社会問題にもなっている「産後うつ」。
女性に多いことは知られていますが、最近は男性の「産後うつ」にも注目が集まっています。
今回は自分が「産後うつ」かもしれないと悩んでいるパパに向けて、アドラー式子育ての熊野英一さんからアドバイス。
原因や対策について聞きました。
男性の産後うつは恥ずかしいことじゃない
今は復帰してパパとして仕事にも育児にも全力で臨んでいきたいと思っているのですが、最近どうもやる気が出なくてとてもツラいです。
もしかして産後うつかもしれないと思っているのですが、こういう時はどうしたらいいでしょうか?
今回は前提として精神科の医師ではないので医療的な回答をすることはちょっと難しいのですが、メンタル面でのアドバイスと思って聞いていただければと思います。
ちょっとでも気になったら受診を
まずオススメしたいことは、医療機関を受診することです。
こういったことは自己判断するのは決していいことではないですし、知らず知らずのうちに悪化して深刻な状態にならないことが最も肝心ではないでしょうか?
しかし、多くの人は医療機関にかかることを躊躇しがち。
これは特に男性に多くみられます。
産後うつになるなんて弱い人間なんじゃないか、みんなも我慢しているはず、産後うつになったなんてかっこ悪くて人に言えない、など自分がメンタルを崩してしまったことに対して、必要以上にネガティブにとらえてしまうケースはとても多いと思います。
むしろそのように自分を追い詰めてしまうことが原因のひとつになっている可能性もあります。
「産後うつ」は誰にでもなる可能性があるもの
産後うつに限らず精神的な病の多くは、決して特別な人がかかるものではなくて、誰もがかかる可能性があるものです。
「自分がなるはずがない」と思っている人もたくさんいると思いますが、それはあくまで思い込み。
まずは「自分もなるかもしれない」と自分の弱い部分を認めることも必要です。
ただし、精神的に追い込まれて冷静な判断ができなくなってしまうと、兆候を自覚できないこともあります。
そういう意味では、今回自分自身でもしかしたらと思えているだけでもよかったととらえていいと思います。
例えば骨折したら病院に行かないということはないですよね?
だったら心の方でも異変を感じたのであれば、医療機関に行くことは決して恥ずかしいことはないのです。
自分でできる「産後うつ」の対策やケア方法
メンタルを崩してしまう人の特徴として、頑張りすぎてしまうタイプであることや、自分のことを後回しにしてしまうタイプであることがよく挙げられます。
もしかしたら今回相談してくれたパパもそのような傾向があるのかもしれないと想像します。
自分を後回しにすることは美徳ではない
自分を後回しにして周りの人たちのために動くことは、決して悪いことではありません。
ただ、それを続けていくうちに自分自身のメンタルを崩してしまったら、結果的に周りの人たちに迷惑をかけてしまうので、やりすぎるのも考えものです。
自分のメンタルケアも周りの人のことをするのと同じように大事なことです。
自分で自分のご機嫌をとることもおろそかにしないようにしましょう。
おいしいものを食べたり、大好きな趣味をしたり、気持ちがラクになる息抜きの方法は人それぞれですが、それを一番わかっているのは自分自身のはず。
なんとか時間の使い方を工夫したり、時にはパートナーや周りの人に協力してもらったりしながらメンタルケアをしましょう。
これもまた、自分のために人に協力を仰ぐなんて良くないと思ってしまうかもしれませんが、そんなことはありません。
体調管理も重要
体調が悪い時にイライラすることがあると思いますが、実際に体調とメンタルには密接な関係があると言われています。
なので、メンタルケアだけでなく日常的に体調を崩さない工夫も重要です。
よく食べて、よく寝る。
最も基本的な体調管理です。
もちろん忙しくてそれがなかなか叶わないということもあるかもしれませんが、極端な話、仕事を休んででもやったほうがいいくらい大切なことだと思います。
よほどのことがない限り、1日くらいの仕事の遅れを取り戻すことはできるはずですし、そういう時こそ同僚など仲間を頼ってもいいのではないでしょうか?
誰にだって疲れることもあれば、気持ちがアップダウンすることだってあります。
でも、ずっと良くない状態が続くかといえば、そんなことはありません。
1日だけを切り取ってみるのではなく、もう少し長い目で見てみると、今した方がいいことに気づけると思います。
きっと、今までとても頑張ってきたと思います。
自分が精神的に疲れていることを認めて向き合い、歩みを止める勇気も必要なことだと思います。
熊野さん、ありがとうございました!
改めておさらいすると…
ポイント
- 何より異変を感じたら医療機関などに行く
- メンタルを崩すことは決してかっこ悪いことではないし、誰にでもなる可能性があると考える
- 自分を後回しにせずに自分のご機嫌をとることを心がける
- 長い目で見て、必要と感じれば休む
子どもの頃から休んじゃいけない、自分のことを優先してはいけないと言われてきた人はとても多いと思います。
だからこそ難しいことだと思いますが、まずは自分自身でその思い込みから抜け出すように工夫してみてください。
また、熊野さんのアドラー式コミュニケーションの講座では、家庭はもちろん仕事でも使えるコミュニケーションのコツを学ぶことができます。
こちらも気になった方はぜひチェックしてみてください!
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