家庭を持つと、将来のことを考えて「もっと仕事を頑張らないと!」と思うことが多いと思います。
ただ、その職場で合わない上司と出会ってしまったら…
上司と合わないストレスは、転職を考えるほど追い詰められることもありますよね。
でもアドラー心理学では、「仕事」の人間関係は人生の課題の中でもっとも取り組みやすいと説かれています。
そこでアドラー式子育ての専門家・熊野英一さんに、合わない上司とのストレスへの向き合い方を聞きました。
上司のストレスは、人生の課題の中でいちばんラク
春から新しい上司の元で働いています。
仕事ができないとか、理不尽なことを言ってくるわけではないですが、とにかく考えが合わなくて、精神的にきついです。
家族のことを考えると辞めるのもどうかと思うし、転職もしたことがないので怖いです。どうしたらいいでしょうか?
出会いの春。素敵な出会いもあれば、そうでないこともあるものです。
そしてそれは仕事に限ったことではないと思います。
なかなか難しい人間関係の築き方について考えていきましょう。
バッチリ合う上司は出会えればラッキー
人間関係を語るときによく言われる「2:7:1の法則」は聞いたことがありますか?
これは、あなたの周りにいる人たちについて「あなたのことが好き(もしくはあなたと合う)」という人が2割。「どちらでもない」という人が7割。
そして「あなたのことが嫌い(もしくは合わない)」という人が1割ということを表しています。
もちろん厳密なものではないですが、振り返ってみると、まあだいたいそんなものかなと感じられる人は多いと思いますが、経験則的に考えて、これは上司も当てはまるのではないかと思います。
つまり、まあ1割くらいの場合で合わない上司と仕事をするということは起きると考えられます。
企業などの組織に所属する場合には、少なくとも複数の上司と関わることがあると思いますが、その回数が多くなるほど、合わない上司と出会ってしまう確率も多くなるわけです。
ただ、逆に言えば、そこまでメジャーなケースではない以上、これからずっとその関係が続くかと言うと、そんなことはない方が多いのです。
アドラーが語る「仕事・交友・恋愛」3つの課題
アドラーはこんな言葉を残しています。
アドラー心理学のポイント
「“人生の課題”とは、仕事・交友・恋愛である」
この3つは生きていくうえで、多くの人が抱える課題でいずれも人間関係から生まれ、なかなか避けて通ることができないものです。
そして、アドラーはその難しさについて、最も難しいのが「恋愛・結婚」で、次に「交友」、最後に「仕事」としています。
これは近しい人間との関係づくりは、お互いにわかってもらえるという甘えが出やすく、それでいて替えがきかない永続的なものだからこそ、難しいという分析をしています。
そう考えると、「仕事」の場合。
質問にもあったように転職という選択肢もあれば、時を経て配置が換わる可能性もあります。
少なくともあなたとその合わない上司は、一生をともにするような間柄ではないはずです。
今はストレスフルな環境かもしれませんが、まずは一度、ちょっと自分が置かれている状況を俯瞰して見てみることからはじめてみてください。
上司と合わないときこそ、人間関係のスキルを磨くチャンス
一生合わない人から逃げ回るのか?
先ほどの法則で言えば、上司だけでなく、これから出会うたくさんの人の中には1割くらい合わない人がいると考えられます。
先ほども言ったように上司であれば、簡単ではないにしろ、最悪距離をとる方法も考えられると思います。
しかしパパ友やママ友、保育園や学校の先生といった人だった場合、家族が絡んだりするので、もっと難しいことが想像できますよね。
「合わない人がいたら、強引に離れる」という選択ももちろんあるとは思いますが、ずっとそれを繰り返すわけにもなかなかいきません。
だったら、今回の上司のケースを「合わない人とうまくやっていくための練習」と捉えて、いろいろなやり方を試してみてもいいのではないでしょうか?
もし、これでいい距離感をつかむことができれば、これからの人間関係はさらに広がっていく可能性が出てきます。
一方で、うまくいかなかったとしても、それがうまくいかないという経験を積むことにつながるとも考えられます。
1割しかない合わない人との出会い、と考えたらこの経験を詰めることすら貴重だとも考えられないでしょうか。
「なぜ合わないのか」を掘り下げると見えてくるもの
質問には「合わない」と書かれていますが、例えばその解像度を上げてみることもやってみて損はないと思います。
- どこが合わないのか?なぜ合わないのか?合わないなりの妥結点はないか?
- 他にも、合わないところばかりに目が行ってしまっているが、合うところはないか?
- 冷静に人としてはどうか?
質問を見る限り「仕事ができないわけでない」「理不尽なことを言ってくるわけでもない」など、おおむね冷静に見られているところもあると思いますが、何かしらクセになってしまっている見方も見直すことができるかもしれません。
「そもそもこういう人は苦手」みたいな先入観も持ってはいませんか?
それもあくまで思い込みなので、手放してみていいかもしれません。
一方で、あなた自身はちゃんと思いを伝えられているでしょうか?
多くの人は「もっと認めてほしい」とか「もっとわかってほしい」と思っているけど、それが伝わっていないと感じることがあるものです。
それを上司にちゃんと伝えてみてはどうでしょうか?
もしかしたら、あなたが思っているよりも上司はあなたのことを見ているかもしれませんし、認めているかもしれません。
何もせずに不満がたまっていくのは本当に辛いだけなので、いろいろとトライしてみる価値はあると思います。
うまくいってもいかなくても前に進んでみてください。
熊野さん、ありがとうございました!
改めておさらいすると…
ポイント
- だいたい1割くらいの確率で合わない人に出会うものと割り切る
- 「仕事」「交友」「恋愛・結婚」という“人生の三大課題”で「仕事」の課題は一番ラク
- コミュニケーションで違いを調整する。そのために日頃の信頼と尊敬を築いておく
合わない人って本当にいますよね…そして、付き合っていくのは疲弊してしまいます。
でも、チャンスと割り切って臨めば景色は変わるかもしれません。
前向きにトライしていきましょう!
著書のご紹介
また、熊野さんのアドラー式コミュニケーションの講座では、家庭はもちろん仕事でも使えるコミュニケーションのコツを学ぶことができます。
「子育てが思い通りにいかない」「仲良くしたいのに夫婦関係がギクシャクしてしまう」「職場の人間関係がうまくいかない」など、悩みを抱える方は自分で解決できるためのコミュニケーション術を学びます。
こちらも気になった方はぜひチェックしてみてください!
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