子供のケンカで保護者トラブル!アドラー式で考える解決法とは?

子育てをしている中では、保護者同士が関わることも増えます。

時には、そんな保護者同士でトラブルになってしまうことも。

そんな時、どう解決したらいいのでしょうか?

2つのケースについての対応の仕方を、アドラー式子育ての熊野英一さんに教えていただきました! 

子ども同士がケンカ!そんな時は課題を分離

新型コロナウイルスによる緊急事態宣言が明け、子どもたちも、新しい生活様式の中で幼稚園・保育園ライフを謳歌していることでしょう。

子ども達のコミュニケーションが再び活発になるにつれ、保護者同士のコミュニケーションもまた、活発になって行きますね。

今回は、そんな保護者同士の「いざこざ」が起こりそうな場面での予防法を考えてみたいと思います。

【ケース1】
子ども同士のケンカ、腕や手を噛んでしまった、噛まれてしまった、思わずケガをさせてしまった、ケガをした、など、子ども同士の関わりが原因で親同士の関係性に影響が出る場合

【対処法】
アドラー心理学では「課題の分離」を大切にしています。

子ども同士のケンカや、故意か過失かに関わらずケガが発生するような事態は、全て、第一義的には「子ども(同士)の課題」ですから、子ども同士で解決を試みることを第一に考えます。

冷静に考えれば、兄弟や友達同士でケンカしたりするのは当たり前のことで、ちょっと時間がたてばすぐにケラケラを笑いながら仲良くしていたりするケースがほとんどだとわかるでしょう。

ちょっと引っ掻き傷がついてしまったり、冷やす必要があったり、バンドエイドを貼るようなことになるかもしれません。

それでも、そうしたケガや傷は、すぐに治癒する範囲のものです。

この程度のことで、いちいち親が出てきて、親同士で謝ったり許したり、なんて事は必要ありません。

  • お互いに同じ園に通うもの同士、ケンカや多少のケガは、子どもの成長過程で必要なプロセス。
  • お互い様の精神で、ことを荒立てない。

ということを、園の先生も保護者も、皆、納得して子どもの成長を見守れるのがベストと考えます。

とは言え、この程度のことであっても、自分の子が、故意にせよ過失にせよ、また、その経緯がどうであったかに関わらず、最終的にケガ、キズを負わせた側であることが明らかな場合はどうでしょうか?

対処の方法に唯一絶対の正解はないと思いますが、私なら、親として、相手の親にサラッとお詫びの言葉をかけると思います。

ただし、くれぐれも深刻になりすぎず、ましてや、子どもを巻き込んで、相手の親の前で謝らせるようなことはしません。

なぜなら、我が子が相手の子どもにケガをさせたことに対して、お詫びをしたいのは、父親である私の課題ですから、そこに子どもを登場させる必要はないからです。

(ケンカやケガは)お互い様、の子ども同士のこと(課題)ではあるけれど、傷つけてしまったようで、ごめんなさいね。

くらいのお詫びで充分、と考えるのが私の立場です。

この原則的な立場を踏まえておけば、もし、ケガやキズが大きな場合には、親の課題としての謝罪のレベルを1段、2段とあげることを検討すれば良いだけです。

このような軸を持って対処できれば、「いざこざ」が発生する確率はかなり下がると思います。

保護者同士で意見がぶつかったらゴールを共有

【ケース2】
保育園や幼稚園の行事や活動に保護者が関わる場合に、意見の相違があり、なかなか話がまとまらなかったり、グループができてしまい対決モードになってしまったりするような場合

家庭内や職場での意見の対立も同じような考え方で対処ができると思います。

意見が相違するときに大切なのは次のどちらの道を選択したいか?という問いです。

  • A:他者と対立し、競争するのか?
  • B:他者と対話し、協調するのか?

子ども達にどんな姿を手本として見せたいですか?

そう考えれば、自ずとどちらを選択すべきか、迷わずに決められると思います。

その上で、意見が相違する相手方との間で、「最終的に目指しているゴールは一緒だよね」という合意点を探ってください。

この時、自分の中にある「○○のために」の対象をなるべく広げてみて欲しいのです。

例えば、「自分の子どものために」ではなく「相手の子どものためにも」→「クラス全体のためにも」→「園全体のためにも」→「コミュニティの子ども達のためにも」→「将来の子ども達のためにも」という感じです。

こうして、対象をどんどん広げてもなおかつ、自分の意見はしっくりとくるか?と確認してみてください。

そして、

「あなたも私と同様に、目指しているゴールは一緒、という事ですよね?あとは、そのゴールに至るコース選択をどうするか?という事ですよね?」

と、対話のベースを整理してみてください。

もし、どちらの意見もゴールへの到達ができそうだとお互いに合意できるなら、私は、自分の意見を引き下げて、相手に譲っても良い場合があると思います。

相手に花を持たせるのです。

もちろん、どうしても自分の意見にこだわりがあるのであれば、充分に相手に敬意を評した上で、説得を試みれば良いと思います。

誠意あるあなたの対応により、無用な「いざこざ」が発生する可能性はかなり抑えられるでしょう。


熊野さん、ありがとうございました!

ポイント

子どもがケンカしてしまったときは・・・

  • 子どものケンカは「子どもの課題」謝るのは「親の課題」2つをしっかり分離する
  • お互い様の精神を持つ

保護者同士で意見が合わない時は・・・

  • 「○○のために」を広げてゴールを共有
  • 時には相手に譲ることも必要

参考になりましたでしょうか?

熊野さんのアドラー式子育ての講座では、親子、夫婦だけでなく、様々なシチュエーションで役立つコミュニケーションのコツを学ぶことができます。

気になった方はぜひチェックしてみてください!

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