卒園式や卒業式のシーズン。
次のフェーズに向かって子どもたちが羽ばたくことは、本当にめでたいことです。
でも、一方で大変だったからこその寂しさや喪失感もありますよね。
今回は子どもの卒園を控えて寂しすぎて仕方ないと嘆くパパへ、アドラー式子育ての熊野英一さんにアドバイスを聞きました。
寂しさはを紛らわせる方法とは?
卒園を迎えての喪失感ゆえの寂しさ
もうすぐ6歳の長女が保育園の卒園式を迎えます。
0歳からお世話になった最高の園から離れることや、幸いなことに恵まれた素晴らしいパパ友ママ友と離れることが本当に寂しくて仕方ありません。
夜、妻とそのことを話すだけで泣けてきます。
この気持ちどうすればいいでしょうか?
まずはご卒園おめでとうございます。
娘さんにとっては晴れの舞台でもあると思います。
もちろんとてもうれしいことですが、一方ではやっぱり寂しいですよね。
本当にその通りだと思います。
大変だったからこそ感じること
春のあたたかな空気に舞い散る桜。
今年は特に咲くのが早いので、ちょうど卒業シーズンにキレイな姿を見せてくれることでしょう。
そんな日本人の大好きな風景の中で、感傷的にならないわけがないですよね。
また、子育てを経験したものとして考えると、右も左もわからない中で初めての子育て。
保育園に行くようになってからも、送り迎えはもちろん、突然の発熱やケガへの対応。
夫婦でぶつかることだってあったでしょう。
また仕事と両立させるためにはたくさん苦労もあったことと思います。
そんな大変だったからこそ、達成感もあるでしょうし、同時にのめりこんできたからこその喪失感が、寂しさに繋がっているのだと思います。
忙しくて育児に参加しきれないという人の話も聞く中で、そこまで関わることができたのは、ご自身の努力や工夫はもちろんのこと、きっと周りの人たちの支えもあったと思います。
そういう人たちへの感謝も忘れては行けないことですね。
寂しいと感じられる幸せ
さらに寂しさに拍車をかけているのが、保育園生活が充実したものだったことだと思います。
園に対する批判や、パパ友ママ友トラブルなどネガティブな情報を目にすることもよくありますが、ご質問のパパは、保育園にも周りの保護者にも恵まれていたと質問にも書かれていました。
これって当たり前のことではなく、幸せなこと。
本当に素晴らしいことです。
素晴らしかったからこそ、そこと離れるはとてもツラく寂しいところですよね。
これもまた、多くの方が共感することだと思います。
ただ、ちょっと気になるのは、卒園する本人以上になんだか感傷的になりすぎているような気がします。
卒園後の未来の楽しみにも目を向けよう
子ども自身はどうですか?
親として同じ立場で考えた時に、寂しいという気持ちには共感できます。
一方で、卒園する張本人である、娘さん自身はどうでしょうか?
パパやママと同じように寂しがっているでしょうか?
あくまで予想ですが、小学生になることにワクワクしていませんか?
一足早く手に入れたランドセルを背負ってみたり、小学生になったらやりたいことで頭の中がいっぱいなのではないでしょうか?
せっかく未来に向いている本人にとって、過剰に寂しがる親の姿は良いことなのかと考えるとどうでしょうか?
寂しいという思いは親が持っているもの、つまりは「親の課題」です。
子ども自身は関係ありません。
もちろん大人でも感じる寂しさは人それぞれ。
そこまで寂しいと思っていない人もいるはずです。
あなた自身が寂しいと全力で思うことは構いませんが、それをわが子や他の大人に対して強要してしまうことや、ちょっと嫌な気持ちにさせてしまうようなことは控える必要がありそうです。
保育園に入るときも不安はなかったでしょうか?
実際に、今は寂しいと思っているかもしれませんが、保育園に入園するときはどうだったでしょうか?
果たして、今のような気持ちで卒園式を迎えることになると思っていましたか?
きっと不安もたくさんあったのではないでしょうか。
しかし、おそらく予想に反してとても素敵な体験をすることができたのだと思います。
同じように、もしかしたら小学校でも最高の時間を過ごせる可能性も大いにあります。
それは、不安が吹き飛ぶような素晴らしい保育園生活を体験したあなたがよくわかっているはずです。
もちろん、必ずしもそうならないこともありますが、少なくとも、小学校生活が絶対に最悪な時間になるということはありません。
むしろどのように素晴らしい時間にするかは、自分たち次第の部分もたくさんあります。
それなのに、小学校に入ってからも「保育園は良かった」と言い続けているのもどうかと思います。
当たり前ですが、子どもの成長は止めることができません。
時は容赦なく流れます。
6年後には小学校、9年後には中学校、12年後には高校、16年後には大学と卒業式はまだまだ続きます。
そのたびに過去を見て感傷的になるのもいいですが、未来を見てワクワクするのはどうでしょうか?
また、そうやって未来を楽しいものにしようとする姿を子どもに見せることで、子どもに未来を楽しみにすることの素晴らしさも伝えられることもあるでしょう。
無理に寂しい思いを吹き飛ばす必要はありませんが、充分に、自分なりに寂しさを味わった後は、次の楽しい時間に目を向けてみることをオススメします。
熊野さん、ありがとうございました!
改めておさらいすると…
ポイント
-
- 寂しい気持ちには大いに共感!
- 寂しいのは、大変だったからこそ、最高の園、素晴らしい仲間がいたからこそ。それはとても幸せなこと。
- 寂しいと思う気持ちは人によって違うので強要したりはしないように。特に子どもとは課題を分離しよう。
- 過去の寂しいよりも未来の楽しみに目を向けてみて!
我が子の卒園式、卒業式って本当に泣けます。
きっと自分自身の時よりも。
せっかくなので思い切り泣いて、それからは子どもと一緒に未来を見て笑いましょう!
また、熊野さんのアドラー式コミュニケーションの講座では、家庭はもちろん仕事でも使えるコミュニケーションのコツを学ぶことができます。
こちらも気になった方はぜひチェックしてみてください!
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