生後2ヵ月くらいまでの赤ちゃんは、唇にプクッと白い水ぶくれのようなものができたり、皮がむけたり、腫れたりすることがあります。
これは治るものなのか?
原因や対処法はどうしたら良いのか?
インターネットツールを使ったオンライン両親教室や妊娠、出産、育児の相談を受け付けている「エミリオット助産院」の助産師、河井恵美さんに教えていただきました。
唇の水ぶくれの正体は「吸いダコ」
赤ちゃんの唇が変形したり、皮がむけているという報告はよく聞きます。
これは、一般的に「吸いダコ」と呼ばれるもので、母乳やミルクを吸う際の摩擦や、水分でふやけることなどでできるものです。
生後2ヵ月くらいまでの赤ちゃんによく見られます。
この時期の赤ちゃんは唇の皮膚がとても薄く柔らかいことが要因だと考えられます。
なので母乳やミルク以外にも、指しゃぶりでできる場合もあります。
中には、ママのお腹の中にいるときに指をしゃぶっていて、産まれた時にすでに吸いダコが出来ているケースもあります。
多くの場合は、3~4ヵ月頃になると収まってきます。
これは皮膚が強くなることや、赤ちゃん自身が飲み方のコツをつかんで、上手に飲めるようになることが考えられます。
吸いダコは心配なし、放っておいて大丈夫
吸いダコが出来てしまっても、何もせずに放っておいて大丈夫です。
特に皮がむけている時は、痛そうに見えるので取ろうとする人がいます。
しかしとった時に出血することもありますし、出来た傷から菌が入ってしまうリスクも考えられるので、極力触らない方がいいでしょう。
ちなみに取れた唇の皮を、赤ちゃんが母乳やミルクと一緒に飲んでしまっても問題はありません。
授乳する前に、母乳やミルクを赤ちゃんの唇に少しだけつけて、唇を濡らして正しく吸着させてあげると、唇への負担が少ないでしょう。
赤ちゃんは唇が乾いても、大人のように自分でなめて湿らせるようなことはできません。
特に乾燥しやすい冬場は、事前に唇を濡らしてあげるといいですね。
唇だけでなく指に吸いダコができる場合もあります。
こちらも傷になっていなければ特に心配はないので、特に1歳未満では放っておいて大丈夫です。
ちなみに、赤ちゃんが指をしゃぶるのにはいろいろな理由があるようです。
生まれながらに持っている反射や自分へのなぐさめのため、1歳未満では手と同じように口でモノを確認するという時期であるため、自分の体を知るというためにも指しゃぶりをします。
赤ちゃん自身が、自分に「手」というものがあるのに気づくのはだいたい生後2ヵ月くらいと言われていて、それまでは不随意、つまり自分の意志ではなく反射的に動いている状況だそうです。
赤ちゃんは手があることに気がつくと、なめたり、くわえたり、いろいろなことを試し始めます。
このとき、口の中の感覚と、指の感覚が一致する経験などをすることで脳の発達にも繋がっているということです。
見ているだけでもかわいくて癒される赤ちゃんの指しゃぶりですが、実は赤ちゃんにとっては大事なことなのです。