第2期も30人が認定!岡崎市の未来を拓く「おかざきパパマイスター」!~岡崎市子育て支援事業レポート~

愛知県岡崎市とNPO法人ファザーリング・ジャパンが協働で行う、子育て支援事業のひとつ「おかざきパパマイスター認定制度」

2024年夏にスタートした2期生たちの養成講座も無事修了し、30人のおかざきパパマイスターが誕生しました。

今回は誕生までの歩みをレポートします!

満足度が高い夫婦は家事が5:5のイーブンではない!?

天気予報で思わず愛知を見てしまう、パパしるべ編集長のジョージです。

日々、天気予報で全国各地の状況を見ると、その場所に住んでいる友達や知り合いのことを思い出して「どうしてるかな?」と思いを馳せる習慣があるので、肝心の自分が住んでいるところの天気を見逃すことがあります。

特に週末となると、愛知県の天気を見て「講座受講生のみんなはどこに遊びに行くのかな?」なんて考えるわけです。

そうするとたまにしか会えないのに、久しぶりの感じがしません。

さて、もはや僕にとってライフワークのひとつともいえる愛知県岡崎市の「おかざきパパマイスター養成講座」。

「おかざきパパマイスター養成講座」とは

岡崎市で子育て中のパパたちに向けて、子育て関連のスペシャリストが講義を行って知識を得てもらい、さらに一緒に受講しているパパ同士で繋がって行ってもらおうという企画

受講修了後「おかざきパパマイスター」に認定されると、岡崎市内で行われる子育てイベントで活動するなど、いろいろなところで子育てを盛り上げる仲間になることができます。

去年8月に第1回目の講座を実施して以降も順調に進みました。

第2回は家事シェアのスペシャリスト!

9月に行われた第2回目のテーマは、

テーマ

「パパに知ってほしい!家事シェア&育児シェア術~家庭円満に欠かせない家事育児の向き合い方~」

講師は、今やいろいろなメディアなどでも聞かれるようになった「家事シェア」という言葉を生み出した家事シェア研究家で、インテリアコーディナーターでもある三木智有さん

家事シェア研究家 三木智有さん

家事で“やらなければいけないこと”を二人で分けるのが「家事分担」ですが、三木さんが提唱する「家事シェア」は、“やらなければいけないことを終わらせる責任”を「シェア=共有」するという考え方。

簡単に言うと、家事に対して別々に臨むのが「家事分担」で、一緒に臨むのが「家事シェア」

向き合う姿勢が違うのです。

また、

家事の担当を決める時は「負担」を同じくらいにしようとする夫婦が多いけど、「不満」を同じくらいにするように考えると穏やかに進めることができる

という三木さんの言葉には受講者たちにも響いた様子でした。

受講後のアンケートにも「負担と不満の話は自分自身あまり意識しておらず、聞いて納得でした。」という声も届きました。

家事の満足度が高い夫婦の傾向

ママは別室でエクササイズ楽しむ

毎回、後半第2部にはママは別室に行き、岡崎市内で活動する子育て支援団体「産後ケアママイル」さんによるバランスボールを使ったエクササイズを楽しむ中、パパ同士がグループに分かれて語り合う時間を設けています。

この日は、岡崎市で実施したアンケートでわかった「家事に関するデータ」を基に話をしました。

全国的にも言われることですが、岡崎市でも下記の傾向がわかりました。

  • 家事の負担がいまだママに偏っている
  • 一方で男女ともに満足度は意外に高い人が多い
  • 実施する家事には違いがあり、「ママが任せたい家事」と「パパが実施している家事」、反対に「パパが任せたい家事」と「ママが実施している家事」には相関性があって、互いのニーズとマッチしている

これを受けて受講者たちは、それぞれの家庭の状況などを共有しながら真剣にトーク。

おおむねデータには納得しつつ、こういった現状の中で家事を円滑に進めていくためには「夫婦のコミュニケーション」が重要だという声がたくさん挙がりました。

ちなみに三木さんからは、下記の傾向が語られました。

やることの割合は男女5:5のイーブンが理想だと考える人が多いものの、実際はややママの割合が多い夫婦の方が満足度が高くなる

これは今でも負担が多すぎるのは嫌だけど、主導権は握りたいと考えている女性が多いからではないかと、背景を推測していました。

なんとも難しいバランスですね…。

習い事で、何をやるか?よりも大事なこと

第3回は、朝青龍の腰痛を治したフィジカルトレーナーが登壇

10月に実施した第3回目のテーマは、

テーマ

「パパにオススメ!子どもを強いカラダにする運動&遊び方~便秘・免疫対策、運動能力アップのために知っておきたいこと~」

講師は横綱、朝青龍をはじめトップアスリートのコンディショニングなどを担当してきた、フィジカルトレーナーでベビーリンパアクティベーション協会の顧問、櫻井優司さん

フィジカルトレーナー 櫻井優司さん

実は櫻井さん、あの国民的人気を誇る子ども番組で活躍した、やけに運動神経がいい緑色のキャラクターの中の人を担当したこともあるという変わった経歴の持ち主。

アスリートのコンディショニングの裏話も盛り上がりましたが、子どもだけでなくパパママの体調を整えるためのケア方法など幅広くお話を伺いました。

  • ラダーを使った子どもの運動能力を高める具体的なトレーニング方法
  • 運動が出来ない乳幼児については、免疫力や自己治癒力を高めるためには唾液が重要
  • 唾液をたくさん出すためのマッサージ方法

講義の最後には、受講生に持参してもらったタオルを使って簡単なエクササイズも実施。

受講後のアンケートには「タオルストレッチ(特に手首回すやつ)が気持ちよかった」という声も届きました。

子どもの習い事、どうする?

