家族のために独立したのに失敗…その後どう立ち直る?パパに伝えたいアドラーの教え

時代とともに働き方は多様化し、家族のために独立を選ぶ人も増えています。

しかし、すべてが順調に進むとは限りません。

今回は、家族の時間を増やそうと独立したものの事業がうまくいかず、会社を閉じる決断をしたパパからの相談に、アドラー式子育ての熊野英一さんがアドバイス。

独立失敗のその後、どう立ち直り、うまくいかなかった経験をどう活かして次の一歩を踏み出せばいいのかを考えます。

独立に失敗しても、人生は終わりではない

質問者

子どもが産まれた3年前に、家族のために時間が使えるようにと思って、会社を辞めて独立しました。

でも、経営状況はなかなか良くならず、いったん会社を閉じることにしました。

無力感に押しつぶされそうですが、ここからどう立ち直っていけばいいでしょうか?

まずは、なによりお疲れ様でした。

いろいろと大変な思いをされたと思いますが、いったん深呼吸して、一緒に先のことを考えていきましょう。

人生を野球で考えてみる

まず、忘れないでほしいことがあります。

あなたは大切な家族のことを考え、勇気をもって一歩を踏み出してチャレンジをしました。

それはとても素晴らしいことです。

ただ、今回はそれがうまくいかなかった。その要因はいろいろあると思いますが、チャレンジすること自体がとても難しいことなので、踏み出せたこと自体には間違いなく価値があります。

いったん、人生を野球に例えて考えてみましょう。

野球の試合は9回あります。
その間にどちらのチームも27個のアウトがあり、原則同じ数だけアウトを積み重ねるまでにより多くの点数を取ったチームが勝ちになります。

このアウトを失敗と考えた場合。
試合終了までの間、26個は失敗してもOKなんです。点数さえ多く取れれば。

人生ですべてが思い通りにうまくいくかといえば、そうではないことはご存じだと思います。

たとえアウト=失敗をしたとしても、気持ちを切り替えて次へ進んでいけば、どこかで逆転できることだってあるんです。

ましてや野球のシーズンは日本の場合142試合。

果てしなく長い。それを人生だと捉えたら、大事な試合をいくつか落としてしまったからといって、全てが終わりではありません。

今回はあなたにとって、精神的には堪える失敗だったとは思いますが、あなたの人生、あなたの家族の未来がなくなったわけではありません。

人生は一発勝負ではないのです。

問題はここからどうするか?

その失敗をどう意味づけるか?

アドラーはこんな言葉を残しています。

アドラー心理学のポイント

事実そのものには意味はない。私たちが事実に意味を与えるのだ。

アドラー心理学では「認知論」といって、様々な出来事に対して自分がどう考えどういう認知をするかで出来事は意味を変えていくと考えます。

つまり、失敗という出来事そのものが感情をうむのではなく、自分がその出来事にどんな意味を与えたかが、心を動かしているのです。

失敗をして、傷ついたり、落ち込んだりすることは自然なことです。

それを抑え込むことをせずに心を癒す時間は必要かもしれません。

とはいえ、ここで自分を守るために、もうこれ以上傷つかないように、歩みをとめてしまっては何も変わりません。

質問では「どうやって立ち直っていけばいいでしょうか?」とあるので、次の一歩を踏み出すことをオススメしたいと思います。

独立失敗のその後を左右する「意味づけ」の力

常に未来志向に切り替える

アドラー心理学では、感情や行動には必ず「目的」があると考える「目的論」という考え方があります。

今のあなたの目的を整理してみると「落ち込んだ気持ちから立ち直ること」そして「家族で楽しく暮らしていくこと」が目的だと思います。

その目的に向かって、できる行動はなんでしょうか?

うまくいかない経験をすると、なぜ失敗したのかと過去に起きたことを振り返って原因を探しがちです。

もちろん原因を見出すことで終わってはただ落ち込むだけ。その原因から次にうまくいく方法を考える「未来志向」でいることが大切です。

また、失敗したからといって、全てが悪かったということではないはずです。

良かった点もあったはずです。そこをもう一度考えてみてください。

避けた方がいいのは、自分を責めすぎることと他人のせいにすること。

いずれも、立ち直りたいという目的には近づけない行動だと思います。

あなたはひとりじゃない

自分のよかったポイントがわからなくなったり、落ち込んだりした時には信頼できる友人に相談するのもアリだと思います。

もちろんそれは妻やパートナーでもいいです。

一人で抱え込まず、周りの人を頼ることで視野が広がり、再び前に向いて進む活力がうまれてくることも大いにあると思います。

辛い時こそ、仲間の存在はとても大切なんです。

また一方で、それはあくまで仲間がいてこそできること。

もしも、それまでのあなたが仲間のことを大切にしなかったり、おざなりに対応していたりしたら、困っているあなたに手を差し伸べてくれる仲間はいないでしょう。

これは普段からのふるまいや仲間を大切にする行動が、いかに大事か気づくチャンスだと思います。

この失敗は、仕事のことだけでなく、日常的な人間関係を築くことについてもあなた自身のバージョンアップにつながるかもしれません。

そして、もしも他の仲間が失敗した時にはあなたが助けるくらいの気持ちを持てるようになれば、きっと明るい光が見えてくる日が来るかもしれません。

立ち直るため、家族で楽しく暮らすために、あなたができることを改めて考えて、粛々と実行していってみてはどうでしょうか?


熊野さん、ありがとうございました!

改めておさらいすると…

ポイント

  • 人生は一発勝負じゃない。失敗しても終わりではない
  • 失敗の原因だけでなく、よかったことにも目を向けて活かしていく
  • 仲間を頼ってみる。そして普段から仲間を大切にする気持ちを持つ

辛い時こそ、子どもや妻の屈託のない笑顔が力になることもあると思います。

そこをモチベーションにして、ぜひ前に進んでいってください!応援しています!

著書のご紹介

熊野さんの最新著書『1日1分アドラー 悩みがゼロになる心の処方箋 72の言葉』は絶賛発売中です。

ぜひチェックしてみてください!

また、熊野さんのアドラー式コミュニケーションの講座では、家庭はもちろん仕事でも使えるコミュニケーションのコツを学ぶことができます。

「子育てが思い通りにいかない」「仲良くしたいのに夫婦関係がギクシャクしてしまう」「職場の人間関係がうまくいかない」など、悩みを抱える方は自分で解決できるためのコミュニケーション術を学びます。

こちらも気になった方はぜひチェックしてみてください!

あわせて読みたい

子供に愚痴を言ってしまう親は良くない!?子供に与える影響とは

仕事に家庭に忙しい子育て世代。 なかなかうまくいかないと、ついつい愚痴りたくなることもありますよね。 でも、親の愚痴を子供に聞かせるというのはどうなんでしょう? 子供の成長に与える影響も気になりますよ ...

続きを見る

ショックな言葉「ママがいい!」とは戦うべからず

仕事から帰ってきて、よし子どもをお風呂にでもいれよう! と準備をしたら、子どもから「ママがいい!」というショックな言葉。 パパにとって“あるある”ですよね。しかし!落ち込むことはないんです! アドラー ...

続きを見る