保育園の送りで娘が泣くのが辛い!乗り越えるための心構えとは?

保育園の送迎を担当するパパも増えてきました。

毎日子どもを送るのも大変ですが、別れ際に泣かれたりすると、さらにつらいですよね。

今回は娘との涙の別れの辛さに悩むパパに、アドラー式子育ての熊野英一さんからアドバイス。

辛い気持ちを乗り越えるための心構えとは?

子どもが泣くのは大人が思うほどの辛さではないかも

質問者
今年の春から1歳の娘が保育園に入り、毎朝送っています。

最近になって、私が預けて仕事に行こうとすると激しく泣いていやがるようになりました。

泣き声を聞いていると会社に行くのが辛くなります。

これはどう乗り越えていったらいいでしょうか?

パパママともに同じような思いをしたことがある人は多いと思います。

そりゃ辛い、当然の思いです。

今回はこの辛いシチュエーションを乗り切るための捉え方について、考えていきましょう。

期間限定の貴重な体験

言うまでもないことですが、子どもは成長していくものですから、いつまでも保育園の送りで泣くということが続くわけではありません。

気が付けば保育園に着いたらこっちを見ることなく「バイバイ!」と走り去ってしまうようになってしまい、小学校に上がれば送っていくこともなくなります。

確かに、精神的には辛いことだと思いますが、この気持ちを味わえるのは今しかありません。

そして、わが子がいるからこそ、わが子が元気に保育園に行けているからこそ、また、あなたが送りに行けるからこそのこと。

当たり前に感じるかもしれませんが、とても特別なことなのです。

今の辛さを軽減することではないかもしれませんが、まずはその特別な時間をかみしめるつもりでいてもらえたらと思います。

きっと、素敵な思い出になるはずです。

送迎時に子どもはなぜ泣くのか?

もちろん、パパやママと別れて保育園に行くことが悲しい、寂しいという思いがあることは間違いないと思います。

では、もしもあなたが同じように別れたくないという時に、どういう行動で表現すると思いますか?

仕方ないことだからあきらめることもあれば、「もうちょっと一緒にいたいな」と声をかけることもあるでしょう。

成長していく中で、いろいろな表現のバリエーションを体得してきたので、その時々にふさわしい行動を取ることになるはずです。

しかし、幼い子どもにはまだ、その表現のバリエーションがありません。

だから、ほぼ「泣く」の一択なのです。

またそれが一番注目を集められる方法だと本能的にわかっています。

大人からすれば「泣く」ということはよっぽどなのだろうと思いがちですが、実は子どもにとってはそこまででもないケースもあるわけです。

加えて言えば、幼い子どもはまだ時間の感覚や、未来のことを想像することができません。

保育園で楽しく過ごして、何時間か経ったらまたパパやママが迎えに来てくれるということを理解できないうちは、永遠の別れのように感じて感情を爆発させることもあります。

何度か経験して、「ああ、遊んでいたら迎えに来てくれるんだ」ということが分かったら状況は変わると思います。

子どもの自立のために必要なこと

アドラー心理学のポイント

子育ての目的は子どもが自立することで、親はそのサポートをする

自立の阻む“過保護”に注意

アドラー心理学では、子育ての目的は「子どもの自立」であり、親はそれをサポートする立場にあると考えます。

自立とは自分で考えて判断して行動することができるようになることですが、もちろん、それができるようになるためには練習が必要です。

親はその練習に根気よく付き合っていかなければなりません。

また、その練習を邪魔しないようにすることも大切です。

今回のように子どもが泣いたりすると、かわいそうに感じて、先回りして手を出したり、対策を講じたりしてしまう時もあると思います。

そうすると、本来は子ども自身が経験などを積んでその困難を乗り越えることに、繋がらないことになる場合があります。

要は良かれと思ってしていることが“過保護”な状態になって、自立を妨げてしまっているということです。

困っている子どもを助けたり、サポートしたりすることは必要なことですが、その行動が本当に子どもの自立を阻むものになっていないか?考えてみる必要があります。

今回のような保育園の送りでしっかりと状況を理解して、時に親と離れて時間を過ごすことは、今後の彼女たちの生活に必要なことです。

なので、送りで別れる時の娘が泣いてかわいそうだと感じすぎて、保育園に行くことをやめようかと考えてしまうのではなく、自立のために必要なことと捉えてみてほしいです。

子どもを“ひとりの人間”として扱う

子どもの自立を促す上で、根底にもっておいてほしいことがあります。

それは子どもを“弱くて劣った存在”とは考えないことです。

“弱くて劣った存在”と考えていると、必要以上に手を出したくなってしまうことにつながるからです。

子どもも自分たち大人と変わらないひとりの人間で、ただまだ経験や知識もないので練習しているだけです。

シンプルに言うと“子ども扱いをしない”ということですね。

例えば今回のように保育園の送りで泣いていたとしても…

さみしいよね。気持ちはわかるよ。でも、俺も頑張ってくるから!また会おう!

くらいの感覚でいられたらと思います。

いつか元気に「パパ、いってらっしゃい!」と手を振ってくれる未来を信じて、そのためにいっしょに頑張ろう、というモチベーションにしてみてはどうでしょうか?

実際に、幼稚園や保育園に関わってきた経験からお伝えしますが、どんなに別れ際に泣いていた子も、夕方までずっと泣いている子はいません。

時間がかかる子もいますが、どこかで状況を理解して、気持ちを切り替えて楽しく遊び始めます。

どの子にもその状況に応じて切り替えられる力があります。

我が子の力をぜひ信じてあげてください。

今は泣かれて辛いとは思いますが、子どもが自立した未来を想像して、おろおろせずに毅然とした態度で向き合ってみてください。


熊野さん、ありがとうございました!

改めておさらいすると…

ポイント

  • 別れるのを泣いて悲しんでくれるのは期間限定の特別な時間
  • 必要以上にかわいそうに思って過保護になると、自立を阻んでしまうので気を付けて
  • 子どもには切り替える力がある、それを信じて!

子どもに泣かれたときって本当に罪悪感に苛まれますよね。

でもそれもまた慣れてくると「いつまで泣いてるの?」みたいな感じになってきたりします。

パパママも心が強くなるんですよね。みんな一緒に成長していきましょう!

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