小学校に子どもを通わせていると、この時期くらいから来年度のPTA役員の選考が始まります。
共働きで忙しいからそんな時間はない!という方は戦々恐々としているかもしれません。
しかし、二人の娘たちが通った保育園や小学校でPTA会長を経験してきた編集長。
今まで14年間もPTAに関わってきた経緯や、実際に会長や役員をやってみてどうだったのか。
PTA会長のメリットとは....!?
それらを振り返って、パパたちに悪魔のお誘い(?)をお届けします。
気が付けばPTAを14年やっています
ずっと会長というわけではありません
パパしるべ編集長のジョージです。
わが家は長女と次女が8歳差なので、小学校と関わる時間が長いのですが、おかげさまで今年次女が卒業するので、ようやくお役御免となります。
ちなみに感の良い方はお気づきかと思いますが、8歳差ということは二人とも小学校にいない期間が2年あるはず。
しかし、長女が卒業するタイミングで当時の役員たちが結託して、子どもが小学校に通っていなくてもなれる「顧問」という何をやるのかまったくわからない役職を作ってしまいなすがままに就任。
まあ、人から頼られるということは本当にありがたいことだと前向きに捉えました。
ただ、その関わった14年間。
ずっとPTA会長だったかというと、もちろんそういうわけではありません。
会長は長女の時に2年、次女で3年の合わせて5年。
ちなみに今も現役会長です。
その他は、役員をしたのが5年あるので、まったくの一般PTA会員だったのは・・・2年しかない。
(残り2年は顧問なので)今、振り返ってみて自分でもビックリしてます。
そもそもPTAとは
よく「オレはPTAとか全然興味ないから」というパパに会いますが、ほとんどのケースでそうやって言っている人もPTA会員です。
退会していない限り。
だから、僕の14年間は極端だとしても、多くの人は少なくとも6年間PTAに関わっている状況です。
最近でこそ「PTA退会」「PTA解散」という話題が見られますが、10年以上前、長女が初めて小学校に入る頃はその概念すらなかったです。
「入学=PTA入会」が当たり前で僕の周りではそれに疑問を持つ人もいませんでした。
今は全然違います。
僕が会長をしている小学校では、入学式の後に「入らない選択肢もあります」とちゃんと伝えます。
もちろん親がPTAに入らなくても、他の子たちと扱いは変わらないということも同時に伝えます。
ここ、よく勘違いされるみたいですが、そもそもPTAはその学校に通う全ての児童のために活動をするので、親がPTAに入ろうが入るまいが関係ない立て付けなんです。
不公平に思う人もいるみたいですけど、そういう仕組みの団体なんだからしょうがないと思います。
PTAのイメージが悪すぎる
「よくPTA会長なんかやってるねー」と何気なく言われることも少ないです。
「なんか」って失礼だな、とは思いますけど、それほどPTAのイメージは悪い。
嫌な思いをした人もたくさんいて、そういう人たちが多く声をあげているし、メディアもそっちの方が盛り上がるから、ネガティブな方を取り上げがち。
だいたい悪者として登場するので、ドラマなどの影響もあると感じます。
一般のママパパが頑張っている作品や、先生が頑張っている作品はありますが、PTA会長が大活躍する作品は観たことがありません。
誰かに作ってほしいですが、ニーズはあるかと言われると自信がないです。
今は「ジェンダーバイアス」という無意識下にある性別役割分担の価値観による偏った見方を表す言葉がありますが、残念ながら「PTAバイアス」という言葉は一般的じゃないどころか聞いたことがないです。
正直長女が産まれた段階を思い出すと、PTAにポジティブな印象はありませんでした。
自分の両親もほぼ関わってなかったですし、むしろ面倒くさそうにしていたなと思います。(この親の面倒発言がより印象を悪くしているとも思います)
じゃあ、なんで僕はそんなに関わってきたのか?
PTA会長やりたくないなら、やらなくてもいいけど...
