年末、妻の実家に帰省するのは気が重い…どうしたらいい?

暦に恵まれた今年の年末は『奇跡の9連休』とも言われ、遠出する人も多いようです。

中には、妻の実家に子どもを連れて帰省する方も多いでしょう。

今回は、年末の恒例行事になっている妻の実家への帰省を控えて、居心地の悪さからイマイチ気が進まないパパからのご相談です。

帰省する上で、どんな心構えで臨んだらいいのでしょうか?

アドラー式子育ての熊野英一さんから具体的なアドバイスをいただきましたので、ご紹介します。

違和感があっても妻の実家を変えることはできない

質問者
毎年、年末年始には子どもたちを連れて普段はなかなか行けない、妻の実家に行くことが恒例になっています。

しかし、食事のことをはじめ自分が育った家とは風習が違っている間ずっとモヤモヤしてしまい、居心地が悪いのです。

これはどうしたらいいでしょうか?

おじいちゃんおばあちゃんからしたら、たまにしか会えない娘や孫たちに会うのは楽しみなもの。

とはいえ、あなた自身が辛いのであれば、何かしら変えてみた方がよさそうですよね。

どんなことができるのか?一緒に考えていきましょう。

違和感があるのはあなただけじゃない

結婚して、いや付き合っている時からでも、自分とパートナーとの間に様々なギャップがあることは感じていると思います。

言うまでもないことですが、家庭ごとにルールや風習、考え方などが違うのは決して珍しいことではありません。

まったく同じというケースなんてほぼないと思います。

もしかしたら、あなたに違和感があるように、妻もまたあなたの実家に違和感がある可能性は大いにあります。

もちろんその程度はわかりませんが、少なくともあなた自身が強い違和感があるのであれば、妻もまた同じように感じている可能性は高いように思います。

そのうえで妻はどのように対応しているのでしょうか?

あなたに対して何も言っていなくて、積極的にあなたの実家と関わっているようであれば、おそらく妻の中でその違いを受け容れてアジャストしていると考える方が自然じゃないでしょうか。

違和感を持つことは決して悪いことではありません。

だからといって結婚した以上、完全に拒否できることではないのだから、あなた自身もできる範囲でアジャストすることも検討してみてはどうでしょうか?

違和感の正体とは?

大切なのは、あくまで「違う」だけということ。

そして「違う」ということに優劣や正誤はありません。

あなたの違和感は、もしかしたら、自分の実家やあなたのやり方と違うことを「間違っている」「おかしい」と感じていることが根底にあるように感じます。

思い当たる節はないでしょうか?

先ほども伝えたように、家庭ごとにいろいろな違いはありますが、それぞれその方法でやってきて、問題なく進んできたわけです。

決して間違っているわけではないのです。

また、そのあなたとは違うやり方は、妻の実家が長年培ってきたものであり、妻の家族にとってはそれが心地よく、疑問にも思っていません。

そう考えると、妻の実家側を変えることはまず無理だと思います。

変わらないことを前提として、あなたができることは本当にないでしょうか?

妻の実家は「留学先のホストファミリー」

妻の実家のやり方に同意しなくてもいい

アドラー心理学のポイント

「共感」と「同意」は分けて考える

「共感」とは、「相手の目で見て、相手の耳で聞いて、相手の心で感じること」。

つまり自分の価値観はいったん置いておいて相手に憑依するような感じで、思いに寄り添うというもの。

「同意」とは、相手の思いや価値観に対して賛同すること。

「共感」と「同意」はよく混同されがちですが、アドラー心理学ではこの二つを切り分けて考えることを大切にしています。

要は

あなたがそう考えるのはわかる、でも自分はそのようにはしない

ということです。

共感したら必ずそれに従わなければいけないかというとそうではないわけです。

なので、あなたは妻の実家のやり方について「同意」をする必要はありません。

ただの「自分とは違うやり方」としてとらえてみればいいように感じます。

異文化交流を楽しんでみましょう

例えば、海外旅行や留学をした時に、旅行先やホストファミリーのやり方や風習が違ったら、どうでしょうか?

そもそも違って当たり前、そこに自分がお邪魔する立場だと考えれば、おそらくそれを即座に変えようとはしないと思います。

ちょっと極端な言い方ですが、妻の実家に行くことを「海外のホストファミリーのところに留学する」くらいの感覚でとらえてみてはどうでしょうか?

質問の中に「なかなか行けない妻の実家」とあったので、おそらく年に数日程度のことであれば、違いだけに注目して過敏に反応するより、割り切って「演じる」という選択もアリだと思います。

今後、未来永劫その家で違和感のなかで暮らしていくわけではないわけですから。

また、違和感はあるかもしれませんが、自分とは違うやり方や考え方を知ることは、視野を広げるうえではプラスだと思います。

妻はどう言っているか?

もうひとつ気になるのは、あなたのその状況に対して、

妻がどのように思っているのか?

そもそも妻にその思いを話すことが出来ているのか?

という点です。

決して、「おかしい」「間違っている」という視点ではなく、あくまで自分にとっては違和感があることをフラットに伝えて、妻とすり合わせをしていくこともまた重要だと思います。

本当に、あなたにとって精神衛生上良くない状況であれば、無理をする必要はありません。

妻の実家には一切行かないということも選択肢のひとつです。

でも、なんとかしたいという気持ちがあるのであれば、まずは自分の視点をちょっとだけ変える努力をしてみることをオススメします。

いずれにしてもせっかくの長期休みなので、出来るだけ楽しい時間にできるように祈っています!


熊野さん、ありがとうございました!

改めておさらいすると…

ポイント

  • 家庭ごとに違うことはたくさんあるが、その違いに優劣や正誤はない
  • 違うやり方に共感はしても同意はしなくていい
  • 異文化交流くらいのつもりで考えてみるといい
  • まずは妻と思いを共有してすり合わせみては

互いの実家といい関係を築くことは、子どものことを考えてもできれば大切にしたいことですよね。

ぜひ気持ちを前向きに切り替えて臨んでみてください!応援しています!

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