子供の忘れ物は親の影響も大きい!?アドラー的対策方法とNG行動

子どもの忘れ物が多くて困っている、親たちのあるあるの悩みですよね。

親としてはなんとか対策したいところですが、どのようにアプローチしていったらいいのでしょうか?

今回は、コミュニケーションの専門家でアドラー式子育ての熊野英一さんに、親の立場からどうやりとりしたらいいのかアドバイスをいただきました。

子供の忘れ物、実は親の影響も...!

質問者
この春、小学校にあがったばかりの娘がとにかく忘れ物が多く困っています。

学校の先生からもなんとかしてほしいと言われるし、妻と一緒に口を酸っぱくして言っているのですが、一向に変わる気配はなく。。。

きっと特効薬はないと思いますが、どのようにしたらよいか、アドバイスをいただけますか?

わが子の忘れ物、きっとほとんどの親御さんが経験したことがあると思います。

特に小学校に上がったばかりのタイミングであれば、きっとお子さん自身も慣れていないこともあり抜けてしまうこともあると思います。

もちろん、お子さんの性格にも関わってくる部分はあるかもしれませんが、推測する限り、親の影響も少なからずあるのではないかと感じます。

例えば、忘れ物が多い、ということは1回や2回ではないと思いますが、これまで忘れ物をしたときにパパやママがどのようにしてきたか?ということです。

いってらっしゃい!と送り出した後、ふと見たらテーブルに水筒が置きっぱなし。

これはまずい!と思って、学校まで届ける。

もしくは、子どもが学校に行く前にランドセルの中をチェックして、水筒が入っていないことが発覚。

先回りしていれてあげちゃう。

そんな経験はありませんか?

この行動は一見、親がしっかりと子どもをサポートしているように見えます。

もちろん、良かれと思ってやっていることでしょう。

しかし、一方で別の見方をすると、子どもは「届けてくれるなら自分でちゃんとチェックしなくても大丈夫」「パパやママがチェックしてくれるからチェックは適当にやればいい」と思ってしまう可能性があります。

これってわが子の自立に対していい影響があるとは言いがたいですよね。

子どもが自立するということが子育ての目的だと考えるアドラー心理学の観点から言えば、子どものサポートのように見えることでも、自立の妨げになるような行動であれば控えた方がいいと言えるでしょう。

時折、大学生や社会人になっても、親に対して「なんで起こしてくれないの!」と苦言を呈するような人がいますが、そういう人はきっと、このようにして、本来であれば子ども自身が確認したり、用意すべきものまで親が入り込んでやってしまうことが続いてきた結果である可能性が高いんじゃないかと思います。

わが子がそういう大人にならないことを願うのであれば、忘れ物を届けたりチェックしたりすることには慎重になった方がいいかもしれません。

忘れ物は「子ども自身の課題」親の関わり方は?

では、子どもがどれほど忘れ物をしているとしても、親は何もしなくていいのでしょうか?

それもひとつの選択肢だと思います。

アドラー心理学では「課題の分離」といって、何か問題があるときにそれが誰の課題であるかを分けて考えます。

その文脈でいくと、「忘れ物」は「子ども自身の課題」であり「親の課題」ではありません。

親が解決すべきものではないので、親が口を酸っぱくして言うのではなく、子ども自身が「水筒を忘れて喉が乾いて困った」「体操服を忘れて恥ずかしかった」という失敗を経験することで、自分で学んでいくことが必要だと考えられるでしょう。

もちろん、一回や二回忘れ物をして嫌な思いをしたからといってすぐに変わることが出来ないことだってたくさんあります。

でも、そこは子どもの課題であり、自立するために必要なことと考えたら長い目で見ることも大切です。

これは、現状を「放置する」「放任する」のではなく「子どものことを信じて見守る」という勢を言います。

一方で、「信じて見守る」に加えて、もう一歩踏み込んだやり方もあります。

いろいろな経験が少なく未熟な小学校低学年くらいの子どもは、そもそも忘れ物をチェックするノウハウがないとも考えられます。

自分で考えられることにも限界があるともいえるかもしれません。

そんな子どもに対して、何も伝えずに「忘れ物をするな」と言ってもなかなか改善は難しい。

であれば、まず子どもと話し合ってみることも必要かもしれません。

忘れ物に困っているか?忘れ物をしないようになりたいか?忘れ物をしなくなるためのチェック方法は知りたいか?

そういった問いかけをしたときに、子どもの方が改善方法を一緒に考えてほしいとお願いしてきたら、それまで「子どもの課題」だった「忘れ物」が、親子の「共通の課題」となります。

その時にはじめて、親は子どもと話し合いながら忘れ物を無くす、具体的な方法を一緒に考えるフェーズに入るわけです。

こどもによってはいろいろ試行錯誤をしても、忘れ物が減りにくいこともありますが、それはもうその結果を親子で引き受けていくしかないかもしれません。

ただ、もしもうまくいかなかったとしても、自分でうまく出来なかったことを親子で一緒に取り組んだという経験は、その後、子どもが成長の過程でうまくいかないことにぶつかったとしても、ひとりで悩みを抱え込まないことに繋がるとも考えられます。

大切なのは良かれと思って勝手に手を出さないこと。

こういったプロセスがないままに、子どもの同意がないままに、先回りをして手助けをすることが自立を妨げてしまっている可能性があることを忘れないようにしてください。


熊野さん、ありがとうございました!

改めておさらいすると…

ポイント

  • 忘れ物グセがついてしまうのは、親が手を出しすぎている可能性がある
  • 忘れ物自体は子どもの課題と分離。親が必要以上に介入することを控える
  • 子どもが助けてほしいと依頼してきたら、親子の共通の課題として一緒に改善方法を考える

家庭の中で考えれば、わが子に対してのことですが、職場の後輩などにも当てはまることでもありそうです。

良かれと思っていることが、長い目で見たら裏目に出てしまうのは本当にもったいないことなので、そうならないように考えていきましょう!

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