夫婦の話し合いで、自分の要求を伝えることはなかなかハードルが高いものです。
今回は、40歳を過ぎてやりたいことが見つかったパパからのご相談。
共働きで忙しい中、限られた時間を自分のやりたいことに割くのも気が引けるもの...
妻をどう説得したら聞いてもらえるかと悩むパパに、アドラー心理学を基にしたアドラー式子育ての熊野英一さんからアドバイスを頂きました!
妻への伝え方よりも大切なこととは?
言い訳を探すのはやめましょう
40歳を過ぎた身でやってみたいことができて、資格を取得したいと考えています。
ただでさえ仕事と家事で忙しい上に、仕事とは関係のないものなので、妻になんて言えば説得できるか悩んでいます。
何かいい方法はないでしょうか?
世の中にはやりたいことが見つからないという人もいます。
というよりも、本当に心からやりたいことを見つけるのは簡単なことではありません。
まずは見つかったことを喜びましょう。
その上で実現する方法を考えていきましょう。
諦める理由はたくさんある
質問にあることから推測するかぎり、共働きで子どもを育てているとなると、本当にお忙しいことでしょう。
そういう中でやりたいことに時間を割くのは大変です。
時間がないという理由で諦めるという選択肢もあるでしょう。
また、「40歳を過ぎた身で」とありますが、年齢的を理由に諦めるという人もいます。
そし今回の本題、妻の理解を得ることができなくて諦める人もいます。
しかも、その背景に仕事と関係ないから、と考える人もいるでしょう。
質問を見ると、あなたはやりたいことを諦める理由をいくつも考えてしまっているようにも感じられます。
やりたいと思うのであれば、「自分がやりたいから」というだけでいいじゃないでしょうか?
時間が限られていても、年齢を重ねていても、仕事と関係なくても、やりたいならいいと思います。
やらない理由は探せばいくらでも見つかります。
そこは、自分の気持ちをもっと大事にしてもいいでしょう。
何か外的要因で諦めたことほど、のちのち後悔するのは目に見えていますよね。
とはいえ、妻については反対されたままではいけません。
ここが一番難しいところかもしれませんが、ちゃんと向き合っていく必要がありますよね。
そもそも妻を「説得」しようとしない
妻は敵ではない
どうしたら妻を説得できるか?そうお考えのようですが、そもそも説得しようという考えから変えてみた方が良いと思います。
まず、説得しなければいけないと思っている前提には「反対に違いない」というものがありますよね。
確かに、仕事をしながら家事や子育てを二人でしている状況を考えると、あなたが勉強することになると人手が減ります。
妻にしてみれば負担が増えるのは目に見えているわけですから、手放しで応援してくれるとは考えにくいかもしれません。
でも、絶対に反対するとは限りません。
パートナーがやりたいことを見つけたとなったときに、うれしいと感じて、例え自分の負担が増えても応援してくれる可能性がゼロと考えるのは、ちょっと寂しいじゃないですか。
賛成してくれる可能性があるのに、反対されることを前提にいろいろな理由を並べて説得される方の気持ちはどうでしょうか?
それに例え反対されたとしてもそれを説得、いやむしろ論破しようとしてくるとなれば、なんとか説得、論破されまいと抵抗することも考えられます。
最初から、相手を敵だと思ってファイティングポーズを取るようなことは、いい結果を生むとは思えません。
可能な限り素直に
アドラー心理学では「共同体感覚」といって、学校や職場、家族などの中で、「自分はその一員であるという感覚を持っている状態」が大切だと考えます。
あなたはもちろん妻も共同体感覚を発揮することができれば、一緒にパートナーの夢を応援する、そのために協力することは可能です。
つまり、大変になるかもしれないけど、妻に協力を依頼するというスタンスで臨むことが大切。
一方的に「自分はこれがやりたい」ということを押し付けてしまわないようにしましょう。
もちろん、実は妻もまたやりたいことある、という状況も考えられます。
そうしたら話し合って、先にどちらのやりたいことを進めるかを決めるということもアリでしょう。
ただ、その全てのはじまりはあなたのやりたいという思いを伝えることから始まります。
その際、カッコつけたり、必要以上にへりくだったりする必要はありません。
自分のやりたいことへの情熱やワクワクしている思いを、できるだけ素直に伝えることをオススメします。
必ず妻はわかってくれる、とは言えませんが、少なくとも心から思いを伝えた上であればどのような結果になっても後悔することはないでしょう。
最後にもう一度お伝えします。
やりたいことが見つかったということは本当に素晴らしいことです。
また、それを妻が応援してくれる可能性はあります。
この二つを忘れずに、思いを伝えてみてください。
健闘を祈ります!
熊野さん、ありがとうございました!
改めておさらいすると…
ポイント
- 諦める理由を探さずに自分のやりたいという思いを受け容れる
- 最初から反対される前提で説得、論破しようと考えない
- 自分の思いを素直にありのまま伝える
やってみたい!とはいえ、やったことがないものに踏み出すのは本当に勇気が必要ですよね。
ぶっちゃけ失敗することも怖いです。
それでも動き出そうとしている姿を見習いたいと思います。
頑張ってください!
あわせて読みたい
-
-
子育て方針が合わない夫婦。対立ではなく歩み寄るために必要なこと
夫婦とはいえ、価値観の違いで子育て方針に食い違いが生じることはよくあります。 そんな時、対立するのではなく、どうやって意見をすり合わせていったらいいのでしょうか? 今回は、コミュニケーションの専門家で ...
-
-
アドラー心理学に学ぶ!夫婦の会話を改善する5つのポイント
“夫婦はたくさん会話をした方がいい”という話はよく聞きますが、うまく話ができない状態では意味がありませんよね。 そこで今回はアドラー心理学を基にした子育てメソッドを広めているアドラー式子育ての熊野英一 ...