子供を褒めない子育てが正解?褒めすぎで起きる4つの副作用【アドラー式】

「子どもはほめて伸ばそう!」とよく言われる一方で、「褒めない子育てがいい」という話も耳にして、どっちが正しいの?と迷っているパパも多いのではないでしょうか。

実は「褒めない子育て」で知られるアドラー心理学も、ほめること自体を否定しているわけではありません。

問題なのは、下心のある"悪いほめ方"や、褒めすぎによって起きる副作用です。

今回は、アドラー式子育てを伝える熊野英一さんの著書『育自の教科書 父母が学べば、子どもは伸びる』から、アドラー心理学がほめることを推奨しない理由と、子どもを褒めすぎると起こりうる4つの副作用をピックアップ。

わが子のやる気と自立を育てるほめ方のヒントにしてください。

子供を褒めないのはなぜ?「良いほめ方」と「悪いほめ方」の違い

かつては厳しく指導することこそが、子どもを伸ばすために大切だと思われていましたが、最近は、良い所をほめて伸ばすことの方が良いとされるようになり、教育や指導の現場も変わりました。

「ほめて伸ばす」ということが決して間違っているというわけではなくて、アドラー心理学においては「ほめない、しからない」というスタンスを取ることが推奨されているわけですが、その背景や理由について解説していきます。

そもそも「ほめる」とは?

皆さんは、先輩や上司、何かを教えてくれる先生を「ほめる」ことができますか?

一方で、後輩や部下、何かを教えている生徒にほめられたらどう思うでしょうか?

きっといずれも違和感があるはずです。

「ほめる」という行為は、常に相手との間のタテの上下関係を前提に、立場が上の人が下の人を評価するという行為です。

アドラー心理学においては、例え子どもであろうと一人の人間として尊重、尊敬し、タテではなくヨコ並びの関係を推奨するので、まずはそこにひっかかります。

また、ほめることの多くは「結果」です。

しかもただの「結果」ではなく、評価する人の「期待に届いた結果」のみ。

どんな「結果」であってもほめられるわけではないことがほとんどです。

「ありのままの姿」を認めることを大切に考えるアドラー心理学では、結果が出ようが出まいが、その人の価値は変わらないと考えるので、挑戦したことやプロセスなどに目を向けて応援する姿勢をとった方が良いと考えます。

また、以前からお伝えしているように「ほめて何かをやらせよう」という下心がある場合もたくさんあります。

人から思ってもいない言葉でおだてられコントロールされるのも嫌なものです。

アドラー心理学は「絶対にほめてはいけない」と言っているのではなく、ここまでに挙げてきたような「悪いほめ方はやめましょう」と考えています。

「悪いほめ方」をされると、せっかく頑張っていても気分はげんなりしてしまい、やる気を失ってしまいがちです。

アドラー心理学ではこれを「勇気をくじく」と呼んでいて、それこそ自立に大切な、自分で何かにチャレンジするやる気をそいでしまうものだと考えます。

良いほめ方とは?

「悪いほめ方」と「良いほめ方」の一番シンプルに言うと、「下心のない、純粋な賞賛」だと思います。

例えば「よくできたね!」という言葉でほめたとして、そのあとにすぐさま「じゃあ、これもやってね」みたいな流れになると、一気に下心が見えてくると思います。

ところが、ほめた後に、特に何かを要求されることなく、ただただ純粋に本音で喜んでいる姿である場合は、それを見た子どもは「喜んでくれてうれしい」とか「次も頑張ろう」という活力につながり、「勇気くじき」とは逆の「勇気づけ」に繋がります。

要は、どんな言葉を使うか?というテクニックの話ではないのです。

とにかく下心を持って相手をコントロールすることに問題があるのです。

そういう意味では強い言葉で叱ることもまた同じ。

要は「アメ(ほめる)とムチ(叱る)」という調教するようなスタンスこそ不適切な行動だということです。

子どもを褒めすぎると起きる4つの副作用

ほめること自体が悪いわけではない

何度も言いますが、ほめることが絶対的に良くないとは言いません。

ただし、悪いほめ方をしたり、度が過ぎたりすると良くない副作用が出る恐れがあります。

今回は典型的な副作用を4つお伝えします。

副作用① ほめられないと行動しなくなる

たくさんほめられた結果、ほめられることが子どもにとって何かをする動機になってしまう恐れがあります。

例えば「ごみを拾う」という行為も、本来であれば、みんなが気持ちよく過ごすためにその場をきれいにすることなどが目的のはずですが、「ほめられるからやる」と考えるようになってしまうと、「ほめてくれる人がいないのであればやらない」という選択をするようになります。

副作用② ごほうびがエスカレートする

下心を持ってコントロールしようとあの手この手でほめてはみたものの、思うように動かない場合、「○○あげるからやって」など「ごほうび」をセットにして与えてしまうことがあります。

実際に効果が出ることも多いですが、これを続けていると、ねだるごほうびがエスカレートしてしまうという副作用が予想されます。

副作用③ 失敗を恐れて挑戦しなくなる

結果ばかりをほめられていると、子ども自身も結果に対して強く意識するようになります。

その結果、良い結果が出せそうなものはやるけど、失敗するかもしれないチャレンジには消極的になります。

やる気になってほしいと思ってほめているはずが、逆効果として表れて自信を失うことにもつながりかねません。

副作用④ 親の顔色をうかがう「指示待ち人間」になる

評価を気になるがあまり、親など評価をしてくれる人の顔色をうかがう傾向が強まる恐れがあります。

「ママ、これ食べていい?」「パパ、あそこ行っていい?」など、他愛もないことでも常に評価する人に尋ねたり、言われたことだけやるような「指示待ち人間」になってしまいかねません。

4つの副作用を挙げましたが、皆さんいかがでしょうか?

ほめすぎの副作用は子どもの自立を妨げる

ちょっと考えてみてください。

仕事の現場で、ほめないとやらないし、何かというと対価を求めてきて、大変そうなことは「無理」と断り、指示をするまで何もしない人がいたら、あなたはその人が自立していると感じるでしょうか?

きっと、ほとんどそう感じる人はいないはずです。

上司、同僚、部下にそんな人がいたら、頭を抱えるでしょう。

アドラー心理学における子育ての目的が「子どもの自立を適切にサポートすること」なので、悪いほめ方や過度なほめすぎによる副作用は、どうにか避けたいものですよね。

じゃあ、親としてはやっぱりほめない方がいいのか?

もちろん、「良いほめ方」ができれば問題ないですが、「ほめる」というよりは「認める」ことを意識することがとても大切です。

とはいえ、完璧にすることはなかなか難しいので、常に自分で「悪いほめ方になってないか?」とセルフチェックすることが重要。

また、自分に余裕がないとセルフチェックができない場合もあるので、パートナーにもチェックしてもらったり、本などを読んで学び知識をつけたりすることが効果的だと思います。

これを機に皆さんも今自分がしているほめ方について一度考えてみてください!


熊野さん、ありがとうございました!

改めておさらいすると…

ポイント

  • 「悪いほめ方」と「良いほめ方」の違いは下心があるかどうか
  • 「悪いほめ方」やほめすぎには、自立を妨げる副作用が出る恐れがある
  • 自分のほめ方については常にセルフチェックを忘れずに!

「わが子にはこうなってほしい」という思いがあればあるほど、ついついコントロールしたくなっちゃいますよね。

それはきっとみんな持っていることだと思いますが、グッとこらえることも重要!悪いほめ方&ほめすぎには注意していきましょう!

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