も考えられます。

そうなると、ぶつかることも増えてくるのかもしれないと、ちょっと心配になります。

「親しき仲にも礼儀あり」を忘れずに

言い過ぎてしまったり、言わないでもわかってもらおうとしたり、というのは家族の間ではよくあること。

しかし、質問のパパたちのように、現時点で家が自分を出せる大切な場だとすれば、そこでの関係が悪くなる状況はなんとしても避けたいですよね。

「親しき中にも礼儀あり」とは言いますが、まさにそのことを大切にすることが必要。

だからと言って自由にふるまう家族に対して注意しても、それはなかなか伝わらないことが多いです。

外の人からのアドバイスよりも、冷静に聞くことができないからです。

きっと、激しく注意すればするほど反発されるのではないでしょうか?

だったら、我慢すればいいのかというと、そうではありません。

まずは自分自身が家族に対してその姿勢を見せていけばいいと思います。

具体的には、使う言葉に気を付けること、感謝すること、謝罪することなどです。

簡単に言えば、外でしていることを家の中でもすればいいだけです。

もちろん一番難しいことではありますが、続けていくと、きっと少しずつ穏やかにコミュニケーションを取ることができるようになってくると思います。

それが家族が成長していくということ。

実際は似た性格の家族だからこそ、わかる部分も多いと思います。

それを向かい合って互いに指摘し合うのではなく、同じ方を向いてそれぞれが持っている課題に対して、一緒に向き合っていくように心がけていけば、家族一丸となって困難を乗り越えていくことができるように感じます。


熊野さん、ありがとうございました!

改めておさらいすると…

ポイント

  • 家族にだけ感情を出せる内弁慶は悪いことではない
  • 感情を出せるからといって家族に対して遠慮がなくなることがないように注意
  • 「親しき仲にも礼儀あり」を自分で実践して家族に姿勢を見せていく

内弁慶な人は、見方によっては場所に応じて自分をある程度制御できる社会性の高さがあるようにも感じます。

極端すぎると問題かもしれませんが、上手に付き合っていくことができれば力を発揮できそうですね。

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