男女を問わず子どもの行動はとても不思議なものです。
そんな中、男の子を持つパパやママからは「いつも何かと戦っている」という話を聞くことがよくあります。
これはどういうことなんでしょうか?
男の子の子育て本を数多く執筆しているEテレ「すくすく子育て」でもおなじみの大阪教育大学、小崎恭弘教授に伺いました。
男の子も女の子もなりきって遊ぶのが好き
この記事を読んでいるパパもママも、小さい頃に何かになりきって遊んだことはありませんか?
子どもたちにとって、カッコイイ、カワイイといった憧れの存在になりきるという遊び方は、とてもオーソドックスなもので、普遍的な楽しみのひとつ。
これは男の子でも女の子でも同じです。
保育の現場に関わっている中では、性別によって傾向があるように感じます。
もちろん、そうでない子もいますが。
例えば、女の子もいつも何かカワイイとかキレイなものに変身していることが多いように感じます。
くるくると回りながら、自分に魔法をかけて、プリンセスや小鳥になったりしています。
私は保育士時代によく家来にさせられていました。
一方で男の子は、自分自身を強く、大きく、かっこよく変身させることが多いです。
きっとその一番わかりやすい象徴的な姿が「ヒーロー」たちなんでしょうね。
仮面ライダーやウルトラマンのようなヒーローになりきって戦う、というのはそういう理由があると思います。
男の子が戦う理由。もはや「遊び」ではなく「仕事」
では、男の子がなぜ戦うのが好きかということですが、それはシンプルに「ヒーロー」だからなんです。
ヒーローの価値は、そこに悪があり、その悪と戦い勝利することです。
そのことにより、この日本を、そして世界を、もっと言うと地球の未来を救うのです。
そのカッコよさに自分を重ね合わせているのですから、そりゃもう戦います。
それも半端なく激しく、本気です。
彼らにとって戦うこと、それはもはや「遊び」ではなく「仕事」ですからね。
あの戦っている時の男の子たちの顔や目を見ればわかると思います。
真剣です。
自分の世界に入り込んでしまっています。
パパやママの顔色や周りの景色も目に入っていませんし、我々にはどんな悪と戦っているかもわかりませんが、それでいいんです。
自分の大好きなものや世界に没頭して遊ぶことは、子どもの特権です。
特に男の子は、自分自身を理想通りの自分に大きく変身させる傾向があります。
もちろん個人によってそれは色々な対象物となりますが、やはり悪と戦う正義のヒーローが多いです。
戦うのが好きな男の子へ、パパの対応の仕方
ただし、ひとつ気をつけたいのは、子どもはまだ見えない敵と戦う「正義」の部分がよくわかっていません。
だからこそ、単に戦うだけの乱暴者になってしまうことがあります。
そんな時はパパが「真のヒーロー」についてぜひ教えてあげて欲しいと思います。
強さだけではなく、そこには優しさや気品の高さなんかもありますね。
力で悪をねじ伏せるだけではないことはきっと少しずつでも伝わっていくと思います。
それらを踏まえた上で、時にはパパが悪の親玉となって真剣に戦ってあげてください。
当然ですが、勝っちゃダメです。
最後はやられてあげてください。
地球の未来のために!
たくさんの人がいるところで、男の子が一心不乱に謎の戦いをしている姿は、ちょっと恥ずかしいと感じることがあるかもしれませんが、どうか優しく見守ってあげてください。
もちろん、女の子が戦っていたとしても同じように一緒に楽しんでくださいね。