子どもの言い訳が多いのには理由がある!?親の対応次第で改善は可能

子どもの頃に親から言われた「言い訳するな!」。

親になった今、子どもに言うことありませんか?

親としては言い訳はやめて、失敗は素直に認めて改善して欲しいと思いますが、どう対応したら子どもたちが取り組んでくれるのでしょうか?

アドラー式子育ての熊野英一さんに、アドラー心理学の視点から子どもか言い訳をする心理と、親の対応の仕方についてアドバイスを聞きました。

子どもが言い訳をするのはどうして?

親や上司・先輩から「どうしてこんなことしたんだ?」と聞かれたから説明しただけなのに、「言い訳するな!」と怒られる。

あるあるですよね。

もちろん、聞かれたから説明をしているつもりであることはわかりますが、それがまるで「自分は悪くない」という責任逃れだと伝わると、それは言い訳と認定されて、さらに詰められる結果になります。

失敗やミスをして、それを指摘された時に思わず言い訳をしちゃう人、いますよね。

子どもだけじゃ無く大人にも。

ただ、親として一番気になるのはわが子の言い訳。

とくにそれが、責任逃れのために嘘をついたり、適当にごまかそうとしていたりすると、それはなんとか改善したいと思うでしょう。

行動や言動の原因よりも、それでどうしたいのか?という目的を重要だと考えるアドラー心理学の視点から見て、この子どもの言い訳の目的を考えてみましょう。

もちろんそれは、なんとか取り繕って、叱られずに済むことが多いと想像できます。

もう少し広げると「いい子だと思われたい」「本当の姿をさらけ出すと評価が下がる」そんな不安も見えてくるかもしれません。

あくまで推測にはなりますが、子どもが親からの評価を必要以上に気にしている様子が感じられます。

つまり、日常的に「よくできた時」に評価され、「よくできなかった時」には責められた経験が積まれているのではないでしょうか?

また、子どもからすると意図的ではなかったり、よかれと思ってやってみた挑戦で失敗した時に怒られたなど、いわば、不本意な責められ方をした経験もあるのかもしれません。

これはアドラーで言ういわゆる「勇気くじき」。

つまり失敗すると怒られるという、挑戦する勇気が出ない状態を作っていることに他なりません。

こちらが望んだ結果が出せたときにだけ評価をするスタンスをやめて、やろうとしたことや、結果がでなくてもありのままの姿を認める姿勢を見せることで、そもそも言い訳をするという選択肢をとらなくてもよくなるのではないかと思います。

言い訳した時の親のダメな対応方法

では、子どもが言い訳をしたときに親として、どんな対応をすることが未来に繋がるのでしょうか?

まず「言い訳をするな!」とは言わない方がいいと思います。

必ずしもそうではないかもしれませんが、もしかしたら、子どもが嘘をついたり、言い訳をせざるを得ないシチュエーションを自ら作っている可能性も否定できないからです。

最終的に目指していることは、子どもが自分で考えて自分で決めて、自信を持って成長していくことですよね。

ただ、その過程でうまくいかなかったときに、言い訳をするのではなく、素直に認めて、改善に努めてほしいというのが、多くの親が考えることでしょう。

であれば「言い訳をするな」というよりも、うまくいかなかったことに対して、一緒になって、「じゃあ、次はどうする?」と改善する方法を考えてあげることがあってもいいのではないでしょうか?

また、それは単純な失敗だけでなく、ルールを破ったときなども同じです。

例えば「ゲームは1時間まで」と親子で決めたのに、子どもがやめない、みたいなときです。

ルールを破った子どもに対して、必要以上に大きな罰を与える必要はありません。

しかもその罰が親の気分によって変わるとなることが多いと、必要以上にルールを破ってしまったことを認めないこと、つまり言い訳に繋がると考えられます。

ルールを決める時にはペナルティも同時に決める。

また、それは親子双方が納得していること。

時間はかかるかもしれませんが、この二つは決しておろそかにしない方がいいと思います。

そのルールとペナルティを互いに守ることで信頼関係が築けるからです。

時には子どもがルールを破ったときにも瞬時にペナルティを発動させずに、感情的にならずに「次はできるよね?」と念押しをして信じるという選択もアリだと思います。

自分を信じてくれる人を裏切ることをしにくいのは大人も子どもも同じだと思います。

最後に、もうひとつ気をつけたいことをお伝えします。

それは夫婦の会話の中で言い訳をしないことです。

ここまで読んで「自分は決して子どもを結果で評価していないし、ありのままを認めているのになぜか子どもが言い訳をする」と思う人もいるかもしれませんが、可能性として、子どもが成長していく中でもっとも参考にすることが多い親が、会話の中で言い訳をしている姿を見て、マネをしている可能性も充分にあります。

まずは自分の行動を見直してみて、そこから子どもの行動について考えてみましょう。


熊野さん、ありがとうございました!

改めておさらいすると…

ポイント

  • 子どもが言い訳をする目的を考えてみる
  • 結果で評価しないで、失敗したりうまくいかなくても、ありのままを認めることで言い訳をしなければいけない状況を作らない
  • 夫婦の会話の中で言い訳をしない

調べてみると「いいわけ」というタイトルの曲がたくさんあるようですが、それほど一般的に多い身近なものだということだと思います。

わが子が言い訳をすると瞬間的にイラッとしてしまうことが、正直ほとんどだと思いますが、まずはそこでいったん冷静になれるように深呼吸するところからはじめてみるのもいいかもしれませんね。

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