単なる適材適所
正直、すごく深い理由はありません。
特に最初はそうでした。
なんかやる人がいないみたい、という感じだったので「じゃあ、僕やりますよ」的なライトな感じで副会長になりました。
そもそもイベントごとが嫌いじゃない、むしろ好きです。
文化祭も楽しかったですし。
あと、ずっとサッカー部でキャプテンだったので、リーダー的ポジションに抵抗もなかったです。
今までやってきて、言うほど大変だと思っていなかったのと、とても楽しかったからです。
この辺りは完全にその時々の仲間に恵まれてきたからだと思います。
そんな僕だからPTAでも会長が向いていたんだと思います。
会計とか書記とか役職はいろいろありますが、そういう仕事は得意じゃないんです。
しかも、放送作家としていろいろな企画を考えてきた経験も活かせるポジションでした。
こういう役割が苦手な人に向けて「会長やらないか?」とは言いません。
それぞれができそうなことをできる範囲でやろうとした時にたまたま僕は会長で、他の人たちは相応した役職や、一般PTA会員をしているだけです。
小学校の環境が最高だった
僕もネガティブなPTAの話を聞くことがたくさんありますが、そんな学校のPTAでは会長をしたいなんて思わないです。
これも運が良かったことですが、本当に環境がよかったんです。
まず、長女がいた頃の小学校は東京都内とは思えないほどの小規模で、一番少なくて全校児童が72人でした。
ある学年は3人というほど。
こうなると、大人も子どももほぼみんなの顔や事情がわかるので、コミュニケーションが取りやすかったのです。
また、僕が暮らす地域は公立でも学校が選べる選択制だったので、うちは2番目に近い小学校を選んだのですが、これもよかった。
(もちろん選んだ理由は人数が少なくて面白そうだったから)
ほんの少しだけ離れていることで、いつも周りに同じ小学校の保護者がいるわけではないので気が楽なんです。
この辺りはやってみてわかったことで、だからこそ長く続けているんだと思います。
PTA会長をやって感じたメリット
企業の社員から独立して起業した人たちがよく「社長になったら会う人が変わった」と言っていますが、たかだかPTA会長でも同じようなことがたくさんあります。
周りの学校のPTA会長や地域の町会長、首長や議員といった役職をお持ちの皆さんはもちろんなんですが、何より周りの保護者や児童たちも含め、何もしていなかったら知り合うこともなければ、話すこともない人たちとたくさん知り合いました。
しかも、僕自身が感じていることを伝えることができます。
良くも悪くも。
特に子どもたちとの出会いはすごく面白い展開をしています。
最近、卒業生たちと近所の居酒屋で会います(笑)たまに一緒に飲みます。
これが面白い!なんか自分の子どもが増えたような感覚ですね。
知り合いが増えることが面倒だと感じる人もいると思いますが、僕は知らない人たちの中に放り込まれる方がはるかに苦手なので、これもまた僕にたまたま向いていたポイントだと思います。
子どもに見せたかった姿
結局のところ、僕がたまたま向いていて、たまたま環境にも、仲間にも恵まれたからPTAに長く携わっているだけ。
「子どものためなんだし、みんなやっているんだから、もっと関わりなよ!」なんて、全然思いません。
ただ、関わらないなら、遠くからあれこれ言ってくるのはやめてほしいなと思います。
「言いたいことがあるなら自分でやれ、やらないなら何も言うな」
昔から父親に言われてきましたが、やっぱり今僕もそう思っています。
先ほども書いたように僕はもっと楽しくするために言いたいことが出てきちゃうタイプなので、ずんずん真ん中に入りました。
自分が関わっていないことであれば、よほどでなければ何も言いません。
言うとしたら直接が原則。
教育委員会に言いつけるようなことは絶対にしません。
そして、自分の子どもたちにもそうあってほしいと思っています。
もちろん言葉でも言っていますが、何より自分がその姿を見せた方が説得力を持つと思うのです。
また、PTAに関わった経験があって、大変だったり嫌な思いをしたりしたからと言って「PTA最悪!」と触れて周るのもやめてほしいです。
せめて「私にとって、あの学校の、当時のPTAは合わなかった」くらいにしてくれませんか?
感じ方は人それぞれですし、PTAも学校によって違います。
ましてや多くの場合メンバーも入れ替わるものなので毎年違うと言ってもいいくらいです。
ざっくり「PTA」でまとめられてしまうのは困ります。
これまたイメージダウンにつながるので。
というわけで、こういう記事ですべてのPTA全部が良くないというイメージの払しょくや、楽しくてやっている人が、さも奇特な人扱いをされることが少しでも減ることを願っています。
さあ、ここまで読んだ上で考えてみてください。
会長とは言いませんが、あなたもPTA活動に関わってみませんか?