年が明けたらいよいよ受験シーズンがスタートします。
子供にとっても親にとっても辛い時期ですが、それでも勉強をしないわが子の姿を見ると、イライラしちゃいますよね…。
今回は勉強しないわが子に、親は何ができるのでしょうか?
アドラー式子育ての熊野英一さんが、子供のやる気を奪わない関わり方と、今日からできる環境づくりを解説します。
受験期に親が整理したい「課題」とは
もうすぐ受験を迎える小学6年生の父親です。
まさに今が佳境というところなんですが、とにかく全然勉強しないのでイライラしてしまいます。
勉強しろと言っても意味はないのはわかっていますが、他にこうした方がいいというものはないでしょうか?
勉強しない子を心配したり、イライラしたりするのは子育てのあるある。
もはや永遠のテーマともいえるかもしれません。
ましてや受験となると気が気じゃないですよね。
そんなときはどうしたらいいのか?一緒に考えていきましょう。
まずは課題を切り分ける
質問にもあるように「勉強しろ!」ということはほぼ意味がないと思います。
言ったら勉強するのであれば苦労はしませんよね。
じゃあ、どうしたらいいのか?
アドラー心理学には「課題の分離」という考え方があります。
何か問題があるときに、それが課題の主を切り分けて考えるというものです。
「勉強をしない」ということで、その結果起こること。
例えば、テストの成績が悪くなる、志望する学校に行けない、やりたいことができないといったものを引き受けるのは誰でしょう?もちろん、子ども自身です。
つまり、勉強をするかどうか?というのは「子ども自身の課題」なのです。
もしも子ども自身が勉強をして成績を上げることに対して興味を持てず、「それでいい」と思っていたり、勉強以外の部分で力を発揮しようとしているのであれば、そこを変えることはなかなか難しいところですよね。
とはいえ、きっと先々勉強しなかったことを後悔する日が来るはず!と心配する気持ちはよくわかります。
この心配な気持ちやイライラする気持ちとどのように付き合うかこそが、「親の課題」なのです。
決めつけないこと、見守ること
また、今回の質問で言えば小6の子がその時期勉強しなかったことを絶対に後悔するとは限りません。
もちろん、親の今までの経験の中では、親自身も含め、周りに「あの時勉強していれば」と後悔している人が多いのかもしれません。
ただ、それは絶対ではありません。
周りが勉強をしているときでも、何かに夢中になったことがあり、それがその後の人生で役になっている人だっています。
それまで積み上げてきた価値観や経験のもと、わが子の行く末を決めつけてしまうのは、相手の課題に踏み込むことになります。
課題を分離するというのは、まずはそれをしないことがとても大切です。
ただ、切り分けたからといって、何もしないというのも違います。
受験は子どもだけが頑張っても成功しません。
塾や受験にかかるお金も必要ですし、場合によっては送迎が必要なこともあります。
他にも日常的な生活も親の支えなしでは行うことはできないので、親子が力を合わせて臨むことが求められます。
なので「共同の課題」として考えることが大切です。
親が受験をすることができない以上、勉強をするのは子どもです。
反対に子どもが稼ぐことや家事が未熟であれば、親がその部分をフォローする必要があります。
そういうと、親がこんなに頑張っているのに勉強しないわが子にさらに腹が立つ!というケースもあると思いますが、それは全員が「共同の課題」と考えられていないことが考えられます。
また、もしもそれでも子ども自身が勉強したくないという気持ちになり、怠っていたとしたら、それは怒りやイライラをぶつけるのではなく、やる気になるサポートや応援をすることが必要だと思います。
もちろん、相手をコントロールすることはできないので、思い通りにならないことの方が多いと思いますが、それでも見守ることが大切なのです。
受験なのになぜ勉強しない?子供のやる気を邪魔する親のNG行動
子供は親の姿を見て学ぶ
アドラーはこんな言葉を残しています。
アドラー心理学のポイント
「子どもは、身近でいちばん強い人を見つけ、その人のようになろうとする」
つまり子どもは、親の行動を見て育つとアドラーは考えているのです。
もし、パパやママが楽しそうに勉強をしていたら、子どもはきっと勉強に対して前向きにとらえるはずです。
どうでしょう?子どもの前で楽しそうに勉強をしている姿を見せていますか?
また、子どもが勉強してもなかなかいい点が取れずにやる気を失っている場合もあると思います。
では、難しい問題に対しても、諦めずに向き合い、解決して喜んでいる姿を見せていますか?
よく耳にするのは、「世の中にはやりたくなくても、やらないといけないことがある」と勉強の話をする親や、「あーまた明日から仕事かー面倒だなー」とか「資格の試験を受けなくちゃいけなくて嫌だな」とか、仕事や勉強にネガティブな発言や態度をとる親がいるということです。
果たして、そんな環境の中で「勉強したい」と思えるでしょうか?
どんなことでもいいので、パパやママにとって楽しいと思える勉強をやってみてはどうでしょうか?
もう一つの親の課題
とはいえ、仕事も忙しいし、家事も大変。そんな中で勉強する暇なんてないよ、という人もたくさんいると思います。
でも、だからといって勉強をしないまでも、家の中でだらだらしたり、スマホを見たり、ゲームをしたりという姿を子どもに見せていたら、その環境は果たして子どもにとって勉強したいと思える環境でしょうか?
子どもだって学校や塾で疲れたら家で休みたい、なのに勉強することを求められたら、大人に対する信頼は崩れます。
もちろん家の中でゆっくりしたいという気持ちもわかりますし、それもとても大切なことだと思います。
でも、せめて子どもに勉強が必要な時期くらいは、その環境を作るためにちょっと我慢して協力することも必要だと思います。
まさにこれは「親の課題」です。
受験を親子共同の課題だと思うのであれば、子どもの行動に口を出す前にまずは自分の行動を変えて、サポート体制を整えてみてはどうでしょうか?
熊野さん、ありがとうございました!
改めておさらいすると…
ポイント
- 受験に関する課題は一度親子で切り分ける
- 共同の課題として親子で共有してそれぞれができることに臨む
- 子どもにとって勉強したいと思える環境を作る
自分の課題じゃないからといって、近くにいる人は好き勝手していいわけではありません。
どういう形であれば協力できるのか?一度考えてみましょう!
著書のご紹介
また、熊野さんのアドラー式コミュニケーションの講座では、家庭はもちろん仕事でも使えるコミュニケーションのコツを学ぶことができます。
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