卒園アルバム作りで保護者のプチトラブル!自分勝手な人への対応法

もうすぐ年度末。

卒園や卒業が近づき、保護者たちで協力してアルバム作りをしている人たちもたくさんいると思います。

そんな保護者同士で何かをするときに、時折登場して周りを困らせるワンマンタイプの人。

アドラー式子育ての熊野英一さんにどう対応したらいいか?アドバイスをもらいました。

卒園アルバム、自分勝手なママに困っている

質問者
もうすぐ娘が保育園を卒園します。

そのため保護者たちの有志でチームを作ってアルバム作りをしているのですが、一人のママが全然周りと調和を取ろうとせずにやりたいように進めていてみんな困っています。

チームにパパは僕一人ですが、どうしたらいいのかわからないのですが、何ができるでしょうか?

意見を言わないことは美徳ではない

まずはなにより、卒園おめでとうございます!

保育園の場合小さい子では1歳にも満たない頃からともに成長を見守ってきた仲間と一緒に卒園するのは、本当に感慨深いものです。

そんな門出に華を添えるのが思い出が詰まった卒園アルバム。

力を合わせて素敵なものを作りたい!とは参加するみんなが思っていることだと思います。

ただ、そんな時にちょっと主張が強すぎて周りが置き去りになりがちなタイプの人がいると、なかなかうまく進まないというのもよくあることだと思います。

一般論にはなりますが、日本人は空気を読んであまり自分の意見を言わずに流れに乗っていくタイプの人が多いと言われていて、それを美徳のように感じているケースも多々見られます。

そんな中に主張をはっきりする人がいると、心の中では言いたいことがあるのに飲み込んでしまい、あとでモヤモヤした経験はありませんか?

でも、これって「言わない」ということを選んだのは自分自身のはず、相手はシンプルに思ったことを言っただけ、むしろ、プロジェクトを進めるために主張を出し合うことが必要なケースでもあったかもしれません。

であれば、黙っているだけではプロジェクトは進まないので、意見を言わないことが決して美徳ではない状況になっているとも考えられます。

配慮はしても遠慮はしないでいい

アドラー心理学では

「配慮はしても遠慮はしないでいい」

という言葉があります。

つまり「遠慮せずに自分の思っていることを言うのは悪いことではない、ただし、言う場所、言う相手に対しての配慮は必要」という、冷静に考えると当たり前のことです。

得てしてこういうときは「主張が強い=声が大きい」人のペースに流されがちですが、他の主張があるのであれば、言った方がいいということです。

対等に意見を並べるという意味では、相手の主張を否定する必要はありません。

あくまでそれも「受け止めた」上で、こちらの主張を出す。

この時「受け入れる」のではなく「受け止める」ことがポイント。

決して同意をする必要はありません。

そして主張に優劣はありません。

「こっちの方が正しい」「こっちの方が優れている」という言い方をしてしまうと、おのずと相手も同じような主張をしてきて、マウンティング合戦になりがち。

これではそもそもプロジェクトは進まないし、関係性も悪くなっていいことはありません。

その点を踏まえて意見を言ってもいいんじゃないでしょうか?

ゴールと同時にルールを決める

意見を言うのは簡単ではない

とはいえ、なかなか意見を言うのは難しいです。

否定される怖さもあるし、相手を怒らせてしまうかもしれないし、不安は山積みです。

それを自然にできている相手は、そういう意味ではすごい人とも考えられるかもしれません。

また、周りがうじうじ主張をしないから勇気を持って突破口を開いたのかもしれません。

であれば、それは感謝すべき存在だったりします。

ただ、あくまで想像ですが、その主張をしてくる相手が、言い方に配慮もなく、ちょっとした意見にも聞く耳を持たないタイプの場合もあって、もしかしたら今回もそういう人なのかもしれません。

だったら意見を言うことは諦めなくてはいけないかというと、そうではありません。

ゴールを同じにするだけではうまくいかない

冒頭にも伝えましたが、一緒にアルバム作りをしている人たちにとって「素敵な卒園アルバムを作る」という「ゴール」は同じです。

まずはそれを共有することが、スタートの時点で出来ていたかどうかはとても大切です。

同じ「ゴール」に向かっている仲間という意識があれば、協力はしやすいものです。

ただ、それでも主張を押し通そうとする人はいます。

そんな人がいてもいなくても、「ゴール」を決めるタイミングで必要なのは「ルール」を決めることです。

リーダーを決めて最終的にその人が決定を出すのか?

それとも多数決で決めるのか?

仕事では決定プロセスを明確にすることが当たり前ですが、こういった仲間内でのことではそれをなんとなく決めずに進めてしまいがち。

それが今回のようなみんながモヤモヤするケースに繋がっているように感じます。

もう進行中のことだと、今さらルールを決めるのは難しいとも感じるかもしれません。

でも、このままモヤモヤした状況で進めて、納得のいかないアルバムが出来上がるのはさすがに誰も望んでいないでしょう。

だったら、例え進行中であっても一度仕切り直して、「ゴール」と「ルール」を決める勇気も必要です。

卒園は待ってくれないので、タイムリミットが迫ってきます。

率先して主張をすることで、チームを引っ張っていくタイプかもしれない人に共感と感謝の気持ち。

そして配慮も忘れずに、少し視野を広げて素敵な卒園アルバムを作る方向を考えてみてはどうでしょうか?


熊野さん、ありがとうございました!

改めておさらいすると…

ポイント

  • 黙ってモヤモヤしていることをやめて配慮しながらも遠慮しないで主張しましょう
  • 主張の優劣を競って主導権争いはしない
  • 「ゴール」と「ルール」を決めて、協力していきましょう

卒園アルバム作りだけでなく、PTAのイベントを決めたり、祭りの出し物を考えたり、保護者同士でチームを組むことは意外と多いものです。

そんな時にぜひ今回のアドバイスが役立てばいいなと思います。

また、熊野さんのアドラー式コミュニケーションの講座では、家庭はもちろん仕事でも使えるコミュニケーションのコツを学ぶことができます。

こちらも気になった方はぜひチェックしてみてください!

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