妻のネガティブ思考を治したい!夫婦が上手くいくための夫としての対処法

家族が暮らしていく中ではいろいろな壁がありますが、できれば一丸となって乗り越えていきたいもの。

でも、そんな時にネガティブな発言をされるとツラいですよね。

今回は、そんな家族のネガティブ思考について悩むパパにアドラー式子育ての熊野英一さんから、どのように対応したらいいか、アドバイスをもらいました。

ネガティブ思考の原因を探る

質問者
来年から長男が小学校に入るのですが、妻は入る前から「いじめられたらどうしよう?」など、ネガティブな発言を連発していて、聞いていてとてもツラいです。

こういうときはどうしたらいいでしょうか?

アドラー心理学では「その人が困難に立ち向かえる活力を与えること」を「勇気づけ」といって、コミュニケーションの中でとても大事にしています。

反対に困難に立ち向かうことができない状態にすることを「勇気くじき」として、避けた方がよいことと考えています。

お話を聞く限り「どうせこんなことが起こる」「どうせうまくいかない」という発想になってしまう妻は、典型的な“勇気がくじかれた状態”だと思います。

あくまで推測ではありますが、おそらく妻はとても頑張ったけどうまくいかなかった、報われなかったという失敗の経験をたくさんしていて、周りを信じることができなくなっているのではないでしょうか?

人はそういう経験が増えると、まずうまくいかないことをイメージするようになります。

それは、もしもうまくいかなかった時に、最初から期待して裏切られるよりもダメージが少なく傷つきにくいから。

つまりは自己防衛にもなっているわけです。

もちろん、最初からうまくいかないことを願っているわけではありません。

やはり、想像していた通り、期待していた通りに実現することが一番であることに変わりはないでしょう。

つまりネガティブな発言をして自己防衛をすることは本意ではない、ということです。

であれば、夫として家族が前向きに進むためには、妻を勇気づけて、一緒に困難に立ち向かうことができるようになることが望ましいと考えるかもしれません。

しかし、アドラー心理学の原則として、人を変えることはできないのが前提。

そして、人を変えよう操作しようという下心を持ったコミュニケーションはご法度です。

では、この状況は変わらないのでしょうか?

ネガティブな人に対しての2つの対処法

人を変えることができない、ということには変わりありませんが、もし妻自身が変わりたいと思っているのであれば、それをサポートすることはできます。

ただし、そう簡単なことではないので、それこそリニアモーターカーの開発くらい時間がかかることだと覚悟する必要はありそうです。

先ほども伝えたように、勇気を持てない背景には、おそらくうまくいかなかった経験がたくさんあったからだと考えられます。

反対に考えれば、うまくいった経験をたくさんすることで、困難に前向きに臨んでいく勇気が持てるようになることもあります。

とはいえ、成功体験を積むなんてそんな簡単にできるでしょうか?

おそらく、「成功体験」と聞くと、事業で成功したり、受験で合格したりといった、割と大きな成功をイメージする人が多いでしょう。

その機会は確かにそれほど多くないかもしれません。

でも、日常に目を向けると、意外と何気ないところに小さい成功体験のチャンスはあります。

例えば、今まで入ったことがないお店に入ってみること。

いつもの飲食店で今まで注文したことがないメニューを頼んでみること。

今まで聞いたことがないアーティストの曲を聞いてみること。

その時に「思ったよりもよかった」「意外と楽しかった」「ひどい経験にはつながらなかった」「予想とは違うけど、悪くはなかった」という感じでとても小さな成功体験を積むことはできるのです。

この方法は、子育ての中でも子どもの自己肯定感を高めたり、自分で決める練習にもなるのでおすすめの方法です。

一方、「妻がネガティブ」という捉え方を変えてみることもできると思います。

どうしても「ネガティブ」というものに対して、あまり良くないイメージを持ちがちですが、ちょっと考え方を変えてみると「リスクに気づくことができる」という見方もできます。

このように一つの事実を違う見方でとらえることを「リフレーミング」と言います。

またこう考えることもできます。全員が楽観的でポジティブなチームは、リスクに気づきにくく思わぬ失敗をするケースもあります。

そこにネガティブ、いやリスクに気づけるメンバーがいれば、そのリスクを回避しながら前に進むことができるわけです。

考えてみれば本来人類は、そうやってリスクを回避しながら発展してきたのですよね。

つまり、ポジティブとネガティブは両方いた方がバランスが良かったりするのです。

なので、ネガティブ思考な妻に対して、リスクに気づける人であり、助けてくれるありがたい存在としてとらえると、かなり状況は変わりますよね。

また、例え妻のネガティブな思考が変わらなくても、そのままで、ありのままでいいという存在肯定にもつながるので、それもまた家族にとって大事なことだと思います。

ネガティブな発言を聞くと、ちょっと心がモヤモヤすることもあると思いますが、あなた自身もいろいろな工夫をすることで、前に進むことができるはずです。


熊野さん、ありがとうございました!

改めておさらいすると…

ポイント

  • ネガティブ思考の人は勇気がくじかれて自己防衛をしていることが多い
  • ネガティブな人を変えることは難しい
  • 日常の中で小さな成功体験を積むことで勇気は回復していく
  • 「ネガティブ思考」を「リスクに気づける」と捉えてみる

あなたの周りにもネガティブな人がいると思いますが、その人に対して敵のように感じてしまうこともあると思います。

しかし熊野さんが言うように考え方を変えてうまく味方につけると実は心強いのですね。ぜひ、皆さんも試してみてください。

また、熊野さんのアドラー式コミュニケーションの講座では、家庭はもちろん仕事でも使えるコミュニケーションのコツを学ぶことができます。こちらも気になった方はぜひチェックしてみてください!

そして、今回が2022年最後の更新となります。

今年も1年ありがとうございました。

2023年の記事は1月6日から更新をスタートします。

お互い、年末年始はちょっとゆっくり休みましょう。

それでは、よいお年を!

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