共働きなのに楽しそうな妻は楽してるのかも...夫のモヤモヤの正体とは

共働きだと夫婦ともに仕事と家庭で忙しくて大変なはず。

なのに、夫から見ていつも楽しそうにしている妻は、果たして楽しているのか??

今回はそんな得も言われぬ妻へのモヤモヤに悩む夫に、アドラー心理学を基にしたアドラー式子育ての熊野英一さんからアドバイスをお伝えします。

夫の感じるモヤモヤの正体とは?

同じことをしても感じ方や向き合い方は夫婦でも違う

質問者
4歳と2歳の姉妹を夫婦共働きで育てています。

二人ともフルタイムで毎日やることに追われているのですが、妻はいつも楽しそうにしていて、なぜそんな風にしていられるのかなんとなく理解できず、なんだか楽しているように見えてモヤモヤしています。

この気持ちとどう向き合っていったらいいでしょうか?

「妻がいつも楽しそう」と聞くと、私からはとても素晴らしいことのように感じます。

とはいえ、一番近くにいる夫のあなたがモヤモヤしているのであれば、いいことではないですよね。

どうしていったらいいのか、一緒に考えていきましょう。

“疲れた自慢”の中で育ってきた

今、子育てをしている30代・40代くらいの人たちは、それこそ24時間戦ってきた企業戦士たちを目の当たりにしてきた世代でしょう。

そして、小さい頃から聞いてきたのは大人たちの“疲れた自慢”。

より疲れている人が頑張っていて素晴らしい、そんな価値観が知らず知らずのうちに根付いているのかもしれません。

ただ、大人になった今、それは本当でしょうか?

むしろ今は、疲れて愚痴を吐きながら働く人よりも、自分を大切にしながら働き成果をあげる人のスマートなスタイルの方が、マネージメントがしっかりできていて素晴らしいと考えられることの方が多いと思います。

ワークライフバランスともいいますが、仕事とプライベートはもちろん、身体的、精神的な健康もしっかりバランスをとっていくことこそが長く楽しく生きるために必要ですよね。

当たり前のことではありますが、まずはそこをもう一度意識してみてください。

あなたが妻にわかってほしいことは?

質問を見る限り、あなたは大変だと感じながらも日々頑張っていて、やるべきことをきちんとしていると自負しているんだと思います。

そして、同じようなことをしているはずの妻もまた自分と同じく大変だと感じてほしいし、同じ思いをしながら頑張りたいと思っているように感じます。

つまり、自分が大変で苦しいのだから、妻も大変で苦しいと感じて欲しいのではないでしょうか?

そうしないと、妻に自分の大変さや苦しさがわかってもらえないと感じているのではないでしょうか?

そもそもあなたと妻は同じ人間ではありません。

同じことをしたって苦しいと感じる人もいれば、それを楽しめる人だっています。

まずはその違いを認めましょう。

また、同じように感じていなくても、あなたの大変さに気付いてくれていることだってあると思います。

ただ、現状はそれを伝え合っていないでしょう。

まずは、「お互い大変だけど頑張っているよね、お疲れ様」と労い合うことからはじめてみてほしいと思います。

妻があなたのことをどう感じているかもわかるはずです。

どっちが大変競争をして、主導権争いをしたところでいいことはありません。

極端な言い方かもしれませんが「お兄ちゃんずるい!」みたいなちょっと子どもっぽい言い分のようにも見えかねませんよね。

「余裕がある=楽している」ように見える妻に学ぼう!

夫のモヤモヤの正体は羨ましさ

あくまで想像の範疇にはなりますが、同じように仕事をしながら二人の子どもを育てているの中で、妻の方が余裕があるのであれば、「楽している」ように見えるかもしれませんが、あなたよりちょっと「要領がいい」とも受け取れます。

もちろん職場の環境などの違いはあると思いますが、おそらく妻は妻で、余裕を持つための努力や工夫をしていると思います。

どんなことも手間をかけたり、大変な思いをしたりしないといけないわけではないですよね。

効率的に進めることができても、結果が伴っていれば問題はないはずです。

ただ、自分は妻のように余裕を作ることができていない。

楽しそうにしている妻が羨ましいと思っているところはないでしょうか?

そう考えると、あなたのモヤモヤの正体は、「嫉妬」の類のもののように感じます。

そして、あなたもきっと要領よく楽しく家事や育児と向き合っていきたいと思っているのではないでしょうか?

できないことを認めて妻に教えてもらう

「なんでそんなに楽しそうなのか?」疑問に思うのであれば、まずは妻に聞いてみたらどうでしょうか?

要領よくできないことは負けではありません。

人に教えてもらうことはプライドが許さないと思っている可能性もありますが、プライドを保ってずっと苦しい思いをするか?

プライドなんて捨てて、自分にはうまくできないと認めた上で、妻がどのように余裕を作っているのか?

教えてもらえばいいじゃないですか。

「大変なことをうまくこなせていていいね」と妻のすごさを伝え、「見本にしたいから教えてくれない?」と伝えてみてほしいです。

先ほども言ったように妻とあなたは違う人間ですから、妻の方法とまったく同じことが効果的じゃない場合もあると思います。

でも、ひとつの方法を知ることで、じゃあ自分だったらどうするか?

考えるヒントにはなるはずです。

学ぶ姿勢は子どもにも伝えたいはず

苦手なこと、できないことがあったときに「無理!」と言い放って不機嫌になる。

わが子にそういう人になってほしいと思いますか?

きっと子どもがそんな姿勢を見せた時には、「そんなこと言っちゃダメだよ!」とか「そう言わないで何か方法を探そう」と言うでしょう。

であれば、まずは自分がその姿勢を見せましょう。

何せ近くにいい見本があるわけです。

教えてもらって前向きに取り組んでいく姿を見れば、子どもたちにもいい影響があるように感じませんか?

反対に、夫婦で疲れた自慢合戦をしていたら、そのうち子どもからも大変、疲れたアピールをされるようになってしまいそうな気がします。

妻にモヤモヤしても妻を変えることはできません。

まずは自分の捉え方と行動を変えてみたらどうでしょうか?


熊野さん、ありがとうございました!

改めておさらいすると…

ポイント

  • 疲れた自慢、大変競争はやめてみる
  • 「楽している」を「要領がいい」と捉えてみる
  • 自分が苦手な要領の良さがある妻に教えてもらう
  • 苦手なことに前向きに取り組む姿勢は子どもにもいい影響があるはず

「大変な人の方が頑張っている」と同じように、「教える人が上で教えてもらう人が下」という価値観もまた親世代には残っているかもしれません。

結局、知らず知らずのうちに残っている呪いのような古い価値観からの脱却は、いろいろなことに対応するために大切なことですよね。

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