子育ては成長のたびに新しい壁が現れて、不安はつきもの。とくに心配性の人にとっては気が休まりませんよね。
しかも夫婦そろって心配性だと、二人で心配ばかりしてかえって辛くなることも。
でも実は、心配性は「直すべき悪いもの」ではありません。
大切なのは、その個性をどう建設的に使うか。
今回はアドラー式子育ての熊野英一さんに、心配性と上手に付き合いながら子育てを楽にするヒントと、行き詰まったときの頼り方を聞きました。
なぜ「心配していないと不安」になるのか
結婚7年目で待望の第一子が産まれました。
本当にうれしいことなんですが、一方で心配事がつきません。というのも、わが家は夫婦そろって心配性。
それが縁で結婚したところもありますが、子育てとなると二人でいつも心配ばかりしているのが辛く困っています。
どうしたらいいでしょうか?
まずは第一子誕生おめでとうございます!
“待望の”ということで喜びもひとしおかと思いますが、その反面、心配も強いのかもしれません。
劇的に変わるかはわかりませんが、少しでも気が楽になる方法を考えていきましょう。
心配性は生まれつき?アドラーが説く「ライフスタイル」
パパしるべでもたびたびお伝えしていますが、アドラー心理学では、いわゆる性格のようなものを「ライフスタイル」と表現します。
近代のアドラー心理学では、それぞれのライフスタイルは10歳くらいでおおむね形成されるとされていて、それまでの経験や環境などの影響を受けるものだと考えられています。
ただ、「全ての行動や言動は自分で決めている」という“自己決定論”で考えるため、周囲の影響で“そうなってしまったもの”というよりも“サバイバル戦略として自分で選んだキャラ設定”と捉えます。
今回の「心配性」を“ライフスタイルのひとつ”として考えるのであれば、“心配性になってしまった”のではなく“心配性というライフスタイルを選んだ”ということになります。
あくまで想像ではありますが、お二人の場合ももしかしたら育ってきた中で、親が「本当に大丈夫?」「気をつけなさい」「危ないんじゃない?」など不安をあおるような声かけが多かったのではないでしょうか。
結果的に、“たくさん心配していた方がいい”と感じているのかもしれません。
極端な話ですが、心配をしている自分がスタンダードになると、「心配をしていないとかえって不安。心配している自分の方が落ち着く」というケースも出てくると思います。
心配性が悪いわけではない
一方、ライフスタイルはいわば個性なので、それ自体に良し悪しはないとも考えます。
つまり、「心配性が悪い」というわけではないのです。
「心配性」を言い変えると「とても慎重」ともなりますよね。
つまり、リスクなどについてとても敏感なので、失敗を未然に防ぐことにつながるという良さとも考えられます。
心配性とは対照的に、リスクを考えずにどんどん突き進むライフスタイルの人もいます。
これも「行動力がある」とも言えれば「無鉄砲」とネガティブな言い方をすることができます。
では、何が問題なのか?
それぞれのライフスタイルを必要以上に発揮してしまうことです。
「心配性過ぎて、結局何も始められない」とか、反対に「無鉄砲すぎて、余計な大失敗をしてしまう」といったケースです。
大切なのは、自分が選んだライフスタイルをいかに適切に、いかに建設的に使うか?
とはいえ、今回は夫婦そろって悩んでいるということなので、その対策も考えて行った方がいいかもしれません。
心配性は自分で直せない?子育ての不安を軽くする考え方
新しい視点をくれる人の見つけ方
アドラーはこんな言葉を残しています。
アドラー心理学のポイント
ライフスタイル(性格)を変えるには、自分の思い込みに気づき、新しい視点を与えてくれる専門家の助けを借りよう
ライフスタイルが10歳ごろにできたとして、少なくとも10年、20年は付き合ってきたもので、確実の慣れていると思います。
ただ、一方でそれはクセともなり、思い込みを生んでしまうものでもあります。
言うまでもないことですが、そのクセや思い込みに自分で気づくのは難しいものです。
そこでアドラーが提案しているのが、自分だけで抱え込まず周囲の力を借りること。
アドラーは特に、専門的な知見を持ち、たくさんの例を見てきたカウンセラーなどの専門家が適任だと考えています。
素人目にはわからないこともプロから見れば鋭い指摘をしてくれる可能性が高くなります。
心療内科などに行くと考えるとハードルが高いと感じる人も多いとは思いますし、そこまで深刻じゃないと感じる人もいると思いますが、実は全然ライトに頼ってもいいところです。
「風邪をひいたら病院に行く」くらいの感覚で一度体験してみることをオススメします。
先生によって合う合わないもあるので、自分たちに合う先生を探してみればいいと思います。
相談は誰に?カウンセラーが家族を担当しない理由
もちろん、絶対にプロのところに行かないといけないわけではありません。
お二人が信頼できる人がいて、その人のことを頼りやすいのであれば、それで構わないと思います。
ただ、あまりオススメしにくいのが、家族や親族です。
「長く時間を過ごしたからよくわかってくれている」という部分もあるかもしれませんが、一方で、すでにバイアスがかかった意見になってしまったり、言われたことを素直に受け容れるのが難しい部分もあります。
実際にほとんどのカウンセラーは、家族や親族のカウンセリングをしないそうです。
周囲の人やカウンセラーを頼るということは、心配性に限らず自分のライフスタイルについて、ちょっと行き詰った時にはオススメの方法です。
頼るのは決して恥ずかしいことではないので、悩んでいるのであれば、選択肢のひとつに入れてみてもらえたらと思います。
熊野さん、ありがとうございました!
改めておさらいすると…
ポイント
- 人それぞれにライフスタイルがある。心配性もそのひとつ。
- 心配性が悪いわけではない。いかに建設的に使うか?
- カウンセラーなどを頼って相談してみるのも試してみては
今回のように「自分のここが気になるからどうにかしたい」という質問は、ある程度自分の状況を俯瞰的に見えていることがすごいことだと思います。
あとは一歩踏み出してやってみれば、うまくいくこともあれば、この方法はうまくいかないと気づけるチャンスにもなると思うので、まずは一歩踏み出してみてください!
著書のご紹介
また、熊野さんのアドラー式コミュニケーションの講座では、家庭はもちろん仕事でも使えるコミュニケーションのコツを学ぶことができます。
「子育てが思い通りにいかない」「仲良くしたいのに夫婦関係がギクシャクしてしまう」「職場の人間関係がうまくいかない」など、悩みを抱える方は自分で解決できるためのコミュニケーション術を学びます。
こちらも気になった方はぜひチェックしてみてください!
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