再婚して子どもも生まれ、今は幸せなはずなのに…バツイチであることがふと不安になる—
かつてに比べて離婚は珍しいものではなくなりましたが、離婚を経験しているからこその不安もあるもの。
離婚経験を引きずらず、今の家族とどう向き合いながら良い関係を築いていけば良いのか。
アドラー心理学のスペシャリストの熊野英一さんからアドバイスや、PDCAサイクルの考え方をもとに、不安を前向きに乗り越えるヒントをお届けします。
PDCAサイクルで「バツイチ」を考えてみる
結婚から2年経ち今のところは大きな問題はありませんが、私自身バツイチで失敗した経験があるので、この先もうまくやっていけるか不安です。
大丈夫でしょうか?
離婚が増えてきたおかげで、社会の目の厳しさは以前に比べたら穏やかになったかもしれませんが、当事者の心の傷の深さは変わらないものだと思います。
その不安をどう向き合っていったらいいか?一緒に考えていきましょう。
最初から離婚するつもりではなかったはず
「離婚」のイメージは決していいものではないかもしれませんが、一口に「離婚」といってもケースは本当に様々です。
離婚したからこそ、環境が改善されることもあれば、精神的にも安定することもあるでしょう。
だからこそ離婚は「絶対にしてはいけないもの」でもなければ、「失敗」と決めつける必要もありません。
最初から離婚するつもりで結婚したわけではないと思いますし、想像していたものとは違う結果になっただけのことなので、その結果を引き受けましょう。
問題は、「これからどうするか?」というところなのです。
トラウマは未来への糧にする
アドラー心理学のポイント
経験そのものが成功や失敗の原因ではない。
トラウマに苦しむのではなく、未来に向かって経験をどう活かすかが大切だ。
アドラー心理学には過去にとらわれることなく、経験を自分の目的に合わせて未来の成長や目標達成に活かすべきであるという「目的論」という考え方があります。
先日このサイトで、同じ出来事でも人はそれぞれの価値観や経験をもとに異なる解釈をするものと考えるアドラー心理学の「認知論」についてお伝えしました。
離婚したことをあなたが「失敗」とか「トラウマ」と認知しているのであれば、それは不安の材料となってしまうと思います。
そして、「また今度も同じことを繰り返す」と思い込んでしまいかねません。
ただ、離婚によって得た経験の中には、きっと次にいかせるものもあるはずです。
離婚という出来事を「成長の糧」と捉えれば景色はきっと変わってくるはずです。
人間はうまくいかない経験やうまくいった経験をもとに次に進んでいく生き物です。
これは大人だけでなく、あなたが今育てている赤ちゃんも同じです。
ビジネスではよく使われる「PDCAサイクル」という考え方に近いかもしれません。
PDCAサイクルは、【PLAN「計画」DO「実践」CHECK「評価・測定」ACTION「対策・改善」】という順番で進み、それを繰り返す中で成長や改善を促していく経験学習プロセスのこと
PDCAサイクルを当てはめると
- PLAN:幸せな家庭を築くことを目指す
- DO:結婚する
- CHECK:離婚してしまったことを分析
- ACTION:改善方法を考えて次にいかす
そう考えると、離婚はあくまで人生のひとつの過程であることがわかると思います。
では、どうしたらいいのでしょうか?
再婚で不安を感じるよりも、未来へのプラスになることを考えよう
再婚で上手くいくためには
質問を見ると、あなたは離婚経験があるものの、すでに再婚を果たし、お子さんが産まれたとのこと。
つまり次のPDCAサイクルに入っていて、分析したものや改善方法を実践できるフェーズにいると思います。
であれば、何はともあれあなた自身が改善した方がいいと思うことをまずは試してみればいいと思います。
ただ、それはうまくいかないことだってあります。
そうしたら、再び分析して改善点を探せばOK。
これを何度も繰り返していけば、いつかはあなたが望むものに近づける可能性は十分にあります。
大切なのは、諦めないこと。
以前のパートナーにしても今のパートナーにしても、最初からパーフェクトな相手かというと、そうではないと思います。
逆に言えばあなた自身もパートナーから見てパーフェクトではないはず。
うまくいくためには、途中であきらめて改善をやめてはいけないのです。
また、あなたが自身の分析や導き出した改善方法が有効なものではないこともあります。
出来れば、信頼できる人に話をきいてもらって客観的な意見を聞くなど、多角的に分析をしてみることをオススメします。
今のパートナーとたくさん対話しよう
当たり前のことですが、以前のパートナーと今のパートナーは別の人です。
もしかしたら、以前のパートナーとはうまくいかなかった方法も今のパートナーとだったらうまくいくことだってあります。
未来に向かうという意味では、以前のパートナーとどうだったかよりも今のパートナーとどうやっていくことがプラスかを考えることに集中した方がいいと思います。
そのためには、たくさん対話をする必要があると思います。
今はお子さんが小さいので大変な時期かもしれませんが、早いうちに対話して溝を埋めておかないと、広がってしまうことも考えられるので、放っておかない方がいいと思います。
不安は誰でもいつでもあるものです。
今回をきっかけに上手な付き合い方ができるようになれば、次の不安も怖くなくなると思うので、チャレンジしてみてください!
熊野さん、ありがとうございました!
改めておさらいすると…
ポイント
- 離婚を失敗と決めつける必要はない、あくまで人生のひとつの過程
- PDCAサイクルを参考に、次にいかす「成長の糧」と捉える
- 今のパートナーと向き合って対話からはじめる
うまくいかなかった経験というのは本当に後をひくもので、どうしても気になってしまいますよね。
でも、過去こうだったからと過去のせいにしていても前には進めないので、とにかく勇気をもって次を目指していきましょう!
著書のご紹介
また、熊野さんのアドラー式コミュニケーションの講座では、家庭はもちろん仕事でも使えるコミュニケーションのコツを学ぶことができます。
「子育てが思い通りにいかない」「仲良くしたいのに夫婦関係がギクシャクしてしまう」「職場の人間関係がうまくいかない」など、悩みを抱える方は自分で解決できるためのコミュニケーション術を学びます。
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