“育児あるある”の定番のひとつとしてよく話題に挙がる「赤ちゃん返り」。
下の子が産まれたタイミングなどで、今までできたことができなくなるなど幼い振る舞いが目立つようになる現象です。
「そのうちおさまる」とわかっていても、毎日続くとどう対応すればいいのか悩んでしまいますよね。
じつは赤ちゃん返りは、子どもからの大切なサイン。
今回はアドラー式子育ての熊野英一さんに、赤ちゃん返りへの正しい対応と、パパがやりがちなNG対応、上の子のフォロー方法を聞きました。
赤ちゃん返りのNG対応は「叱る」だけじゃない
3歳の長男は、去年下の子が産まれたあたりから典型的な赤ちゃん返りを起こして、だいぶ長く続いています。
きっとそのうちおさまるとは思っているのですが、何かいい対応方法はありますか?
3歳くらいになると、いろいろなことができるようになるので、助かることも増えてきますよね。
そんな時に赤ちゃん返りが始まると「またやらないといけないのか...」と精神的に辛いと思います。
どう対応していったらいいか考えていきましょう。
そもそも赤ちゃん返りはなぜ起こる?
言うまでもないことだとは思いますが、そもそも赤ちゃん返りはとても自然な反応で特別なものではありません。
それまでパパとママを独り占めにしてきて、愛情を全部受けてきたのに、下の子が産まれた途端に、パパもママもそっちに目が行きがちになってしまう、いわば「王座陥落」のような感覚かもしれません。
そこには「寂しさ」や「嫉妬」のような感情もあるとは思いますが、一番は「注目されなくなったこと」への危機感だと考えられます。
何かと未熟な子どもは、誰かにお世話をしてもらったり、危険から守ってもらったりすることが必要です。
だからこそ「注目されること」は本能的に重要だとわかっています。
なので、「自分は注目されていない」という危機を敏感に察知し、より注目を集める方法として、赤ちゃん返りが起きる。
「注目を求める」という行動自体は、生きていくために「適切な行動」です。
まずはそれを認めることは大切な姿勢だと思います。
「叱る」はもちろんNG、でも「スルー」もNG対応
適切な目的を持った行動だからこそ、それを否定するのはやっぱりNGです。
「お兄ちゃんなんだからもっとちゃんとして!」
「今までできたのになんでできないの??」
「甘えてるだけでしょ!」
言いたくなる気持ちはわかりますが、それは注目を求める子どもにとっては本当に辛いこと。
赤ちゃん返りする子どもに共感して、認めてあげてほしいです。
一方で、「叱ってはいけない」と考えるがあまり、子どもの要求を「スルー」してしまうというのもまたNGです。
子どもの目的は「注目を引く」ことなので、スルーされると結局はその目的を果たすことができないため、「叱られる」のと同じく子どもにとっては辛い状況となります。
ここは気を付けた方がいいところです。
いずれの場合も、目的を達成できないがゆえにエスカレートしてしまう可能性が高くなります。
場合によっては単なる赤ちゃん返りではなく、暴力的になるなど不適切な行動をとることも出てきてしまう恐れがあります。
なぜなら、「悪いことをして怒られる」というのは「注目を引く」という目的を達成できるからです。
もちろん、それはいいことではないので、そうならないように親ができることはどんなことなのでしょうか?
赤ちゃん返りが落ち着く対応のカギは「注目」
上の子へはとにかく「注目」する
子どもの目的が「注目されること」である以上、対応すべきはとにかく「注目すること」につきます。
「あなたのことをちゃんと見ているよ」というメッセージを、言葉でも行動でも伝えていくことで、「赤ちゃん返りをしなくても注目してもらえる」と子どもが感じたら、おさまっていくでしょう。
とはいえ、下の子の方ができないことが多く、パパもママも揃って下の子に関わる時間が多くなってしまうのは回避できないことです。
親の愛情というのは子どもが増えることで分散されるわけでなく、どちらに対しても同じように持つもの。
ただ、時間については限りがあるので分散せざるを得ないわけです。
であれば、量より質にこだわって、注目を伝えることが必要になりますよね。
「ちゃんと覚えてるよ」を伝えて上の子の心を満たす
上の子の心を満たす方法として、下記の2つがポイントとして挙げられます。
赤ちゃん返りの上の子への対応
- 夫婦で協力して「上の子にとって特別な時間」を作ること
- 上の子の話を覚えておくこと
「上の子にとって特別な時間」とは、例えば、お風呂に入っている時間や寝かしつけのタイミングなど、下の子がいないパパやママを独り占めできる時間です。
言ってみれば、下の子が産まれる前に戻れるような感覚でいられる時間。
それは上の子にとって、注目を感じることができるので、心が満たされることにつながるでしょう。
もう一つ「話を覚えておくこと」ですが、自分の話を覚えてくれている人に対して、当然「この人は自分に関心を持ってくれている」と好感を持ちますよね。
これはきっと大人も同じだと思います。
楽しかったこと、嫌だったこと、欲しいもの、食べたいものなど、普段話してくれたことを覚えていて、時に「これ前に食べたいって言ってたよね?」と買ってきたりすると「自分は忘れられていない」と注目を感じることができます。
これについては、それほど時間がなくてもできることなので、今すぐ実行できると思います。
ただ、もっとも大事なことはテクニックではなく「本当に注目する」という姿勢と気持ちです。
子どもは敏感だからこそ「注目しているフリ」にも気づいてしまいます。
そもそも本当に注目していないと話を覚えることもできないですよね。
今回お伝えしたやり方はあくまで一例。
まずは夫婦で上の子に対して真摯に注目して、その子にあった注目を伝える方法を模索していけば、きっと伝わると思うので、ぜひいろいろな方法を試してみてください!
熊野さん、ありがとうございました!
改めておさらいすると…
ポイント
- 「叱る」はもちろん「スルー」もNG対応
- キーワードは「注目」とにかく「注目していること」を伝える
- 特別な時間を作ったり、話を覚えておくことなどできる注目の方法を模索してみよう
誰からも見られていないと感じるのは精神的にとても辛いですよね。
だからきっと注目されることは、自分の存在意義につながるものなんだと思います。
子どもだけでなく家族がお互いに注目し合うことって本当に大事だと思うので、心がけていきましょう!
著書のご紹介
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