子どもを叱るのが苦手なパパへ|「嫌われる勇気」で変わる子育て

子育てをしている中では、大切なことをしっかりと伝えるために叱ることも必要だと言われています。

しかし、中には叱ることが苦手な人もいます。

実は、叱れない本当の理由は"叱り方"のスキル不足ではないのかもしれません。

この記事では、叱るのが苦手なパパの深層心理に潜む本当の課題を、アドラー式子育ての専門家・熊野英一さんが解説します。

「そもそも叱る必要はない」というアドラー心理学の考え方から、明日から"わが子"を相手に少しずつ試せるヒントまで。

読み終える頃には、肩の力が少し抜けているはずです。

アドラー心理学では「叱らない」とは言うけれど...

質問者

4歳と2歳の息子がいます。誰に似たのかとてもやんちゃで困っています。

というのも、私は叱るのが苦手でなかなか言うことを聞いてくれないのです。

どうしたらちゃんと叱れるようになるでしょうか?

子どもだけでなく、誰かを叱るということは、勇気がいることですし、とても難しいことだと思います。

多くの人が悩むことだと思うので、叱ることとどう付き合っていけばいいか考えていきましょう。

「そもそも叱る必要はない」というアドラーの考え方

知っている人もいると思いますが、アドラー心理学では、基本的に「叱る必要はない」と考えます。

これは、大切なことを伝えるときに、叱るという方法をとらず、子どもの気持ちに寄り添って促すような姿勢で臨むということ。

同時にほめることについてもしない方がいいというスタンスです。

要は、動物を調教するのとはわけが違うので、ほめたり叱ったり、つまり“アメとムチ”のようなスタイルは必要ないし、そのような方法で相手をコントロールするのは相手への尊敬が欠けた行動となってしまいます。

また、そうすることで本来学ぶべきことが学べず自分で考えなくなってしまう可能性があります。

これは子どもだけでなく誰が相手でも同じだと考えます。

さらに、全ての行動や言動は自分で決めている「自己決定論」で考えるので、「つい強く叱ってしまった」などの「つい」ということはなく、あくまで自分でそうしようと決めたことだと考えます。

パパが本当に苦手なのは“主張”かもしれない

とはいうものの、人間ですからやっぱりついつい叱りたくなることもありますよね。

なので、あくまで「過剰に」ということだと捉えていいでしょう。

一番よくないのは感情的になって怒鳴ったりするようなこと。

質問を見る限り、パパは“叱る”=“怒る”のように捉えているのかなと感じます。

そして、怒鳴ったりすることで言うことを聞くようになるように捉えているようにも感じます。

ただ、先ほどもお伝えしたように、それは違うと思います。

そのような方法をとらずに、諭したり、適切に促すような方法を取り入れることが必要なんです。

また、質問から想像すると、パパは自分の思ったことや感じたことを主張することが苦手なのではないかと感じました。

「やめてほしい」「こうした方がいい」など、自分の思いと違っても飲み込んでしまうケースは多くないでしょうか?

そもそも怒るとか叱る以前に、そこを考えてみてほしいと思います。

叱れないパパに必要な「嫌われる勇気」

「叱ったら嫌われる」その不安の正体は?

主張や叱ることが苦手な人の中には、もし自分が言いたいことを言ったら「相手は怒るのではないか?」「嫌われるのではないか?」「トラウマになってしまうかもしれない」など、ネガティブな妄想をしているケースが多いと思います。

そのため、自分を守るためには何も言わないことを選択し、結果的に自分が我慢しているのかもしれません。

そして、それでここまでスムーズに過ごしてきたから、そこから抜けることが難しいと想像します。

自分ばかりが我慢するとストレスがたまり、もっと大きな問題になってしまう可能性があります。

本来は、相手もOK、自分もOKという行動や言動ができると一番いいですよね。

それを目指すために、ずっと今のままでいていいのでしょうか?

そして、実際にパパが主張や叱ることで、怒ったり嫌われたりすることが起きるか?というと、そうとは限りません。

むしろ、その主張や叱ってもらったことでプラスになって感謝をされる場合もあります。

つまり、自分の言いたいことや相手の受け取り方についての「信頼」が欠けているように感じます。

自分の思ったことは大切なことであり、相手も自分が言ったことをちゃんと聞いてくれるということを信じていないからこそ、言うことができないということではないでしょうか?

人間関係において相互信頼はとても基本的な姿勢です。

まずは自分も相手も信頼することを意識してみてほしいと思います。

主張の練習相手は"わが子"から

いきなり自分や相手を信頼しろ!と言ってもなかなか変われないと思います。

なので少しずつ練習していけばいいと思います。

今、自分の周りにいる人、家族や友人などの中で一番話しやすい人から始めればOK。

そこで自分の主張を伝えて受け止めてもらう経験を積み重ねて、その相手を一人ずつゆっくり増やしていきましょう。

そういう意味で、「わが子」という存在は、すでによほど悪い関係でない限り、なかなかパパを嫌いになったり拒絶したりするようなことにはなりにくい関係だと思うので、いい練習相手なのかもしれません。

まずはわが子を相手に対して、できる範囲で少しずつ、主張したり叱ったりすることをしてみて、練習を重ねてみてはどうかと思います。

ただし、もちろん怒鳴ったりするように感情的にぶつけるのではなく、また、子どもの気持ちへの共感を忘れないようにやってみてください。

自身が苦手だと思っていることを変えるのはなかなか難しいと思いますが、それこそ、アドラー心理学の名を世に広めたベストセラーのタイトルにもなっている「嫌われる(かもしれない)勇気」を持ってやってみてください。


熊野さん、ありがとうございました!

改めておさらいすると…

ポイント

  • そもそも叱らないといけないわけではない
  • 叱ることや主張することに躊躇するのは、相手に対する信頼が足りてないかもしれない
  • 嫌われる可能性が低いわが子から、嫌われる勇気をもって練習してみよう

「嫌われたくない」という気持ちは、大人も子どもも誰もが持っている本能的なものだと思います。

だからこそ「嫌われる勇気」がベストセラーになったのでしょう。

たとえ本当に嫌われることがあったとしても、周りには人が一人しかいないわけではないと思うので、少し楽な気持ちで試してみてください!

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