夏休みの宿題をやらない子ども。楽しく取り組むために親はどうする!?

夏休みに入りました!

小学生を持つ親にとっては、夏休みの宿題をいかにスムーズに進めるかが大きな課題です。

やる気のない子どもに、親としてどう関わっていけば良いか...?

アドラー心理学を基にした、アドラー式子育ての熊野英一さんにアドバイスを聞きました。

そもそも「勉強」とは?

そこから考えてみると、夏休みの宿題に関するヒントが見えてくるようです。

そもそも勉強とは何か?

質問者
この春、小1になった息子が、初めて夏休みの宿題を持って帰ってきてため息をついていました。

宿題はこれからも付き合っていくものなので、なんとか今のうちに楽しく一緒に進めていく方法を考えたいのですが、何かいい方法はないでしょうか?

夏休みの宿題について、相談を受けることがたびたびあります。

そのほとんどは「どうやってやらせたらいいでしょうか?」というもの。

今回は「楽しく一緒に進める」ということで、その姿勢は本当に素晴らしいと思います!

ぜひ協力させてください!

勝手に勉強する人はなぜ言われなくてもやるのか?

多くの大人たちは、子どものころから親や先生に「勉強しなさい!」と言われて、嫌な思いをしてきたと思います。

ただ、世の中には「勉強しろ」と言われたことがない人もいて、そういう人たちに限って高学歴だったり。

この違いはなんなのでしょうか?

きっとそういう人たちは言われなくても勝手に勉強をしているだけです。

なぜ言われなくてもやるのかと言うと、おそらく「楽しい」とか「好き」という理由だと思います。

そもそも人間は新しいことを知ったり、役立つ情報を発見したりすることを楽しいと感じるものです。

本来楽しいはずの勉強ができないのは、本人がもっと知りたい・もっとやってみたいと思う前に、「やれ!」と命令されるからではないでしょうか?

ゲームやアニメのことはよく覚えるくせに

アニメやゲームに出てくるキャラクターの名前は、大人にとっては覚えるのが本当に難しいものですよね。

でもそれが好きな子どもたちはすぐに覚えます。

なぜかと言うと「知りたい」「楽しい」という気持ちがあるからです。

一般的に「勉強」というと、いわゆる学校で学ぶ教科に紐づいたものだと考えがちですが、「ただ好きなもの知りたいものを深堀りする」と考えてみてはどうでしょう。

親としてはピンと来ないかもしれませんが、アニメを見たりゲームをすることこそ、彼らにとっての勉強なんです。

お酒が好きなパパが、いろいろなお酒の種類や名前、産地などに詳しくなったり、韓国ドラマやK-POPが好きなママが、韓国の俳優やアイドルの名前に詳しくなったりするのも、たくさん飲んだり、たくさん見て勉強しているんじゃないでしょうか?

その知りたいという対象に「宿題」を組み込んでみる工夫をすれば、もしかしたら子どもも自分から勝手に宿題に取り組んでいけるようになるかもしれません。

夏休みの宿題を子どもがしたくなるように、親がすべきこと

その1:親が勉強を好きになる

冒頭にも言った通り、勉強や宿題をやらされてきた経験がある今の親たちの中には、勉強をネガティブなものとしてとらえている人も多いと思います。

言うまでもないことですが、やっぱり子どもたちは親を見て育ちます。

親がネガティブなものとしているものを、いくら言葉巧みに「面白いよ」とすすめたところでそれは子どもたちに響きません。

まずは、親の方から学ぶ楽しさを見出していきましょう。

よく、「勉強しないといい学校に行けないから、嫌でもやらないといけない」とか「やりたいことをやるためには嫌なこともしないといけない」と勉強の意義を考えている人もいますが、それだと「勉強=嫌なこと」というネガティブさは変わっていません。

ずっと感じてきたことを変えるのは簡単なことではないと思いますが、ちょっと視点を変えて、好きなこと・楽しいことをベースにして考えてみてください。

その2:好きなこと楽しいことの中に宿題をいれてあげる

親自身が楽しそうに勉強するようになったら、子どもたちにも影響はしてくると思います。

スマホだって親たちが楽しそうに触っているから、子どもたちも触りたいわけです。

ただ、大人は自分の好きなこと楽しいことを自分で選んで学ぶことができるものの、子どもたちはそれができる状況ではありません。

そもそも宿題だって自分から「出してください」と言ったわけではありません。

「知ることで、勉強することであなたの好きなことはもっと楽しくなるんだよ!」といわれても、いきなり渡された算数や漢字のドリルが、どうそこに繋がるかを考えるのはなかなか難しいものです。

そこで、親の出番です。

例えば...

  • 算数をやって計算が早くなるとゲームの得点計算に役立つし、もっと強くなれる
  • 漢字をたくさん知ると、あのアニメの技の名前をかけるようになる
  • 理科で雲のことを知ると、いつ雨が降るか予測できるようになる
  • 社会でいろいろな国のことを知ると、オリンピック楽しい

大人だからこそ知っている楽しみ方をどんどん子どもに教えてあげれば、子どもの勉強への見方が少し変わるかもしれません。

ただ、すぐに効果があるかはわかりません。

もしかしたらその時はピンと来ていなくても、遊びに行ったときに何かのきっかけで変わることもあると思います。

大切なのはパパやママが楽しそうであること。

願わくば、パパやママも夏休みの間にこれを必ずやるという宿題を決めてやってみせるというのもいいと思います。

仕事に子育てに忙しい中で大変だとは思いますが、ぜひ、楽しみながらやってみてください!


熊野さん、ありがとうございました!

改めておさらいすると…

ポイント

  • 勉強は「好きなこと楽しいことを深掘りすること」だととらえてみる
  • 勉強はネガティブなものというイメージを払しょくする
  • 勉強の楽しさを子どもたちに伝えてあげる
  • できれば、パパやママも宿題を決めてやってみる

アニメやゲームをするのも広い意味で見れば勉強と考えると、気が付けば子どもたちは常に勉強していることになりますよね。

だったらきっと「勉強しなさい」というよりも、「これもやってみなよ」という言い方になるのではないかと思います。

わかっていてもなかなか難しいことかもしれませんが、まずは親自身の頭の中をチェンジしてみてください!

また、熊野さんのアドラー式コミュニケーションの講座では、家庭はもちろん仕事でも使えるコミュニケーションのコツを学ぶことができます。

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