第2部のグループトークでは、前回同様に岡崎市で実施したアンケートの結果を基にトーク。

今回は特に育児についての設問をピックアップして語り合ったのですが、それよりも盛り上がったのは、習い事についてのお話。

せっかく体のスペシャリストで、多くのトップアスリートと触れてきた櫻井さんがいらしているので、パパたちそれぞれが習い事についてどう考えているかについて語り合ってもらいました。

受講者たちからは、やはり「子どもがやりたいと思うもの」を習わせたいという声が多く、水泳などのスポーツ系から英会話などの勉強系まで幅広い候補を考えているが、どれからやらせたらいいか?といった悩みについて語られました。

そして、みんなの声を聞いた櫻井さんから下記のアドバイスをいただきました。

  • れぞれの習い事に違うメリットがあるので、どれを選んでもいいけど、できれば複数のものをやることで、体だけでなく考え方なども含め幅広く向上することができる
  • 親の関わり方については、過度に干渉しないで、見守る姿勢が重要
  • 練習や試合会場での静かな応援が子どもにとって最もうれしいサポートである

そしてメジャーリーグで活躍する大谷翔平選手の親を例に挙げて、何かがうまくいかないときは直接教えるより前に、「どうしたらいいと思う?」と自分で考えるように促すことが大切だと伝えられました。

笑顔満開の認定証授与式!

そして迎えた12月。

ラストは第4回目の講座とともに、おかざきパパマイスターの認定証授与式です。

第1部では昨年に続き、僭越ながら僕が講師を務めさせていただき、下記のテーマでお話をしました。

テーマ

「家族の自己肯定感をグッと高める子育て方法~ハッピーな未来を描くために必要なこと~」

アドラー心理学をベースに意識しないとすれ違ってしまいがちな夫婦、親子のコミュニケーションで大切した方がいいことや、向き合い方について。

特に、昨年の講座でも伝えたことですが、昭和大学病院で長期入院の子どもたちが学ぶ「院内学級」を担当する副島賢和先生から聞いた

「つい当たり前に『健康第一』と言ってしまうが、病気になった子どもたちはその言葉に責められていると感じがちなので、健康じゃなくても生きていればOK。あくまでも『存在第一』」

という僕が大切にしている考え方を伝えました。

受講後のアンケートでも、この『存在第一』が印象に残ったという声は多くいただき、みんなの心に届いたと感じています。

また、存在が第一なのは、子どもだけでなく、パートナーであるママも、そして自分自身も大切にするというメッセージがあって、なにかと厳しい現状の中でも自分たちを犠牲にして我慢ばかりするような状況は長続きしないので、肩の力を抜いていこう!という思いもあります。

講義の後、この4回の講座を振り返るグループワーク。

4回目は唯一男女一緒に行いますが、パパたちも気兼ねなく話せているようです。

そして、グループトークが終わったら、認定証の授与式です!

なぜか緊張感が走る認定証授与式

さあ、いよいよクライマックス。

内田康宏市長をお迎えして、おかざきパパマイスターの認定証を授与するセレモニーです。

大人になると、なかなかこういうセレモニーがないからだとは思いますが、昨年に続きなんだか緊張感が高まります。

岡崎市 内田市長

内田市長からは、受講生たちへのねぎらいの言葉とともに、ご自身の家事経験などを踏まえてこういった機会に男性が家事や育児を学ぶことの大切さが語られました。

ちなみに、市長には受講生の妻から「おかざきパパマイスター養成講座をこれからも開催し続けて欲しい」という声が届いているということも話されていて、すごくうれしかったです。

認定証を受け取り、晴れておかざきパパマイスターとして認定されたパパたちは、それぞれの思いやこれからの意気込みを語ってくれました。

印象的だったのは、パパとしての子どもに対する思いとともに、やはりパートナーである妻、ママへの思いが多く語られたこと。

そして、みんなが晴れやかな笑顔で語ってくれたことです。

講座を受けて知識を得たからといってすぐに劇的に変わるわけではないかもしれません。

しかし、5か月にわたってともに過ごした仲間の存在や、最後まで受講した達成感なども含めて、これからの家庭生活が豊かになるきっかけになれば、我々もありがたいです。

第2期におかざきパパマイスターに認定されたのは30人。

1期生を合わせると60人を超える大所帯となりました。

このメンバーとともに今後もさらに岡崎市の子育てを応援していくことができればと思います!

講師を務めていただいた方や、講座を支えてくれた全ての皆さんに感謝しつつ、ぜひまた来年もここに戻ってくることができればと思っていますので、引き続きよろしくお願いします。

さあ、果たして第3期にはどんな人が来るのか?今から楽しみです!