自信を持てない子どもが心配...原因や親ができることは何!?

生きていく中で、チャレンジすることは大切なことですが、一方で失敗することも怖いですよね。

もしも子どもがなかなかチャレンジできない、自信がないという時に親としてはどう関わって、何をすればいいのでしょうか?

アドラー心理学に基づくコミュニケーションの専門家で、アドラー式子育ての熊野英一さんにアドバイスをもらいました! 

子どものチャレンジに必要なのは「幸せの3条件」

質問者

5歳の娘が、最近やたらと「自信がないから、できない」と口にするようになり、気になっています。

「そんなこと言わずに、やってごらんよ!」と励ましても「だって、やったことないから、できるわけないもん!」と口ごたえ。

そう言われると、自分も4月から突然の異動で未経験の仕事を担当することになり、自信を持てずにドキドキしていることに気づきました。

新しいことにチャレンジする時に自信を持つにはどうしたら良いのでしょうか?

確かに、5歳の娘さんが言うように「実績がないから、すぐに結果を出すことはできない。期待される結果を出せないことがわかっているのだから、自信を持てるわけがない。よって、やらない・やりたくない」と言う気持ちになることは、誰にでもあるでしょう。

ご質問のお父さんも、ご自身の職場で同じ気持ちになっていますね。

「できた!」という達成感の積み重ねで「自信が増える」のは間違いのない真実だと言えるでしょう。

でも、ちょっと待ってください。

その最初の「できた!」の前に「実績」はありましたか?

子どもは、未経験の様々な課題を乗り越えることで自立した大人に成長していきます。

子どもに自立を望むのであれば、親であるあなたは、どの子どもも、生まれながらにして無条件に

「幸せの3条件(自己受容・他者信頼・他者貢献)」

を持っていることを確信できるよう、日常生活の中でこの3つを繰り返し伝えていきましょう。

まずは親自身がチャレンジする姿を!

自分の目の前にある課題(アドラー心理学では、これをライフタスクと言います)から逃げずに、失敗を恐れずに立ち向かっていくために最初に必要なものは「勇気(チャレンジ精神)」です。

勇気は、不完全な部分も含めた「ありのままの自分」を自分自身が受け入れる「自己受容」ができ、まだ結果を出していない自分という存在に価値がある、と思えた時にわき出てくるものです。 

目の前の課題(ライフタスク)に立ち向かう時、自己受容の次に必要になるのが、周囲の他者を信頼することです。

未経験のことにチャレンジして失敗しても、親や友達や先生からバカにされたり、ダメ出しされたり、仲間外れにされたりしないと確信できる。

そして周囲の他者は、自分がいつかその課題をクリアできると信じてくれる仲間なのだと思えれば、その仲間に応援してもらったり助けてもらったりしながら、課題をクリアできるかもしれない、という気持ちになります。

課題の達成を通して自分の価値を追認できれば、より大きな課題に立ち向かう勇気を持つことができ、やがて、自分は仲間に貢献できるのだという自信を持つことができるようになるわけです。

こうした失敗とチャレンジの繰り返しが、子どもの成長を促し、子どもは自然に自立していくわけですから、子どもの成長と自立を望む親が何をしたら良いかは明確です。

自信とは、根拠を求めずに自らの可能性を信じ切ることです。

自分は「幸せの3条件」を兼ね備えているということに自信を持てる子どもは、どのような性格の子でも、勇気を持ってチャレンジし続けることができるようになります。

子どもは親の背中を見て育つとはよく言ったものです。

言葉をどれだけ尽くしても、行動が伴わない限り子どもに影響を与えることはできません。

ですから、親が子どもに成長と自立を望むなら、自身が日々の生活の中で課題(ライフタスク)に対峙するときに、自らが子どもに手本を示せば良いのです。

もちろん、親だからといって100点満点の完璧な姿を手本として示し続けることはできません。

ここで求められるのはそのような完璧さではなく、むしろ、時に勇気がくじかれてしまったとしても、そんな不完全な自分を受け容れる勇気を持って立ち上がり、再び課題(ライフタスク)に向き合う、その姿勢を見せれば良いのです。


熊野さん、ありがとうございました!

改めておさらいすると…

ポイント

  • 子どもに「幸せの3条件(自己受容・他者信頼・他者貢献)」を持っていることを確信できるよう、繰り返し伝える
  • 未経験のことにチャレンジして失敗しても、バカにしたり、ダメ出しせず、信じる
  • 親が勇気を持ってチャレンジし続け、できなくても自分を受け容れる

チャレンジは、むしろいろいろ知っている大人の方が怖いと感じやすいことかもしれません。

でも、我が子にチャレンジできる人になってほしいと思うなら、腹をくくってライフタスクに立ち向かっていきましょう!

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