保護者も育つ!?話題の幼児教育「モンテッソーリ教育」を取材!

将棋の藤井聡太四冠、フェイスブックの創業者、マーク・ザッカーバーグ、アマゾンの創業者ジェフ・ベゾスなど、今をときめく人々が受けたことで知られる「モンテッソーリ教育」。

気になっているパパやママも多いと思います。

今回は、そんな「モンテッソーリ教育」のメソッドに基づいた教育を実施している東京都江東区の幼児施設「聖教主教会 キッドスクール」の宮本恭子園長にお話を伺いました。

子どもに向けた教育ですが、保護者にもいろいろと影響があるようです。

子どもが持っている「自分で育つ力」を活かす幼児教育

「聖教主教会 キッドスクール」の宮本恭子園長

モンテッソーリ教育とは、イタリア人の医師で教育家であったマリア・モンテッソーリ博士が考案した教育法で「子どもには、自分で育つ力が備わっている」という「自己教育力」に着目したもの。

子どもが自らの成長に必要なものを環境の中から選び、取り組みながら体得していく0~6歳の時期のことを「敏感期」として、その時期に子どもが自分から学ぶための環境を整えていくことを大切にしています。

宮本:初めてモンテッソーリ教育のことを知ったのは40年以上前のことですが、子どもの概念が覆されました。

従来の一斉教育のように大人が主体になって注入していくようなスタイルではなく、子どもが自分で吸収していく子ども中心のスタイル。

ひとりひとりが輝けるようになると感じました。

敏感期には0~3歳の『前期』と3~6歳の『後期』がありますが、キッドスクールではその後期の教育環境を用意しています。

洗濯などの家事や花瓶に水を入れるなど生活の中にある何気ないことをしていく『日常生活の練習』、音や匂いを区別するなど感覚器を育てる『感覚教育』、絵カードや文字カードを使った『言語教育』、独自の教具を使った『算数教育』、子どもが興味を持つものに取り組んでいく『文化教育』といったものが中心となります。

「壁になってください」最初の内は保護者が戸惑う

宮本園長によると

「大切なのはただ子どもにやらせるのではなく、大人が具体的な方法を示した上で子どもがする。そして、できるまで待つことも大切です」

ということですが、スムーズにできない子どもを大人が待つことが大切だと、頭では理解できますが、なかなか難しいことですよね。

実際に「キッドスクール」に子どもを通わせる親たちの反応はどうなんでしょうか?

宮本:保育参観に来た保護者には毎回『壁になってください』と伝えます。

要は、とにかく黙って見ていてもらうのです。

多くの保護者は大人から教えてもらう教育を受けて来たので、子どもたちを待つことに慣れていなくて、だいたい戸惑っていますね。

そういった体験を通じて、皆さん大人と子どもとの違いを知っていくことになります。

大人は“早く、効率よく、美しく”を求めますが、子どもは“やること自体が体を作っていくもの”つまり試行錯誤していくプロセスが大切です。

そして“できた”という経験を通じて“試行錯誤を楽しめる”ようになります。

この“試行錯誤”している間に、大人が口や手を出してしまいがちですが、成長するチャンスを奪ってしまうことになるので、そこをグッとこらえて子どもを信じることが大切なんです。

そして、そうやって待つことができるようになることは大人にとっても成長ですから、共に育つことに繋がります。

親になると、思うようにいかない子育てに悩むことも多いですが、そういう中で子どもの教育を通じて親としても成長できるチャンスがあるというのは魅力的に感じます。

今回は実際にキッドスクールに子どもを通わせている保護者の方にもお話を聞いたところ「ビジネスにおいても待つことが必要な局面がありますが、そこで待てるようになりました。子どもを入れたことで自分も成長できたことを実感しています」と話していました。

モンテッソーリ教育を受けた子どもは小学校になじめるか?

モンテッソーリ教育では、運動会のような生育状況が直接影響するようなもの以外は、違う年齢の子どもたちが一緒に過ごす『縦割り教育』を実施しています。

そのスタイルにはどんないいところがあるのでしょうか?

宮本:モンテッソーリ教育では『子どもは子どもの中で育つ』と考えられています。

最初から上手にできないことでも、年上の子が教えてくれてできるようになります。

その子が大きくなったら今度は年下の子に教えるようになります。

小さいうちから人に教える経験ができることはとても大事なことですし、自己肯定感にもつながります。

そして、多くの保護者が気になるところだと思いますが、自分のやりたいことを中心に育ってきた子どもたちは、一斉教育となり、集団生活が求められる公立小学校になじむことはできるのでしょうか?

宮本:もちろん、最初のうちはなじめずに困ってしまう子もいますが、問題はありません。

モンテッソーリ教育を受けた子は高学年で花開くと言われていますが、そもそも試行錯誤を楽しむことができて、自己肯定感も高いので、なじむためにはどうしたらいいのかを、自分で考えていって、多くの場合は順応できます。

子どもたちには『困ったときこそ、みんなの知恵を出すとき』と伝えていますが、その方法をしっかりと学んだうえで考える力が付いた状況で卒園するので、心配はいりません。

そう聞くと、とても筋が通っていて納得できるのではないでしょうか?

近年、様々な教育が知られるようになって、親としては迷ってしまうところですが、モンテッソーリ教育も一つの選択肢として考えるのもいいかもしれませんね。

モンテッソーリ教育の魅力を力強く語ってくれた宮本園長の無料講演会が12月4日にあります。

また、見学はいつでも受け入れているということなので、気になっている方は、ぜひ一度宮本園長のところを訪ねてみてください。