保活前に知りたい保育園選びのポイント~保活のリアルと最新事情 後編~

待機児童が減ったと言われながらも、いまだに大変だと言われる保育園に入るための「保活」。

トップシーズンである秋を迎え、「パパしるべ」では、公式LINEアカウントに登録している1400人のパパたちに実施したアンケートの結果と、現役保育関係者に聞いた最新事情をお届けしています。

今回はその後編。

いざ保活がはじまり保育園を選ぶときのポイントや、何から始めたら良いのか、コロナ禍を経た保育園の現状についてお伝えします。

▼前編の記事はこちら

待機児童が減少しても保活は大変?~保活のリアルと最新事情 前編~

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保活パパたちが重視していることは?

待機児童がピーク時に比べて10分の1に減ったとはいえ、地域によってはいまだ待機児童になってしまったり、希望通りの園に入れなかったりするケースがあるという現在の保活事情。

とはいえ、申請をする際には希望の保育園を書かなくてはいけないし、叶うならば望み通りの保育園に行きたいところです。

待機児童対策で保育園自体はとても増えていますが、そんな中でどう選んでいったらいいのか?

前回に引き続き、さいたま市の小規模保育園「sora保育園」の施設長で、乳幼児を持つパパママに向けた保活セミナーも開いている吉田悟さんにお話を聞きました。

保育園選びで重視したポイント

今回は吉田さんが普段、保活セミナーで挙げている6つのポイントについて、特にどれを重視したか?

保活経験のあるパパたちに聞きました。

その結果がコチラです。

1位:雰囲気

2位:利便性

3位:保育方針

4位:料金

5位:設備

5位:安全面

いかがでしょうか?割と共感できる人が多い結果になったように感じます。

吉田さんが実施するセミナーでは、参加した人たちに6つのポイントを順位づけしてもらっているそうですが、どんな傾向があるのでしょうか?

吉田さん:

どれもすべて大事なことですが、保育園は早い年齢から入れると長く通うことになりますから、通勤や通学に関わる利便性を重視する人が圧倒的に多いです。

ただ利便性を重視して駅から近い園を選ぶと、園庭がない場合もあるなど、設備面とのバランスも慎重に考えた方がいいと思います。

また、料金は基本的に収入によって変わるのであくまで目安かもしれませんが、実際に利用するにあたって必要となる行事や用意するものの費用なども含めて考えた方がいいです。

確かに、忙しい共働き夫婦としては利便性が重視されるのが多くなるのも納得ですよね。

ただ、そんな中でも今回の結果では「雰囲気」がトップになりました。

そして、その園の雰囲気を知るために欠かせないのが、施設を見学することです。

今回のアンケートでも保活中に保育園を見学したパパがほとんどで、「幅広く6園以上行った」という人が3割を超えていました。

保育園の雰囲気は「子どもの表情」に出る

では、保育園に行ったときには何をチェックすればよいでしょうか?

これも吉田さんに聞きました。

吉田さん:

やっぱり一番のチェックポイントは『子どもたちの表情』です。

ここはもうウソがつけません。全部が出るところです。

いくら先生や園のスタッフが保護者に対して、感じよく、丁寧に接していても、その場しのぎの可能性はあります。

ただ、子どもたちは本当に正直。

イキイキしている笑顔や積極的に遊んでいるときの表情は、一朝一夕でできるものではありません。

もちろん、見学に行ったときの保育園のスタッフの対応や、子どもたちに対して丁寧に接しているか?

という部分もチェックした方がいいポイントではありますが、実際に今回のアンケートのコメントにもこんなものがありました。

  • どの園も子ども達は楽しそうに活動していた。

これは素晴らしい!でも、余計に悩んでしまいそうです。

一方ではこんな声もありました。

  • 園内に汚いところもあったので、行って良かったです。

吉田さんによるとこれもチェックポイントのひとつ。

スクールバスのことや園庭のことなど、施設面についてもHPなどと相違はないか?これも重要だそうです。

確かにHPではキレイな写真ばかりですが、実際に行くと「あれ?」というケースもありそうですよね。

また見学についてはこんな声もありました。

  • 6月から7月にかけて行ったのですが、0歳の子どもを抱っこしながらの見学はすごく暑かった。子どもも暑くてかわいそうだった。
  • うちはたまたま妻の職場内の保育園ですんなり決まったが、周りの話を聞いていると、本当は夫婦で見学したいのに、仕事で休みをもらえない、保活で休むと上司に言いづらいという声が多い。
  • 園の特に高齢の先生から「お母さんはよろしいでしょうか?」と父親不在かのように対応されることも多く、子育てを支援する側の意識もまだまだ偏りがあるのだなと感じた。
  • 見学して「良いな」と思ったところは人気があり、やはり入れませんでした。

生まれて間もない子どもを連れての見学は確かに大変ですよね。

これはもういかんともしがたいところです。

また、基本的に見学は平日日中となるので仕事との兼ね合いも難しいところ。

職場に言い出しやすい空気が増えることを願います。

そして、父親不在かのような対応というのは悔しいですよね。

少しずつでも変わっていくように、一人でも多くの男性が参加するしかなさそうです。

保育園も選ばれるように努力している

保育園が置かれた現状

アンケートでは、保育園に見学に行った感想としてこんな声がありました。

  • おむつのサブスクや連絡帳のIT化などが進んでいて驚きました、プログラミングを教えている園もあり、時代だなと思いました。

待機児童解消のために増えた保育園に対して、質を問う声は多く聞かれます。

そんな中ではこの方が見学に行った保育園のように、利用者に魅力を感じてもらえるようにいろいろな取り組みを行っている施設もあります。

厚生労働省の調べでは保育需要のピークは令和7年と言われていて、そこからはゆるやかに需要が減っていく予測となっています。

保育園や幼稚園は子どもがいないと経営が成り立たないため、今後に向けていろいろと考えていかないといけない状況です。

吉田さん:

保育園では月案、週案、日案などがあり、子どもひとり一人保育の目標やねらいがあります。

一般的にその目標や保育のねらいは保育園内のみで共有され、保護者とは共有されないことが多いです。 うちの園では最近、保育の目標やねらいを一人ひとり保護者と共有することを始めました。

保護者と共有することで会話も生まれますし、子どもの成長について質の高いコミュニケーションが保護者と取れます。

どれだけ子どものことを考えて、向き合って保育をしているか?

これからはそういった「保育の質」の部分が問われる時代です。選ばれる保育園になれるように全力で取り組んでいます。

保育園の施設長でもある吉田さんも、もちろんそんな保育園の現状を目の当たりにしていることもあって、様々な努力を重ねています。

大切なわが子を預けるのですから、やっぱり前向きに取り組んでいる施設と出会うためにも、保活はおろそかにできないことですよね。

かつては「パートナーにまかせる」というパパもいましたが、主体性を持って力を合わせて臨んでみることをオススメします。


アンケートに答えてくれた皆さん、そして吉田さん!ご協力いただき、本当にありがとうございました!

取材協力

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