パパも子育てしてるのに、子供がママの言うことしか聞かないのはなぜ!?

親子でいい関係を築きたい!とは誰もが思っているでしょう。

でも、なかなかうまくいかない。

今回は、積極的に子育てしているのに、ママの言うことしか聞いてくれない子供にモヤモヤしているパパからのご相談です。

なぜそんなことが起こっているのか?どうしたらその状況は変わるのか?

アドラー式子育ての熊野英一さんから、具体的なアドバイスをご紹介します。

子供が言うことを聞かないのは、パパに原因があるかも!?

質問者
4歳の娘がいます。

送迎やお風呂、寝かしつけなどをほぼ毎日しているのですが、全然言うことを聞いてくれません。

でも、ママの言うことは聞くんです。

こんなに長い時間一緒に過ごしているのに…どうしたらいいでしょうか?

今回は「ママの言うことしか聞かない」というパパのお悩みですが、反対に「パパの言うことしか聞かない」というママのお悩みを聞くことも多いです。

おそらくこういったことが起こる背景はそれほど変わらないと思いますが、いくつかの原因が考えられるでしょう。

改めて紐解いていきましょう。

原因1:子供がわざと茶化している

パパの言うことを聞かないときの反応が面白かったり、パパが困っている姿がかわいかったり、娘さんにとって反抗することが遊びのひとつになっているケースが考えられます。

言うことを聞かないときの娘さんはどんな様子でしょうか?

もし、何やら楽し気だったり、笑ったりしている感じであれば、このケースに当てはまるかもしれません。

されている方としてはたまりませんし、本当に聞いてほしい時もあると思いますが、今はまだ本当に聞かないといけないかどうかの判断がついていない可能性があります。

原因2:パパのことを信頼していない

子どもという生き物は忖度がないので、時にクールで残酷な反応をすることがあります。

直接状況を見ていないので一概に判断することは難しいですが、もしかしたら信頼関係がうまく築けていない可能性もあるでしょう。

特に「普段からパパは命令するし、共感してくれない」と感じていたりすると、言うことを聞かないという方法を選択することが多くなると思います。

パパ自身が反発を招くような接し方をしていないか?

今一度考えてみてはどうでしょうか?

原因3聞かなくてもいいと思われている

いわゆる「なめられている」という状況です。

短いながらもそれまでの人生で、パパの言うことを聞かなくてもなんとかなった経験や、ママの言うことを聞いてよかった経験などが積みあがっている可能性が考えられます。

またこれもよくあることですが、一方が怒鳴るなど恐怖でコントロールしているケースも考えられます。

例えば「ママは言うことを聞かないとものすごく怒って怖いから聞くけど、パパは怒らないから別にいいや」となっている可能性もあります。

こういった恐怖を振りかざすことは、瞬間的に効果がある場合がありますが、ある程度自分で判断できるようになったときに反発される時が来ることがほとんど。

もしもこの状況だったら、ちょっと接し方を考えた方がいいでしょう。

原因4パパをとても信頼している

原因2と逆パターンですが、実はこんなケースも考えられます。

先ほどのようなママが怖いケースでもありえるのですが「怒っているママには何を言っても無駄だから従うけど、パパは自分の言うことを聞いてくれるから言いたいことが言える」という可能性もあります。

とはいえ、ずっとわがままのようなことを言われてしまい生活に支障が出るようであれば、それもまた良くないので、最終的には聞いてもらえるようになることを目指したいですね。

いろいろなケースがありますが、いずれにしてもパパが悩んでいる以上は、状況は変えたいところです。

どうしたら変わっていくでしょうか?

子どもには「やってほしいことを伝える」

「上下関係」ではなく「横並びの関係」を築こう

アドラー心理学のポイント

適切な関係には、相互信頼と相互尊敬が重要である

当たり前のことですが、お互いに信頼しあい、お互いに尊敬しあうことは人間関係においてとても大事なことです。

ただ、親子の場合、立場的に上下関係になりやすいものです。

どうしても上から指示や命令をするような関係になってしまうことも多いでしょう。

子どもを必要以上に未熟な存在だと捉えてしまうとそうなりがちです。

一方で嫌われないようにビクビクしたり、下手に出すぎたりしてしまう場合もあります。

いずれにしても、それはちゃんと子どものことを信頼しているとは言えませんし、尊敬しているとも言えません。

そうなると適切な関係を築くことはできません。

子育てでよく言われることですが、年齢に関わらず子どもを子ども扱いせず、ひとりの人間として接し、横並びの関係を築くことで、互いの言うことにちゃんと耳を傾けられるようになると思います。

子どもを”子ども扱いしない”

具体的に言うと、大人同士でしないことは子どもにもしないということです。

大人に向かって「これをしなさい」とは言わないですよね。

「こうしてください」というのが丁寧な伝え方だと思います。

要は子どもでも相手に対してしっかりと礼節をもって接するということ。

必要以上に子ども扱いもせず、好かれようともしない。

正々堂々と誠意をもった毅然とした態度でいれば、きっと関係は変わってくると思います。

夫婦の間でも、日常的にしてもらったことなどに「ありがとう」と感謝を伝えることは大事だと言いますが、それは子どもに対しても同じです。

子どもだって「ありがとう」という言葉をかけられれば「認めてもらえている」と感じます。

家族として協力できる関係を築くことを目指して、まずは自分の接し方を意識してみてはどうかと思います。

すぐには変わらないかもしれませんが、粘り強くやってみてください!


熊野さん、ありがとうございました!

改めておさらいすると…

ポイント

  • いろいろなケースが考えられるが、現状適切な関係とは言えない可能性がある
  • 必要以上に子ども扱いせずに、上下関係ではなく横の関係を築く
  • 普段から「ありがとう」を伝えて認めていることを伝える

どうしても子どもには「言うことを聞かせる」というスタンスになってしまう人はとても多いと思いますし、そうなりがちです。

だからこそ、意識的に自分の目線を変えないといけないですね。

熊野さんのアドラー式コミュニケーションの講座では、家庭はもちろん仕事でも使えるコミュニケーションのコツを学ぶことができます。

「子育てが思い通りにいかない」「仲良くしたいのに夫婦関係がギクシャクしてしまう」「職場の人間関係がうまくいかない」など、悩みを抱える方は自分で解決できるためのコミュニケーション術を学びます。

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