50代“おじパパ”でも大丈夫!保育園で若いパパとつながるアドラー流会話術

ここ数年、比較的歳を重ねてからパパになったという“おじパパ”が増えています。 

50代で子どもを授かり、保育園や公園で自分の子どもより若い世代のパパと出会うと「どう接したらいいのか」と不安になることもあるでしょう。

今回は、世代の違いに戸惑いながらもパパ友をつくりたいと願う50代パパの悩みに、アドラー心理学の視点から専門家がアドバイス。

世代を超えて仲良くなるためにはどうしたらいいのでしょうか??

50代でパパになっても気後れする必要はない

質問者

私は50代で初めて息子が産まれました。

この春から保育園に通うようになったのですが、周りは自分の子どもでもおかしくないほどの若いパパがたくさん。

パパ友は欲しいけどどうコミュニケーションを取っていいかわからず悩んでいます。

何かいい方法はないでしょうか?

厚生労働省の調査でも、比較的高齢になってから子どもを授かったパパやママは増えているようです。

世代が違う人とのコミュニケーションはパパ同士じゃなくても悩む人が多いものです。

いい関係を築くためにどうしたらいいか考えてみましょう。

古代から続く“最近の若い者は”

ニュースなどで若い人が起こした残忍な事件を目にすると「最近の若い者は・・・」と思ってしまうことがあると思います。

ただ実際は若い世代の犯罪が増えているかというと、そうでもないというデータもありますし、何より、どの世代も「最近の若い者は…」と上の世代から言われてきた経験があるもの。

嘘か本当かわかりませんが、古代エジプトの壁画にも「最近の若い者は…」と書かれたという話もあるほどです。

そして、言われた若い方からすると「そういう人もいるけど、みんながそうというわけではない」と、十把一絡げに「最近の若者」とまとめられることに抵抗したくなるものです。

また、十把一絡げにされるのは若者だけではありません。

若者たちもまた「最近の50代は…」「これだから昭和世代は…」なんて括ってしまうことがあります。

集団で捉えると余計なバイアスがかかってしまうことに繋がるので、上の世代も下の世代もお互いに、そういう見方をしないように心がけるのは大切なことだと思います。

50代パパも若いパパも一長一短

50代のパパからすると、若々しくて、軽やかに動ける若いパパたちはうらやましく見えることも多く、気後れしてしまうことがあるかもしれません。

ただ、どっちがいいとは言えません。

50代だからこその余裕や、豊富な人生経験で培った知識などもまた子育てをする上では大切なこと。

比べずに自分のできることにフォーカスしていきましょう。

また、今回のようなコミュニケーションについても「自分の方が年上だから積極的にいかないと」と必要以上に気合を入れていませんか?それもまた思い込みです。

どっちから話しかけてもいいじゃないですか。

あまり考えすぎずに自然体で接することを心掛けてみたらどうでしょうか?

パパ友作りこそ50代の質問力を発揮するチャンス!

不安は繋がることで軽くなる

今回は若い世代とのコミュニケーションに不安を持っているようですが、アドラーはそんな不安についてこう語っています。

アドラー心理学のポイント

不安は、孤立を生む感情であると同時に、人との結びつきを求める感情でもある

不安を感じたとき、人は距離を取ろうとしてしまい、その結果孤立してしまうことがあります。

今回で言うと、若い世代とのギャップに対する不安から話しかけずにいることで孤立してしまう可能性です。

一方で、不安を払しょくするために「もっと理解したい」「つながりたい」という気持ちを呼び起こすこともあります。

先ほども言ったように「若者全体のイメージ」で不安を感じているのであれば、保育園で出会うパパ個人と直接つながってみたら、実際にどうかを自分自身の目で判断できるはず。

勇気を持って一歩踏み出すことで、変わることもあると思います。

上手に話せなくてOK!

とはいえ、その繋がるために会話をするのもまた不安なものです。

同じ世代であればそれまでの経験でわかっている鉄板のネタや共感しやすい話題もわかりますが、違う世代だとわからないから不安になりやすいものです。

そんな時は、改めてコミュニケーションの基本に立ち返ってみましょう。

あなたがわからないと思っている違う世代が何を考えているかを聴く、教えてもらうというスタンスで話を進めてみてはどうでしょうか?

アドラー心理学で大事だと考える「共感」の基本、「相手の関心に関心を持つ」ということです。

ヒーローインタビューをするような感じで、質問をしていけばおのずと会話は弾むものです。

コミュニケーションは「話し上手」より「聴き上手」になることが大切と言いますが、人は自分の話をしっかりと聴いてくれる相手を信頼することができるものです。

それこそ、きっと若いパパたちより様々な人と接してきた経験で培った質問力がかなり役立つチャンスだと思います。

自信を持って臨んでみてはどうでしょう。

きっと仲良くなりたい人も多いはず

また、冷静に考えてみれば、偶然子どもが同じ保育園に通うことになった縁がある保護者ですから、わざわざ戦いに来ている人なんてまずいないでしょう。

むしろ、せっかくだから、機会があれば仲良くなりたいと思っているパパだって、かなりの確率でいると思います。

「話しかけて嫌われたらどうしよう」「話が合わなかったらどうしよう」なんて、本当に起こるかわからないリスクばかりを気にしても仕方ないので、自然体でいろいろな質問をぶつけてみてください!

ただし!

年上であるからといって先輩風を吹かせたり、相手の話を奪ったり、上から目線で否定したり、武勇伝を語ったりするような、相手の信頼を失うようなコミュニケーションはしないように気を付けましょう。


熊野さん、ありがとうございました!

改めておさらいすると…

ポイント

  • まずは「若者」と括って決めつけないように
  • 話すことより聴くことを重視。相手の関心に関心を持って質問する
  • 冷静に考えれば繋がりたい人が多いパパ同士。臆することはない!

ジェネレーションギャップはショックを受けることも多いですが、トークネタとしては幅広い世代で話す時の鉄板ネタでもあります。

世代が違うからこそできるトークで楽しんでください!

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