誰しも何かしらのコンプレックスはあるもの。
そして、子どもが生まれるとそこが似てしまうことを心配するのは、パパやママにもよくあることだと思います。
今回は、自分の背が低いということで我が子に遺伝するのでは...と心配をしているパパからのご相談。
アドラー心理学を基にしたアドラー式子育ての熊野英一さんから、身長を気にする以前に親として意識したいこと。
子どもに伝えるべきことについて、アドバイスを聞きました。
子どもの身長が低くなると決めつけない
妻も身長は低く、息子も身長のことで苦労するのではないかと心配です。
今は3歳でそれほど際立って背が低いというわけではないですが、これからどうしていけばいいでしょうか?
自分がした苦労をわが子にできればしてほしくないと思うのは、とても自然な感情だと思います。
今はとても心配しているようですが、ちょっと先のことまで見据えて、これからどうしていったらいいか一緒に考えていきましょう。
遺伝が絶対ではありません
親子は少なからず遺伝する要素があるものです。
そのひとつが身長などの身体的特徴だとは思いますが、遺伝がすべてではないと思います。
育っていく環境など様々な要素が複雑に絡み合ってその子の状況は作られていくはず。
いろいろな研究で、両親の身長が低いと子どもの身長も低くなる確率が高いというデータがあったとしましょう。
例えばそれが9割だったとしても、1割は違います。
そう考えると、息子さんの背が高くなる可能性も、それほど高くなくても平均的な身長になる可能性もゼロではありません。
まずは夫婦がともに身長が低いからと言って、必ずわが子の身長が低くなるという決めつけはやめていいと思います。
未来のことは誰もわかりません。
不安に思うこともあるかもしれませんが、それを心配しすぎて、過剰に恐れることはないのです。
背が低いとつらい思いをする...!?
詳しい状況はわかりませんが、コンプレックスと表現されていることから、あなたは背が低いことで嫌な思いをしたことがあったと推測します。
しかし、同じくらいの身長の人が全員、低い身長をコンプレックスだと思っているというわけでもありません。
確かにスポーツなどの競技によっては、身長が高いことが武器になる場合もあります。
また、以前は「3高」なんて言葉もありましたが、身長が高い男性が異性からモテる傾向もあったかもしれません。
でも、身長が高い人が全員、スポーツでいい成績を収めているわけでもなければ、モテているわけでもありませんよね。
背が低いけどスポーツで活躍している人、異性からモテている人もいるんです。
だから、これから成長していく息子さんが、たとえ身長が低かったとしても、必ずつらい思いをして、必ずコンプレックスに感じるというのもまた、必要のない決めつけです。
今の段階ではあまり身長を意識していないかもしれませんが、最初から「背が低い=つらいこと」と決めつけてしまうのは、息子さんからしたら余計なお世話なんだと思います。
言い換えれば「コンプレックスの押し付け」とも言えそうです。
まずは、冷静になりましょう。
身長が低いパパだからこそ伝えられることがある
身長が低くても活躍できる
あなたは今まで素敵な想い出や体験をしたことは一度もないでしょうか?
おそらくそんなことはないですよね。
勉強やゲーム、料理、絵を描くこと、素晴らしい文章を書くこと、作曲をすることなど、身長と関係なく才能を発揮する機会は数えたらキリがありません。
また、スポーツなどでも身長が低い選手でも活躍する方法を見出したケースだってあります。
「適材適所」という言葉もあるように、二人として同じ人間はいないので、個性はもちろん身体的特徴だって、それが生かせる場所や生かす方法によっては輝けるはずですよね。
結局は自分次第なんだと思います。
今一度、身長が低い自分や妻の人生を振り返って、どう付き合ってきたか?考えてみてください。
身長が低いことで辛かったことばかりにフォーカスするのではなく、身長と関係なく楽しかったことやうれしかったことを思い出してみてください。
幸せに身長は関係ない
これからぜひお子さんに伝えていってほしいことがあります。
それは、「人の幸せは、身長で決められるものではない」ということです。
結婚して、かわいいお子さんが生まれたこと。仕事でうまくいったこと。
幸せを感じる瞬間はたくさんあると思います。
自分の身長を自分で決めることは絶対にできません。
でも、与えられたものでどのように幸せになるかは自分で決めることができるんです。
うまくいかないこと、思い通りにいかないことを身長のせいにするのではなく、身長なんかと関係なく楽しいことはたくさんあると伝えてほしいのです。
最初から身長が低いことをネガティブに捉えるような発言もしないことは大切です。
いつの間にかお子さんにも、身長が低いことは良くないという思い込みがついてしまうからです。
また、あなたの場合は夫婦がともに背が低いということなので、これは夫婦で共有しておいたほうがいいと思います。
息子さんに幸せに暮らしてほしいと願うのであれば、お二人がお手本となりましょう。
背が低くても楽しいこと。また一方で背が高いからといって低い人をバカにするような必要もないということ。
まずは、自分たちの思い込みや捉え方をもう一度見直して、楽しい未来を作っていってください!
熊野さん、ありがとうございました!
改めておさらいすると…
ポイント
- 親の身体的特徴が必ず子どもにそのまま表れる、という思い込みをなくす
- 「背が低い=つらい」という思い込みもなくす
- 「幸せに身長は関係ない」ということを、身をもって伝える
自分ではどうにもできないことは身長のことだけではないですよね。
どんな状況でも楽しんだり、うまく付き合っていったりする姿を見ながら育ったら、きっと様々な逆境の中でも前向きに取り組んでいける人になるような気がします。
考え方のスイッチをちょっと切り替えて子育てしていってみてください!
応援しています!
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