共働きの夫婦にとって、子どもが保育園に入れるかどうかは死活問題。
その保育園に入るための活動「保活」は、まさにこの秋がトップシーズン。
保育園の見学から入園手続きまで、保育園に入るための道のりは大変と言われています。
そんなわけで今回は「パパしるべ」の公式LINEアカウントに登録している1400人の中から、保活経験があるパパに、保活のどんな点が大変だったかなどアンケートを実施。
その結果と共に、現役保育関係者に「保活」の最新事情を聞きました。
今回はその前編をお送りします。
保活は何からはじめる?
妊娠、出産を経て、勤め先との調整をして、産前産後はただでさえ大変なことがたくさんあります。
そんな中で待っているのが、大変という噂が絶えない「保活」。
実際にどんなことをすればいいのか?どのくらい大変なのか?
わからないこともいっぱいですよね。
今回お話を聞いたのは、さいたま市の小規模保育園「sora保育園」の施設長、吉田悟さん。
現在の施設で10年以上間勤務し、その前から幼児教育関連の仕事をしてきたため、幅広い知識を持ち、ご自身もパパ。
乳幼児を持つパパママに向けた保活セミナーも開いている吉田さんに、いろいろなことを聞きました。
とりあえず役所へGO
まずは何より保活をするにあたって最初にすることはなんでしょうか?
吉田さん:
何より先にお住いの地域の役所へ行って、保育課など保育園の入園を管轄する部署に行ってください。
インターネットなどでいろいろな情報を探すことも必要ですが、かなり地域によって事情が違うので、確実な情報、そして最新の情報を得るために、役所に行くことをオススメします。
現在多くの自治体では10月から11月くらいに申請を受け付けていますが、保育課にはいつ行っても大丈夫ですが、年度が変わるタイミングで制度が変わることもあるので、申請する年度に入ってから行くことは大切です。
確かに保活に関する情報をまとめているサイトは多くありますが、保育園の事情は地域によってかなり違うので役に立たないこともたくさんあるので注意しましょう。
保育課に行った後は、必要書類を用意して、希望を申請し、結果を待つという大きな流れは概ねどこの自治体でも変わりません。
そんな保活を体験したパパたちはどのくらい大変だったと感じているのでしょうか?
保活は大変でしたか?
- すごく大変だった:28.6%
- まあまあ大変だった:42.9%
- 思ったより大変じゃなかった:28.6%
やっぱり大変だと感じている人はたくさんいるようですが、むしろ約3割の人は「思ったより大変じゃなかった」と感じています。
まあそもそも「保活が大変なもの」という強大なイメージがあるからこそ、「思ったより」と感じているだけかもしれませんが。
待機児童の減少はどう影響しているのか?
かつては保育園に入ることができない「待機児童」が社会問題でした。
しかし、以前よりはその言葉を聞くことは減っていたように感じます。
実際に保活経験をしたパパたちの結果はどうだったのでしょうか?
保活の結果はどうでしたか?
- すんなり希望通りに入れた:42.9%
- 希望通りではなかったけど入れた:28.6%
- 現在も保活中(結果待ち含む):28.6%
今回のアンケートに回答してくれた人に限っては、多くが保育園には入れた様子。
回答者が保活をした時期にもよりますが、比較的入りやすいタイミングだったのかもしれません。
実際のところ、以前に比べて保育園には入りやすくなったのでしょうか?
これも吉田さんに聞いてみました。
地域差は依然と変わらない
吉田さん:
こども家庭庁が発足して世の中の雰囲気は少し変わったかもしれません。
待機児童が問題になって以降、自治体も努力を重ねて施設自体は確実に増えています。
実際にこども家庭庁の集計で今年9月に発表された待機児童の数は2680人で、ピークだった2017年に比べると約10分の1に減っています。
しかし入園希望者が多い地域では、今でも希望通りに入園できない人の声を聞くことも多く、かなり地域差があることは以前と変わっていないように感じます。
手放しに心配しないで大丈夫、という状況とは言うことはできません。
出生数が減っていることも話題になっていますが、その影響もあって待機児童が減っているという事実はあるようです。
ただし、それは地域によるとのこと。
もうしばらく悩みの種は続きそうです。
保育園の申請方法にも変化がはじまっている
「保活は大変!」とは聞きますが、具体的に何が大変なんでしょうか?
今回は保活経験のあるパパにズバリ聞いてみました。
保活で大変だと感じたのはどんなところですか?
1位:書類の準備
2位:保育課、自治体とのやりとり
3位:仕事、会社との調整
4位:施設の見学
この記事を読んでいる保活経験がある人にとっては、あるあるが並んだ結果だと思います。
4位に「施設の見学」が入っていますが、「保育課、自治体とのやりとり」を含め平日の昼間に動かないといけないこともあり「仕事、会社との調整」は、理解のない職場だと特に大変ですよね。
しかし、そんな中で1位になったのが「書類の準備」でした。
いろいろな書類を発行したり、記入したりしてそれをまとめて保育課に申請に行くのも同じように手間がかかるものです。
この辺りの事情はやはり変わらないのでしょうか?
吉田さんに聞いてみました。
吉田さん:
これもかなり地域差があるのですが、すでに電子申請を始めている自治体も出てきています。
必要書類を集めることはあまり変わらないかもしれませんが、手書きの記入は修正が面倒ですし、窓口に持っていくのも手間なので、そういった意味では申請する人にとっていいものになるのかなと思います。
一方で、データとして活用できるようになると、おそらく選考をする自治体側の人たちの手間も減るのではないかと想像します。
これまで数か月かかっていた選考が短期間でできるようになる可能性もあるので、電子化はおそらく今後も進んでいくと思います。
ただ、窓口に行くことで窓口の人から得られる情報もありますし、聞きたいことをまとめて聞けるなどメリットも多いと思います。
電子と対面をうまく併用していくことがこれからは必要になると感じます。
電子申請は便利ですが、確かに対面の良さもあります。
申請が便利になることはありがたいものの、その部分は残っていくといいと思います。
次回は後編!
保育園選びに深く関わる見学のことや、少子化が進む中で保育園がしている努力などこれからのことについてもお伝えします。
アンケートに答えてくれた皆さん、そして吉田さん!ご協力いただき、本当にありがとうございました!
後編もお楽しみに!
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